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世界に一台しか存在しない「ランザンテ マクラーレン セナ GTR LM 25」が競売に登場、2.8億円の落札予想。いったいこの聞き慣れないハイパーカーは何者なのか

世界に一台しか存在しない「ランザンテ マクラーレン セナ GTR LM 25」が競売に登場、2.8億円の落札予想。いったいこの聞き慣れないハイパーカーは何者なのか
RM Sotheby's

| このマクラーレン・セナは「F1」をレーシングカーに仕立て上げ、ル・マン優勝に導いたランザンテによる改造車である |

ただし改造車といえど、ランザンテが手を加えることでその価値がむしろ上がったと考えていい

さて、”地球上に唯一”の存在である「ランザンテ マクラーレン セナ GTR LM 25」がRMサザビーズ主催のオークションへと登場予定。

この「ランザンテ マクラーレン セナ GTR LM 25」とはちょっと聞き慣れない名ではありますが、遡ること2020年8月、ル・マン24時間レースにてマクラーレンF1 GTRが優勝を飾った25周年記念として製作されたクルマであり、この製造を手掛けたのが「マクラーレンF1のレーシングカー製作を手掛けた」英国のレーシングカーファクトリーであるランザンテ。

参考までに、この「25周年記念モデル」はランザンテによって600LT、600LT スパイダー、765LT、765LT スパイダー、セナ、セナGTRがそれぞれ1台づつ製作されており(ウワサではナゾの7台目があるようだ)、今回売りに出されているのはセナGTRの「ル・マン24時間レース優勝25周年記念モデル」ということになりますね。

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実際にル・マン24時間レースで優勝した「マクラーレンF1 59号車(東京上野クリニック号)」をイメージ

そのモチーフはやはり「マクラーレンF1 59号車(東京上野クリニック号)」で、ボディカラーは”ウエノグレー”、そして一段階明るいグレーとのツートン仕様。

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5本スポークの軽量鍛造アルミニウムとカーボンファイバーホイール、センターロックとゴールドのブレーキキャリパー、カーボンファイバー製ボディワークを持っており、マクラーレンF1 59号車へのオマージュとしてはLM25 デカール、カーボンファイバーモノコック上の東京上野クリニック(Tokyo Ueno Clinic)のブランディング、下部ドアウィンドウにエッチングされた「59」の文字。

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キャビン内にもカーボンファイバーが大量に投入され、ステアリングホイールやシート、ダッシュボード、センタートンネルに用いられるほか、、ドリルドゴールドペダル、ブルーのウィランズレースハーネス、ヘッドレストの「LM 25」ロゴといった特別仕様も(ゴールドはマクラーレンF1の仕様に敬意をあらわしたもの)。

ランザンテはセナGTRのパワーユニットには手を付けておらず、つまり搭載されるエンジンは825馬力を発生するツインターボ4.0リッターV8。

一方でランザンテが施したアップデートにより、元の車から約40kgの重量が削減されていますが、注目に値するのはこのクルマが「行動走行可能な」仕様にコンバートされていることで、しかしこれはマクラーレンP1 GTRのロードカー化など、数々の実績があるランザンテだけに安心して良さそうですね。

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なぜマクラーレンF1 59号車(東京上野クリニック号)は特別なのか

なお、このマクラーレンF1 59号車(東京上野クリニック号)はなにかとマクラーレンの歴史上に登場するクルマですが、その理由は「ル・マン24時間レースでマクラーレンに優勝をもたらしたから」。

しかも単なる優勝ではなく、マクラーレンに予期せぬ形でそれをもたらしたことに意義があるわけですね。

経緯としては、「マクラーレンがル・マン24時間レースに参戦することを知った上野クリニックの経営者がマクラーレンに連絡を取り、「車体に上野クリニックのロゴを入れて欲しい」と依頼したものの、すでに出場予定であった全てのマシンにはスポンサーが付いていて上野クリニックの文字をいれるスペースが無かったと言われます。

ただし上野クリニック側は「であれば、もう一台新しく参戦させ、それに上野クリニックのロゴを表示して欲しい」と申し入れるもマシンの予備がなく、しかしマクラーレンは上野クリニックの熱意に押される形で「プロトタイプをベースにスペアパーツを組み込んで仕上げ」59号車を作り上げるわけですが、ドライバーの手配も難しく、ようやくチームとしての体裁が整ったのが本番の3週間前だと言われます。

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3人のドライバーのうちの一人、関谷正徳氏によれば「練習走行もできない、ぶっつけ本番だった」とのことですが、それでも豪雨の中を平均速度168.992km/hにて4,055kmを走り抜け、「まさかの」1位に輝いており、これはまさにモータースポーツ上の奇跡といっていいのかも。

なお、マクラーレンF1は3位、4位、5位にも入っていますが、この59号車がエントリーしていなければ、その年のマクラーレンは優勝を手にする事ができなかった可能性が高く、よってマクラーレンはこの59号車を「特別視」しているわけですね(マクラーレンはその謝意を示すため、格安にてF1を上野クリニックに販売したとされる)。

今回出品予定のランザンテ マクラーレン セナ GTR LM 25につき、最高で170万ユーロ(約2億8000万円)で落札されると見られており、その行方には注目が集まります。

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参照:RM Sotheby's

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