車両価格は1億1400万円、売上金の一部はアイルトン・セナ財団へ
マクラーレンが「P15」こと新型ハイパーカー、「セナ(Senna)」を発表。
マクラーレンの市販車はこれまで「F1」「MP4-12C」「650S」「540C」「570GT」「720S」など「アルファベットと記号」。
よって今回の「セナ」という「名前」のついた車は非常に珍しい、と思います。
マクラーレンはサーキット志向の「アルティメット・シリーズ(ハイパーカー)」、スーパーカーと互角以上に渡り合える「スーパーシリーズ」、そしてベーシックなスポーツカー「スポーツシリーズ」があり、今回の「セナ」はアルティメットシリーズからの登場。
限定台数は500台
「セナ」はもちろん伝説のF1ドライバー「アイルトン・セナ」へのリスペクトであり、生産台数は500台のみ(マクラーレンP1は375台)。
なお価格は750,000ポンド(約1億1400万円)と発表されており、売り上げの一部はアイルトン・セナ財団を通じてチャリティへと寄付される、とのこと。※マクラーレンP1は96,615,000円
アイルトン・セナは1988〜1993年にマクラーレンに在籍しており、1988年、1990年、1991年にチャンピオンを獲得。
全盛期にマクラーレンに在籍していたためにセナ=マクラーレンF1のイメージが非常に強く、特にその頃日本では「F1ブーム」であったためになおのことマクラーレンとセナとの結びつきは強く感じられるかもしれません。
マクラーレン・セナはこれまでのマクラーレンとは大きく異なるルックスを持ちますが、その全ては「パフォーマンスのため」。
「形態は機能に従う」を現わした車だとマクラーレンは述べており、空気抵抗を最小限にしながらもクーリング性能を最大化したことが特徴。
特にリアディフューザーとリアウイングはウインドトンネルにて長い時間をかけて設計され、確かに「いかにも効果ありそう」な形状を持っています。
サイドだと「シースルーグラス」が斬新で、運転しているとここからどんな景色見えるんだろう、と考えてしまいますね。
おそらくはこのシースルーグラスを採用したがためにサイドウインドウはその「一部」しか下がらない構造となっていると思われますが、そうまでしてマクラーレンはこの「側面ウインドウ」を採用したかったということですね。
ブレーキはもちろんカーボンセラミックディスクが採用され、公開された画像だとキャリパーは「ブルー」。
このブルーは他の部分にも使用されており、一つのアクセントとなっています。※マクラーレンのカンパニーカラーは「オレンジ」
ホイールはセンターロックですね(マクラーレンとしては珍しい)。
フロントフェンダー形状は見分けて特殊で、おそらくはホイールハウス内の圧を逃がすためにこういった「隙間」があるのだと思われます。
タイヤは(ミシュランではなく)ピレリPゼロ・トロフェオRを装着。
リアフェンダー形状もフロントに負けず劣らず特徴的で、これはおそらく安定性を狙って「ロングテール化」、しかしリヤオーバーハングの重量増加を嫌ったがための構造だと言えそう。
エンジンはV8ツインターボ、4リッター。
720Sと同じものをチューンしており、789馬力を発生。
なおP1で採用された「ハイブリッドシステム」は省かれています。
なお車体重量は1,198キロ、と非常に軽量。
マクラーレンP1は916PS(7エンジン37馬力+モーター179馬力)と出力では勝るものの、重量はモーターやバッテリーを搭載するために「1,395キロ」とセナよりも200キロほど重い数字に。
マクラーレン・セナのインテリアを見てみよう
内装は外装同様、もしくは一層過激。
メーターは720S同様の「格納式」を採用しているようですね。
物理スイッチはかなり少なく、主な操作はダッシュボードセンターにあるデカいスマートフォンのようなもので行うと考えられます。
なお左に見える青い棒はディヘドラル・ドア開閉のためのダンパーではないかと推測(違うかもしれない)。
エンジンのスタート/ストップは前代未聞、オーバーヘッドコンソールにて。
ドライブモードの選択スイッチ、パワーウインドウスイッチ、エアコンの風量調節スイッチすらもここへ集合。
センターコンソール状のスイッチ群。
ドライブ、ニュートラル、リバースの選択や、ハザード、アイドリングストップ、ローンチコントロールはここで。
シートのクッションはカーボン製のシェルに薄いものが申し訳程度に「貼ってあるだけ」。
こちらもブルーがグラデーションとして採用されているようですね。
ヘッドレストには「Senna」のロゴ。
なお現時点では0-100キロ加速、最高速などパフォーマンスは不明。
スペックについては追って明かされると思いますが、ぜひニュルブルクリンクのラップタイム更新にも挑戦して欲しいところ。
マクラーレンはこれまで「ニュル世界最速」に公式では挑んでいないものの、「マクラーレン・セナ」には十分に記録を更新できるポテンシャルがあると思われ、できればブルーノ・セナのドライブでこれを実現して欲しい、と思います。
生産は2018年の第三四半期からとなっており、2018年3月のジュネーブ・モーターショーにて一般公開される予定。
マクラーレンは「F1」後継、開発コードBP23を名乗る「センターシートレイアウトのハイパーGT」発表も控えており、今後しばらくは目を話すことができないメーカーと言えそうですね。
こちらはマクラーレン公式によるセナのプロモーション動画、「The McLaren Senna - Challenge the impossible」。