
| アストンマーティンはもともとリコールが多いメーカーではないが |
そして今回は珍しくも重篤な「設計ミス」
アストンマーティンが現在の「屋台骨」、DBXに関するリコールを届け出。
現時点では日本国内での届け出はなされていないものの、内容が内容だけに、近日中に国土交通省よりなんらかのアナウンスがなされる可能性もあり、まずはその内容を見てみましょう。
記事の要約(ハイライト)
- 2件の同時リコール発表:アストンマーティンの超高性能SUV「DBX」シリーズ、計5,028台が対象
- サスペンション脱落の危機:リアサスペンションのボルト設計ミスにより、走行中にコントロールを失う恐れ。実際にドイツで衝突事故が発生
- TPMS(空気圧警告)の不具合:タイヤの「ゆっくりとした空気漏れ」を検知できないソフトウェア設定ミスが発覚
- 対象車種:2021年〜2026年モデルのDBX、DBX 707、新型DBX Sを含む広範囲な年式
サスペンション破断の恐怖:原因は「細すぎるボルト」
今回のリコールにおいて最も深刻なのは「リアサスペンションアームに関する問題」。
対象は2021-2024年型DBX、2023-2026年型DBX 707、および最新の2026年型DBX Sの計3,937台だとアナウンスされています。

事故に至った経緯
上述の通り今回の問題に関しては実際に事故が発生しており、2024年5月、ドイツでDBXを運転していたオーナーが「車両後方からの異音」を感じた直後、右リアサスペンションに異常が発生して制御不能に陥り、他車と衝突する事故が発生した、と報じられています。
そして調査の結果、サスペンションの破損がブレーキラインまで傷つけてしまい、制動能力にも影響を及ぼしたことが判明した、というのがことの経緯となっているわけですね。
欠陥の原因
この直接の原因については「ボルト」であることが判明しており、まずアストンマーティンは開発段階(2019年11月)で「シャンク(軸)径の小さいボルト」を採用することを決定し、しかしこの細いボルトが極限状態でピンの滑りを許容してしまい、サスペンションアーム本体に亀裂が入ったり、最悪の場合は断裂したりすることが明らかになっています。

対策内容
今回の問題への対策としては「正規ディーラーにてリアロアサスペンションアームに亀裂がないか検査し、必要に応じて交換する」というもので、さらに全ての対象車両では「シャンク径を大きくした対策ボルト」への交換を実施しすることとなるもよう。
タイヤ空気圧監視システム(TPMS)の不備
2件目のリコールは、2025-2026年型DBXおよび2026年型DBX Sの計1,091台が対象となるもので・・・。
- 不具合の内容:ソフトウェアのコーディングミスにより、急激なパンクには反応するものの、「ゆっくりとした空気漏れ(スローパンクチャー)」を検知しても警告灯が点灯しない恐れがあり、これが連邦自動車安全基準に抵触することに
- 対策内容:約12分程度のソフトウェアアップデートで修正可能。ただしOTA(無線アップデート)には対応していないため、オーナーはディーラーへ車両を持ち込む必要がある
対象モデルと台数まとめ(2026年4月発表)
| 対象リコール | 対象車種 | 台数 | 対策 |
| サスペンション | DBX (2021-24), DBX 707 (2023-26), DBX S (2026) | 3,937台 | 検査・アーム交換・対策ボルトへの交換 |
| TPMS(空気圧) | DBX (2025-26), DBX S (2026) | 1,091台 | ソフトウェアアップデート(店頭作業) |

結論:「たかがボルト、されどボルト」
全世界で13,719台販売されているDBXのうち、アストンマーティンが現時点で把握しているサスペンションの不具合報告は事故1件を含む計3件のみ。
しかし足回りの欠陥は命に関わる重大な問題でもあり、特に時速300km/hを超えるパフォーマンスを持つDBX 707のオーナーにとって、このボルト1本の不具合は決して無視できないものであり、「たかがボルト、されどボルト」という事例です。
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