
Image:Bentley
| 近年のベントレーはその表現の範囲を急激に拡張している |
ロールス・ロイスにはない新しい世界観を確立か
英国の超高級ラグジュアリーカーブランド、ベントレー・モーターズ(Bentley Motors)がクルー(Crewe)工場での自動車生産開始から80周年という大きな節目を迎えることとなり、これを記念して特別カスタム部門「マリナー(Mulliner)」が仕立てた世界に1台だけのワンオフモデル「コンチネンタル GTC スーパーノヴァ・パープル・オンブレ」を発表することに。
これと同時に「100台以上のベントレーのヒストリックモデル」が本社の敷地内を埋め尽くす壮大なイベントを開催したとアナウンスされていますが、今回はこの息をのむほど美しい記念モデルの仕様、そしてEV時代を見据えた伝統工場の未来像までを見てみましょう。

Image:Bentley
この記事の要約
- クルー自動車生産80周年を祝福:1946年の生産開始から80年を迎えた英国クルー(Crewe)工場を称え、記念イベントを開催。
- ワンオフの「コンチネンタル GTC」:ビスポーク部門マリナー(Mulliner)が手掛けた、特別色「スーパーノヴァ・パープル・オンブレ(Supernova Purple Ombre)」の美しいグラデーション塗装モデルを世界初公開。
- 歴代107台のベントレーが集結:ベントレー・ドライバーズ・クラブ創立90周年の協力のもと、最古の顧客納車車「EXP3」から最新の「フライングスパー スピード」までがピムス・レーンに一堂に会することに。
- 次世代「ドリームファクトリー」へ進化:最高峰の職人技(クラフツマンシップ)と最新のデジタル生産技術を融合させ、2026年9月に控えるブランド初のEV生産に向けた施設改修も進行中。

Image:Bentley
80周年記念ワンオフモデル「コンチネンタル GTC」のスペックと特徴
マリナーのクラフツマンシップが結集した本車両は、80年にわたる職人たちの技と情熱を現代の最高級グランドツアラーとして表現した逸品ともいえるもので、以下の仕様を持っています。
特別仕様車 スペック・装備サマリー
| 項目 | スペック・特別仕様内容 |
| ベース車両 | ベントレー コンチネンタル GTC(Continental GTC) |
| エクステリアカラー | スーパーノヴァ・パープル・オンブレ(Supernova Purple Ombre) ※フロントの濃紫からリアの暗紫色へシームレスに変化する特殊グラデーション塗装 |
| グラフィック | ボディサイドにグラデーションを反転させた専用「80」グラフィック |
| ホイール | コントラストカラー仕上げの専用アルミホイール |
| インテリア | ・「80」刺繍入りヘッドレスト ・デザインスタジオを再現したエアブラシアート入りウッドパネル ・「80 Years of Crewe」刻印トリム |
| パワートレイン | ウルトラ・パフォーマンス・ハイブリッド(4.0L V8ツインターボ+電動モーター) ※システム総合出力 771 ps / 最大トルク 1,000 Nm |

Image:Bentley
息をのむ「オンブレ(グラデーション)塗装」の職人技
外装に採用された「スーパーノヴァ・パープル・オンブレ」は、ペイントショップとCMF(カラー・素材・仕上げ)チームがこのクルマのために特別開発した塗料だといい、フロントからリアにかけて徐々に深みを増していくグラデーション塗装は”機械だけでは再現不可能な”高度な手作業と精度を要します。※「オンブレ」はベントレーのグラデーション塗装技術を指している
さらに、インテリアの助手席側フェイシア(ダッシュボードパネル)には、クルー工場の象徴である「デザインスタジオ」の建物を描いた手作業のエアブラシアートが施されており、80年の歴史への敬意が細部にまで宿っているようですね。
こういった仕様は「生産台数が少量にとどまり、ハンドメイドが介在する余地がある」「長い歴史を持つ」「ベントレーに理解が深い顧客が存在する」同社ならではの仕様ともいえるもので、メルセデス・ベンツやBMW、アウディでは「なかなかに(主に生産性の理由により)対応しにくい」ところなのかもしれません。

Image:Bentley
歴代の名車107台が本社の路に集結:1世紀超の血統を辿る
記念イベントのハイライトとなったのが、本社敷地内の「ピムス・レーン(Pyms Lane)」を埋め尽くした107台の顧客所有によるベントレーで、ベントレー・ドライバーズ・クラブ(BDC)創立90周年とも重なったこの集会には世界中からオーナーが駆けつけることとなり、製造年代順に車両がズラリと並べられたのだそう。
- EXP3(1920年代):ベントレーが初めて顧客に納車した伝説の第1号車。
- W.O.ベントレー時代〜ダービー時代:伝説の「ブロワー(Blower)」をはじめとするクラシックモデル。
- 現代のラインアップ:クルー工場で生まれた「ベンテイガ」「フライングスパー スピード」など最新世代。
1946年にクルー工場で製造された最初の1台から現在に至るまで、世代を超えて受け継がれる伝統とクオリティが証明される壮観な一日となったようですね。

Image:Bentley
クルー工場の歩みと未来:マーリンエンジンからEV専用「ドリームファクトリー」へ
クルー工場は、もともと1938年に第二次世界大戦中の航空機用エンジン「ロールス・ロイス マーリン(Merlin)」を生産するための軍需工場として建てられたという歴史を持ちます。
しかし1946年以降にてベントレーの自動車生産の拠点(Home of Bentley)へと生まれ変わっていて、現在、この歴史ある工場は「ドリームファクトリー(Dream Factory)」へと進化を遂げるべく、過去最大級の設備投資とデジタル化が進められているという状況です。
-
-
ロールス・ロイスとベントレー:かつては同門、しかし袂を分かつことで双璧をなすようになった英国高級車の知られざる歴史と違いとは
Image:Rolls-Royce | はじめに:英国高級車の二巨頭、ロールス・ロイスとベントレー | かつて両ブランドは「70年以上も」同じ企業による「異なるブランド」であった 自動車の世界には、た ...
続きを見る
クルー工場が進める進化のポイント
- 伝統と先進技術の融合:デザインスタジオ、エンジニアリング・テクニカルセンター、専用ペイントショップなど最新施設をワンキャンパスに集約。
- クラフツマンシップの継承:レザーのステッチやウッドパネルの木目合わせなど、何世代にもわたって培われた職人の手技を守り続ける。
- 完全電動化(BEV)への対応:敷地内で最も古い歴史的建物を、ベントレー初となる完全電気自動車(EV)の最終組み立てラインへと改修中。

Image:Bentley
結論:80年の職人技が描く、ベントレーの新しいラグジュアリー
クルー工場での80年間は、ただ単にラグジュアリーカーを量産してきた歴史ではなく、一台一台に情熱を注ぎ込む「人間(職人)の技」と「最先端の自動車工学」を融合させ続けてきた歴史そのもの。
今回発表されたワンオフ仕様の「コンチネンタル GTC」は、その過去80年の歴史を称えるシンボルであると同時に、これからの電動化時代においても「ベントレーの美学とクラフツマンシップは揺るがない」という力強いメッセージでもあり、伝統を守りながら未来へ挑むベントレーとクルー工場の「ドリームファクトリー」の未来には大きな期待を寄せたいと思います。

Image:Bentley
合わせて読みたい、ベントレー関連投稿
-
-
ベントレー最新「マリナー」2026年ガイド発表。手作業による56時間の芸術的塗装やレーシングストライプなど贅沢極まりないオーダーメイド仕様が解禁に
Image:Bentley | ベントレーのパーソナリゼーション部門「マリナー」はその活動領域を絶え間なく拡大し続ける | さらにはマリナーを活用する顧客も年々増加中 イギリスのラグジュアリーカーブラ ...
続きを見る
-
-
ベントレーがベンテイガに「アルテナラ・エディション」追加。「マリナー」を超える最高峰の贅を尽くした究極のSUVが誕生、その名は「ベンテイガ」ゆかりの地から
Image:Bentley | ベンテイガの集大成とも言える「最上級」の仕様が与えられたスペシャルバージョン | そこには同社のパーソナリゼーション部門「マリナー」の知識と経験が惜しみなく注がれる ベ ...
続きを見る
-
-
ベントレーが誇る伝説の「ドリームファクトリー」がさらに進化。光の角度で虹色に変化する新色「スペクトラフレア」発表、最先端塗装工場の現場とは
Image:Bentley | ベントレーはますます「パーソナリゼーション」へと傾注する | ビスポークの王者が仕掛ける、クラフトマンシップとデジタル製造の融合 世界の超高級車市場において、他の追随を ...
続きを見る
参照:Bentley











