>ベントレー(Bentley)

【五感をととのえるクルマ】ベントレーの新型EV「トルカル」の目玉装備、感情を覚醒させる「キュレーション・エンジン」とは何なのか

ベントレー・トルカルのティーザー画像(センターコンソール)

Image:Bentley

| ベントレー「トルカル(Torcal)」がもたらす新しいラグジュアリーの形 |

最近のクルマは本当に「乗らないと」その良さがわからないようになってきた

自動車の「ラグジュアリー」といえば上質なレザー、繊細なウッドパネル、滑らかな乗り心地で測られるのが「これまでの」常識です。

しかしベントレーが新たに提案する新型EV「トルカル(Torcal)」はその定義を根底から覆そうとしており、キャビン全体の空気感や光、サウンド、さらには乗員の疲労度や気分に合わせ、走行特性だけでなく「五感」そのものを整える──。ベントレーが発表した最新テクノロジー「キュレーション・エンジン」がもたらす、次世代のラグジュアリー体験について見てみましょう。

この記事の要約

  • 感情に寄り添う移動空間:素材や快適性だけでなく、「乗員がどう感じたいか」という感情や感覚のニーズに合わせて車内環境を高度に最適化。
  • 五感神経科学に基づく統合制御:照明、サウンド、エアコン、空気の「質」、デジタル情報を完璧に調和させるコア技術「キュレーション・エンジン(Curation Engine)」を搭載。
  • 4つの専用エクスペリエンスモード:伝統の「Bentley」、静寂の「Comfort」、高揚の「Sport」、そして疲労を回復させる「Refresh」を展開。
  • デジタルデトックス機能を装備:Comfortモード時には情報量を意図的に減らし、スクリーンから解放された究極の安らぎを提供。
ベントレー・トルカルのティーザー画像(ドアインナーパネル)

Image:Bentley

五感神経科学から生まれた「キュレーション・エンジン」とは?

これまでもベントレーは、サスペンション設定から22方向ものシート調整気候、アンビエントライトのカラー設定に至るまで、細かな車内環境パーソナライズを提供してきましたが、しかし「トルカル」が目指したのは個別の機能調整にとどまらない「車内空間全体のトランスフォーム(変容)」。

センターコンソール中央に「美しく仕立てられたジュエリー」のように佇むインターフェース、それがキュレーション・エンジン(Curation Engine)です。

項目内容・仕様
制御対象サスペンション、パワートレイン、照明、サウンド、エアコン、空気質、デジタル表示
開発のアプローチ五感神経科学(Sensory Neuroscience)に基づく統合制御
主な目的乗員の気分・感情・ウェルビーイングの向上、疲労軽減、集中力維持
エクスペリエンスモードBentley / Comfort / Sport / Refresh(計4種)

このシステムは単にメカニカルな走りを変えるだけでなく、五感神経科学に基づいて照明・音響・空気の質などをミリ単位でキャリブレーション(調整)するといい、テクノロジーの存在を主張しすぎず、直感的に乗員の感情を解き放ち、ある時は心を落ち着かせ、ある時は英気を養う空間を作り出すのだそう。

気分と目的で選ぶ4つの「エクスペリエンスモード」

キュレーション・エンジンによって制御される「4つの主要モード」の特徴は以下の通りとなっていて・・・。

1. Bentley Mode(ベントレー・モード)

デフォルト設定であり、100年以上にわたり築き上げられたベントレーの遺伝子(グランドツアラーの精神)を最も純粋に表現したモード。温かみがありながらダイナミックでバランスが取れており、洗練されたラグジュアリーとドライバー主体の走りを完璧に融合させます。

2. Comfort Mode(コンフォート・モード)

刺激を抑え、深いリラクゼーションを促すモードだとされ、車内の照明がトーンダウンすると同時に空間全体が穏やかな時間に包まれることとなり、さらに「デジタルデトックス設定」を選択すると、ディスプレイに表示される情報量が最小限に抑えられ、デジタルデバイスから離れてゆったりとした長距離ドライブを楽しめる、と説明されています。

3. Sport Mode(スポーツ・モード)

五感を研ぎ澄まし、ドライバーと車との一体感を最大化するモード。サウンドトラックはよりエモーショナルになり、視覚的な演出も走りに集中できる仕上がりへと変化。すべてのレスポンスがダイレクトに感じられる、情熱的な走りのためのモードです。

4. Refresh Mode(リフレッシュ・モード)

「トルカル」のために新開発されたという「ラグジュアリーの新しい可能性を示すモード」。フレッシュな外気の循環量を増やし、照明を明るく整えることで車内を軽く清潔で活気に満ちた空間へと変化させ、長距離運転による疲労を軽減し、乗員のシャープな覚醒状態を維持する、とのこと。

自動車業界における「ウェルビーイング(健康・精神的充足)」へのシフト

近年、ハイエンドカーの世界では単なる「馬力」や「最高速度」、あるいは「豪華な素材」を競う時代から、「車内でどのように過ごせるか(ウェルビーイング)」を重視するトレンドへと急速に移行しています。

メルセデス・ベンツの「エナジャイジング・コンフォート」や、BMWの「マイ・モード」など、各社が車内の空間演出に力を入れていますが、ベントレー「トルカル」では五感神経科学という科学的アプローチをさらに深化させることとなり、これは以前からベントレーが設定してきた「アズール」シリーズの進化版ともいえるもの。

単にシートマッサージを動かすといったレベルではなく、「車内環境が乗員の脳波や感情にどう影響するか」を突き詰めて開発されている点が競合他社に対する大きな差別化要素となっているわけですね。

結論:単に「乗る」のではなく「整う」ラグジュアリーの未来

ベントレー・トルカルに搭載される「キュレーション・エンジン」は、機能の集合体や一元コントロール機能ではなく、それは「自動車と人間との関係性」を新しく定義する、「今までにないラグジュアリー哲学」ともいうべき存在です。

乗る人の感情に寄り添い、移動のプロセスそのものを「心を整え、活力をもたらす時間」へと変えるトルカルの車内空間。目で見る豪華さ、手に触れる質感を超え、「身体と心で真に感じるラグジュアリー」として、これからの高級車市場に新たな指針を示すことになるのかもしれません。

なお、ここでぼくが思うのは、各社各様に「車内空間に新しい価値を取り込もう」としているのは歓迎すべきことではありますが、どんどんその機能や表現手法が多様化することで「実際に体験しないとわからない」ものが多くなったということ。

これ自体は問題ではないのですが、画像や動画でそれらを「体感」「理解」することは難しく、やはり実際に乗ってみて運転しなければわからないものが多くなってきていて、となると自動車メーカー側はそれらをどうやって伝えるか、あるいは潜在顧客をどうやって運転席に座らせるのかという「新しい難問」へと直面することになっているのでは、と考えているわけですね。

合わせて読みたい、関連投稿

ベントレーの新型EV、トーカル(Torcal)のティーザー画像(リア)
ベントレー初の100%電気自動車(EV)の名は「トルカル(Torcal)」。9月に世界初公開へ、W12に代わる新たなラグジュアリーSUVが予告される

Image:Bentley | 現在は「ハイブリッド」路線を突き進むベントレーではあるが | このEVについては「開発が進みすぎ」計画をキャンセルできなかったものと思われる イギリスの至高の高級車ブラ ...

続きを見る

ベントレー初のEV、トルカルのサウンドを生成するテスト
ベントレー初の電気自動車「トルカル」が放つ「EVの音」革命。ビオラ、ベース、ドラムなど生楽器の音を取り入れ「ドライバーがオーケストラの指揮者に」

Image:Bentley | 静寂のEV時代に、ベントレーが「エンジンの咆哮」の代わりに用意した“答え”とは? | さすがベントレー、「発想」そのものがラグジュアリー 電気自動車(EV)への移行にお ...

続きを見る

ベントレーの新型EV「トルカル」に採用されるダイヤモンドデザイン
ベントレー新型EV「トルカル」に採用されるのは”新しい”デジタル時代のダイヤモンドモチーフ。100年の伝統が新時代へ向けて再解釈、圧倒的存在感を放つことに

Image:Bentley | ベントレーのディティールがデジタル時代にあわせて「進化」する | それでもトルカルの全容については「ナゾだらけ」 100年の歴史を誇るベントレーの象徴「ダイヤモンド」モ ...

続きを見る

参照:Bentley

->ベントレー(Bentley)
-, , , ,