ロールスロイスが同社初のEV「スペクター」107台をリコール。「モーターのアース端子に接着剤が付着しており、最悪はショートや火災を引き起こす」

Image From：Rolls-Royce（X）

｜　今後増加するであろう「EVならでは」のリコールの中には現場で対応することが難しい例が出てくるかもしれない　｜

今回のリコールはなかなかに「珍しい」ケースである

さて、ロールス・ロイスが「アースケーブルに欠陥がある可能性がある」として（同社初のEVである）スペクター107台のリコールを北米にて発表。

ロールス・ロイスによれば、この問題によりアースの接続に問題が生じ「重大な安全上のリスクが生じる可能性がある」とのことで、対象となる107台についてはディーラーにてケーブルを調整する必要があるもよう。

問題の内容は「ケーブルの接触不良」

ロールスロイスは2023年12月に行われた納入前検査の段階でこの問題を発見したといいますが、問題の内容としてはフロントのエレクトリックモーターに接続されるアースケーブルの端子に「接着剤が残っている」こと。

調査担当者がこれを発見し翌日からサプライヤーによる調査が開始されていますが、この接着剤によって電気抵抗が増加し、最終的には接触不良が起きる可能性があることが判明し、実際に1月11日から出荷が保留されているのだそう。

なお、この接触不良は2つの問題を引き起こす可能性があり、まずひとつは「ショート」。

このショートが発生することで”関連部分の動作に重大な安全上の危険をもたらす可能性”があるとされ、たとえば走行中に突如パワーが失われたり制御不能に陥ったりするのかもしれません。

そしてもうひとつは「熱暴走」で、これは時折報じられるように、EV特有の消火が難しい火災に繋がるものですが、ロールス・ロイスは現時点でまだこれを確認しておらず、発生するとしても「極めて稀」なケースであるとしています。

加えて、ロールス・ロイスは（対象となる107台には）「90％の確率で」接着剤が残留しているとコメントしていますが、現段階ではどのようにして接着剤が付着したままとなっているのかわかっておらず、しかし対応としては「いったんアースケーブルを取り外し、接着剤の残留物がないか確認し、必要に応じて清掃したのちに再装着する」。

なかなか他に例を見ないリコールではあるものの、今後EVが普及してゆくに際し、これまでに聞いたことがないようなリコールが増えてくるのかもしれませんね。

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