生産わずか25台、超レアなマクラーレン688HS（MSO HS）が約1億円で販売中。後のハードコアモデルに大きく影響を与えたエポックメイキングなシリーズ

｜ マクラーレンの一部のモデルは再評価によって大きく価値を上げている ｜

マクラーレンはほかのスーパーカーに比較して生産台数が特に少ない

さて、そうとうに珍しいマクラーレン688HS（MSO HS）が中古市場に登場。

これは675LTをベースとし、2016年にわずか25台のみが製造された限定モデルで、しかしその存在が公にアナウンスされたわけではないというレアカーです（マクラーレンにはときどき、そういった謎の限定モデルが存在する）。

この688HSはパフォーマンスそしてエアロダイナミクスに特化したことが特徴で、シュノーケルやフロントフェンダー上のルーバーなど、その後のマクラーレンのハードコアモデルに共通する特徴を多く備えていることが一つのトピック。

マクラレーン688HSはこんなクルマ

そこでこのマクラーレン688HSをざっと見てみたいと思いますが、フロントバンパーにはカーボンファイバー製のカナードを備え、くだんのシュノーケルにフェンダー上のルーバー、リアウイングを備えます。

これらエアロパッケージによって時速240km/h時に220kgものダウンフォースを発生させると（発表当時に）紹介されていますね。

この個体のボディカラーはMSOレーシンググリーン、そこへイエローのアクセントという「イギリスっぽい」カラーリング。

フロントバンパー、ボディサイド、ドアミラー、リアウイングやルーフなど随所にカーボンファイバーの織り目を見ることが可能です。

ちなみにこの688HSにはわずか数台のみ「ボディパネルがすべてヴィジブルカーボン」というモデルが存在しますが、そちらのほうはなかなか売り物が出ないようですね。

ホイールはマットブラック、ブレーキディスクはカーボンファイバー、ブレーキキャリパーはイエローペイント仕上げ。

ホイールセンターキャップはカーボンファイバー、そしてイエローで「HS」の文字。

ホイールボルトはチタン製のように見えます。

フロントフード上のエンブレムは「バッジ」ではなくステッカー（その上からクリアが塗られているようだ）。

おそらくは軽量化を目的とした仕様なのだと思われますが、688HSはこのほかフロントやサイドガラスの薄肉化、リアサイドウインドウ、リアウインドウをポリカーボネートへと置き換えたほか、随所に軽量素材が採用され、これによってベースモデル比で40キロの軽量化を達成しています。

マクラーレン688HSのインテリアもスパルタン

そしてこのマクラーレン688HSのインテリアもまたスパルタンな仕様を持っており、内装の張り材はアルカンターラ（レザーよりも軽い）。

P1と同じカーボン製バケットシートを備え、4点式ハーネスとサーキット用テレメトリーシステム、これに加え3つのカメラとGPSにてサーキットを走行した内容を解析するシステムも内蔵しています。

センターコンソールやエアコン吹き出し口、ステアリングホイールのグリップやスポーク、メーターのベゼル、ドアインナーパネルの一部はカーボンファイバー製。

搭載されるエンジンは675LTと同じ3.8リッター・ツインターボ、しかし出力は688馬力 / 699Nmへとパワーアップ。

今回この688HSを販売しているのはマクラーレンの正規ディーラーである「マクラーレン・ロンドン」で、その販売価格は675LTの倍くらいに相当する599,995ポンド（日本円で約9900万円、つまりほど1億円）。※以前よりも相場が上がっている

675LTも価格でも「相当に高価」ではありますが、それに輪をかけてこの688HSは高い価値を誇っているということになりそうですね。

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参照：PistonHeads