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ベントレー初の電気自動車「トルカル」が放つ「EVの音」革命。ビオラ、ベース、ドラムなど生楽器の音を取り入れ「ドライバーがオーケストラの指揮者に」

ベントレー初のEV、トルカルのサウンドを生成するテスト

Image:Bentley

| 静寂のEV時代に、ベントレーが「エンジンの咆哮」の代わりに用意した“答え”とは? |

さすがベントレー、「発想」そのものがラグジュアリー

電気自動車(EV)への移行において、最も失われがちな要素――それは、ドライバーの魂を震わせる「エンジンサウンド」。

多くの自動車メーカーがスピーカーから擬似的なV8サウンドや宇宙船のような電子音を流す中、英国の至宝ベントレーは全く異なる「美学」を提示することに。

2026年7月、ベントレーは同年9月23日にワールドプレミアを控える同社初のラグジュアリーEV・新型SUV『Torcal(トルカル)』のサウンドシステム「ベントレー・ダイナミック・シンフォニー(Bentley Dynamic Symphony)」なるものを発表し、「ベントレーとして求められるEVサウンドとは」という問いに対して彼らが導き出した答えは「エンジンの真似事」をスピーカーから流すことではなく、なんと「ドラム、ビオラ、ベースギターといった本物の楽器で、V8エンジンのパッションを演奏する」という、誰も想像し得なかった芸術的なアプローチです。

単なる移動手段としてのEVを、極上のオーケストラ空間へと昇華させるベントレーの新技術。その驚きの開発プロセスと、新型Torcalに込めた音響哲学に迫ります。

【この記事の要約(3つのポイント)】

  • V8を「楽器」で超解釈:ベントレー初の100%電気自動車(BEV)『Torcal(トルカル)』に搭載される新音響システム「ベントレー・ダイナミック・シンフォニー」が発表。
  • 不均一が生む“人間味”に注目:録音したV8エンジン音とドラマーの演奏を比較する実験から、感情を揺さぶる本質は「規則的な機械音」ではなく、微妙な「リズムの揺らぎ(不完全さ)」であることを解明。
  • 本物の楽器による演奏:エンジン音の模倣(疑似排気音)を完全に否定し、ビオラ、ベース、ドラムなどの生楽器を用いて、ドライバーのアクセルワークに連動する唯一無二のサウンドトラックを構築。
ベントレーの新型EV、トーカル(Torcal)のティーザー画像(リア)

Image:Bentley

ベントレーの新型EV、トーカル(Torcal)のティーザー画像(リア)
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詳細:「エンジンの鼓動はドラムと同じである」という新発見

ベントレーが誇る超弩級W12エンジンや、伝統の6.75リッターV8エンジンは、ただ速いだけでなく、乗り手の心を深く揺さぶる「ある種の楽器」。

開発チームはこの「エモーショナルな感覚」の正体を突き止めるべく、スタジオでV8エンジンの音響解析を行うこととなり・・・。

ドラムとV8のエネルギーがシンクロした「パラボラスピーカー実験」

彼らは非常にユニークな実験を行ったことが明かされていて、スタジオの片側にベントレー製V8エンジンの音を流すパラボラスピーカーを設置する一方、もう片側にはプロのドラマーによる生演奏スピーカーを設置。その2つの音源の間を人が歩き抜けるというテストですが、その結果、驚くべき事実が判明したといい、聴き手が感じ取るエネルギー、ケイデンス(リズムのテンポ)、そして感情に与えるインパクトにおいて、「V8エンジン」と「ドラムのビート」には極めて強い類似性があることが実証されたのだそう。

「完璧ではないこと」がもたらす人間味

実は内燃機関(ガソリンエンジン)はロボットのように完璧に一定の音を刻んでいるわけではなく、燃焼サイクルにはごくわずかなムラや、金属の微細な摩擦による「揺らぎ(不完全さ)」が存在していて、これこそが人間が演奏する楽器の”揺らぎ”と同じ効果を生み出すことになり、聴き手に「心地よさ」や「エモーション」を感じさせる決定的な要因になるとベントレーは結論づけたわけですね。

この深い洞察をもとにベントレーは世界的なミュージシャンたちを招聘し、エンジン音を電気的に合成するという”模倣”を捨て、ビオラやドラム、ベースといった本物の楽器を用いて新型トルカル専用のサウンドトラックが”書き下ろされる”こととなっています。

新型SUV『トルカル』の車両概要と「ダイナミック・シンフォニー」のシステム

2026年9月に正式発表されるベントレー初の100%電気自動車『Torcal(トルカル)』は、従来のラグジュアリーSUV「ベンテイガ」よりも一回り小柄なクロスオーバーSUVとして開発されていて・・・。

新型ベントレー・トルカル予想スペック&システム概要

項目詳細・仕様
車両クラスEセグメント ラグジュアリー・クロスオーバーEV(4番目のモデルライン)
プラットフォームPPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)※ポルシェ・カイエンEV等と共有
想定システム出力デュアルモーターAWD・最高出力1,000馬力以上(予想値)
正式発表日2026年9月23日(ロンドンにて初公開予定)
新世代サウンドシステムBentley Dynamic Symphony(ベントレー・ダイナミック・シンフォニー)
サウンドの構成楽器ドラム、ビオラ、ベースギターなどの「生楽器」
車両連動制御アクセル開度、Gフォース、車速に応じてテンポや周波数が動的に変化

本物の楽器だからこそ出せる「本物の質感」

このシステムは、アクセルを踏み込むと、まるで指揮者がタクトを振ったかのように、ドラムの刻むテンポが速まり、ビオラの重厚な旋律が引き締まり、ベースギターが路面を蹴り出すような力強い低音を奏でることとなるもよう。

ただスピーカーから音を鳴らすのではなく、ドライバーの運転動作そのものが「生演奏を指揮する」という、極めて五感に訴えかけるシステムであり、なんともベントレーらしい「壮大な」考え方だと思います。

EVサウンドのトレンド「模倣の時代」から「芸術の時代」へのシフト

これまでのEV業界における「疑似エンジン音」のアプローチは、大きく分けて2つの潮流があり・・・。

  1. 完全なる過去の再現(模倣型):アイオニック5 N(ヒョンデ)や新型ダッジ・チャージャーEVのように、スピーカーや特殊な排気管状のアクチュエーターを用いてガソリン車の「エキゾーストノート」を完璧にシミュレートするタイプ。
  2. SFライクな電子音(未来志向型):ポルシェ・タイカンやBMW(ハンス・ジマー氏がサウンドデザインを担当)のように、電子音やシンセサイザーの未来的高周波を用いて、新時代の乗り物を演出するタイプ。
ダッジが「サウンド」のみではなく「ガソリンエンジンのサウンド」を擬似的に(EVにて)再現する特許を出願。「フェイク」に対する考え方は各社各様
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ベントレーが切り拓く「第3の道:オーガニック・シンフォニー」

しかしベントレーの「ダイナミック・シンフォニー」は、そのどちらでもなく、「偽りのエンジン音でドライバーを騙す必要はない」という強い割り切りのもと、“生楽器による音楽”という人類不変の贅沢品を用い、かつてエンジンがもたらしたエモーションを代替するという極めてサステナブルかつ貴族的な解決策を導き出したというわけですね。

これは、素材の質感(ウッドやレザーの本物志向)にこだわるベントレーだからこそ辿り着けた「オーガニックなEVサウンド」の未来であり、今後の超高級EV市場の音響設計において新しいデファクトスタンダード(標準)となる可能性をも秘めています。※ついに「ガソリン車の模倣」トレンドが終わりを告げることになるのかもしれない

結論:電動化されても、ベントレーが届ける「感動」の本質は変わらない

「ベントレーを運転すること、それは壮大なオーケストラの最前列に座るようなものだ。」

「トルカル」に用意されたこの新しいサウンドスケープは単なる静音対策やギミックとしての効果音ではなく、それは、100年以上にわたって内燃機関が築き上げてきた「クルマと人間とのエモーショナルな対話」を電動化された未来へと正しく翻訳するための美しい架け橋です。

完璧に均一で無機質になりがちなEVだからこそ、職人によるハンドクラフトの質感と生楽器が持つ「心地よい不完全さ」を注入する。新型トルカルがもたらすこの新たな「静寂とシンフォニーの融合」は、2026年9月23日、ロンドンの地で(トルカルの発表とともに)世界中にお披露目されるといい、本物の豊かさを知るオーナーたちに、この新しい音色がどのように響くのか、その反応が気になるところでもありますね。

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