
Image:Bentley
| 現在は「ハイブリッド」路線を突き進むベントレーではあるが |
このEVについては「開発が進みすぎ」計画をキャンセルできなかったものと思われる
イギリスの至高の高級車ブランド、ベントレー(Bentley Motors)が、107年にわたる内燃機関の歴史に次なる壮大な1ページを刻むことに。
2026年7月、ベントレーはブランド初となる100%電気自動車(BEV)の名称を『トーカル(Torcal)』に決定したと公式にアナウンスし、この新型車はコンチネンタルGT、フライングスパー、そしてベンテイガに続く「第4のコアモデル」としてラインナップに加わります。
これまでベントレーの象徴として君臨してきた「W12気筒ツインターボエンジン」の生産終了に伴い、彼らが次の100年を託す「フラッグシップとしての」BEVとは一体どのようなクルマなのか。
2026年9月23日のロンドンでの正式発表を前に、公開されたネーミングの深い由来や、ポルシェの次世代テクノロジーとの繋がりなど、現在判明している最新情報について考えてみたいと思います。
この記事の要約
- ベントレー初のピュアEV「トーカル(Torcal)」が第4のモデルラインとして正式発表。
- 2026年9月23日にロンドンで世界初公開が決定、公式ティザー画像も解禁。
- 伝統の「W12」に代わる電動化の象徴。ポルシェの新型カイエンEVとプラットフォームを共有か。
- 名前の由来はスペインの景勝地とラテン語の「トルク(回転)」。航続距離は480km以上を目標。
伝統の重厚感と電気のトルク。ネーミングに込められた二つの意味
ベントレーは近年、ベンテイガや、最高峰コーチビルドモデルのバカラール(Bacalar)、バトゥール(Batur)など、世界中の「壮大な大自然・景勝地」から車名を採用するモダンなネーミングルールを確立しています。
今回の「トーカル(Torcal)」という名も、スペインのアンダルシア地方にあるカースト地形の自然保護区「エル・トーカル・デ・アンテケラ(El Torcal de Antequera)」からインスピレーションを得たもので、数百万年をかけて自然が削り出した石灰岩のそびえ立つ崖や、複雑に入り組んだ迷宮のような岩々のように、時代を超えて進化し続ける普遍的な美しさを表現している、とのこと。
なお、以前にはこのEVの名称につき(新しく登録された商標から)「バーナート」になるのではとも言われていたものの、実際には「B」ではじまらない「トーカル」を採用することに。
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さらにこの言葉にはブランドのアイデンティティに関わるもう一つの深い意味が隠されているといい、「Torcal」は、ラテン語で「ねじる・回す」を意味する「torquere」に由来していて、これは現代の自動車用語である「トルク(Torque)」の語源。
ベントレーの会長兼CEO であるフランク=ステッフェン・ヴァリザー博士は次のように述べており、もしかすると「驚異的なトルク」によってぼくらを驚かせてくれることにもなりそうです。
「107年の間、ベントレーは常に完璧な自動車であり続けてきました。溢れ出るパフォーマンス、卓越した快適性、最高の天然素材を用いた精緻な英国の手工芸、そして魂を揺さぶるサウンド。私たちの新しいトーカルは、すべての重要な領域で異次元のベンチマークを確立し、ブランドの歴史の中で最も深く考え抜かれた車両になるでしょう」
「ベントレー・トーカル(Torcal)」予想スペック
正式発表前のためスペックの多くは未開示ではあるものの、先行するプロトタイプの目撃情報やフォルクスワーゲングループ内の共通インフラから、以下のような構成が極めて濃厚とされており・・・。
- プラットフォーム: ポルシェ「カイエンEV(Cayenne Electric)」やアウディと共同開発した最先端の「PPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)」アーキテクチャの進化型を採用。
- デザイン・サイズ: 全長は約5メートル。ベンテイガ(全長約5.1m)よりもわずかにコンパクトで引き締まった「ラグジュアリー・アーバンSUV」という新セグメントを切り拓く。
- インテリア: EV専用プラットフォームの恩恵により(ガソリン車でいう)エンジンルームを縮小。外見はコンパクトながら、車内空間の広さはベンテイガのロングホイールベース(EWB)仕様に匹敵する「動く極上サロン」を実現。
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【トーカル(Torcal)現時点での予想・公表スペック表】
| 項目 | 詳細仕様(※一部海外メディア推測値含む) |
| 正式発表日 | 2026年 9月 23日 (ロンドンにて世界初公開) |
| ボディタイプ | 5人乗り ラグジュアリーSUV(スクエアバック形状) |
| 全長 | 約 5,000 mm |
| 駆動方式 | 高出力デュアルモーターによる「4WD」 |
| 最高出力 | スピード/マリナー仕様では最高1,000馬力オーバーの可能性 |
| 航続距離 | 約483km以上を確保 |
| 充電アーキテクチャ | 800V 高電圧システム採用 |
| 超急速充電性能 | わずか7分間の充電で100マイル(約160km)分の航続距離を回収可能 |
| デザイン特徴 | ディライト機能付きイルミネーションフロントグリル、ダイヤモンド調LEDリアライト |
| 予想価格帯 | 約250,000ドル 〜 300,000ドル (日本円換算:約3,800万〜4,500万円クラス) |
ライバルとの比較と市場でのポジショニング
ベントレー・トーカルは、超高級車セグメントにおける「初の本格派ラグジュアリー電動SUV」としてのポジションを狙っており、現在、ウルトララグジュアリーEV市場にはロールス・ロイスが初の2ドアクーペEV「スペクター(Spectre)」を投入し大成功を収めているものの、より実用的な「SUV」のジャンルにおいてはまだまだ絶対的な王者が不在です。
今後登場するであろう「メルセデスAMGのEV」や、ロールス・ロイスの次世代電動SUVに対する Crewe(クルー工場)からの先制パンチとなるのがこのトーカルであるとも考えられますが、その名称から推測するに「単に環境に優しいだけのクルマ」にならないであろうとも思われ、EVならではの無音かつ強烈な「爆発的トルク」は、かつて6.75リッターV8やW12エンジンが提供していた「シルキーで底なしの加速感(エフォートレス・プログレッシブ)」を最も完璧に再現(あるいは超越)できるパワートレインであるとも考えられます。
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W12の「音と魂」を失ったベントレーが、EVでどう乗員を魅了するのか?
なぜベントレーがEVシフトにおいて「サウンドと手工芸の融合」にこれほどこだわるのか、その技術的背景と新しい価値観について考えてみると・・・。
- 「Soundtrack with soul(魂のサウンド)」の再定義:CEOのヴァリザー博士がコメントの中でわざわざ「サウンド」という言葉を残したことは非常に示唆的で、内燃機関が奏でる重低音のエキゾーストノートが消え去るBEVにおいて、ベントレーは人工的な疑似エンジン音を鳴らすのか、あるいは全く新しいラグジュアリーな「静寂のオーケストラ」を仕掛けてくるのかに注目されているという状況
- 伝統のクラフトマンシップの進化:エンジンという巨大な熱源と振動が無くなることでインテリアの設計自由度が劇的に高まり、トーカルの内装には、イギリス・クルー工場の熟練工による最高級レザーやウッドパネルはもちろん、最先端のデジタルHMI(人間機械インターフェース)がシームレスに融合されることが考えられる
- ウルトラ高級車だからこそ活きる「800V超急速充電」:「7分で160km分を充電」という性能は大容量バッテリーを積む超高級EVにとって極めて重要でもあり、長距離を優雅に移動するグランドツアラー(GT)としての使命を果たすため、ポルシェの最先端技術を応用した400kW級の超急速充電に対応させることにより、オーナーに「充電待ち」というストレスを一切感じさせないラグジュアリーを提供しようとしている
結論
ベントレーの次なるマイルストーンとなる「トーカル(Torcal)」。
それは時代の要請に合わせてガソリンエンジンをモーターに置き換えただけのクルマではなく、1919年の創業以来、一貫して追求してきた「至上のクラフトマンシップ」と「圧倒的な動力性能(トルク)」を電気という新しいエネルギーを使って完璧に表現し直すための壮大な挑戦です。
スペインの岩山が数百万年かけて形を変えていったように、ベントレーもまた、自らのアイデンティティを守りながら美しく進化しようとしているのが現在の状況で、そのベールが完全に脱がされる2026年9月23日、ぼくらはラグジュアリーカーの歴史が塗り替わる瞬間を目撃することとなりそうですね。
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参照:Bentley











