
Image:Rolls-Royce
| まさに「エレガントの極致」がここにある |
さりげない仕様にも「途方もない」時間がかけられ、仕上げられることに
超高級車ブランドの頂点に君臨するロールス・ロイス(Rolls-Royce)がまたしても息を呑むような自動車の芸術作品を世に送り出すことに。
2026年7月、同社は世界にたった1台しか存在しない完全オーダーメイド(ビスポーク)のワンオフモデル、「ファントム・レガッタ(Phantom Regatta)」を発表し、これはロングホイールベース仕様の「ファントム・エクステンデッド」をベースとして英国南海岸を舞台に毎年夏に開催される歴史的なヨットレース(レガッタ)や名高い「カウズ・ウィーク(Cowes Week)」へのオマージュとして誕生したクルマ。
2026年の「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」での実車初公開を前に、その圧倒的なディテールが先行して公開されています。

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この記事の要約(30秒チェック)
- 世界に1台のワンオフ: 英国南海岸の気品高きセーリング文化と、伝統のヨットレースにインスパイアされた究極の「ファントム・エクステンデッド」。
- 海の情景を映すカラー: 海洋の深みを表す「レガッタ・ブルー」と、ヨットの船体を思わせる「イングリッシュ・ホワイト」の気品ある2トーン仕様。
- 職人技の極み: リアシートのピクニックテーブルには、本物の高級ヨットの甲板(デッキ)を再現するため、職人が約120時間を費やしてウッドを配置。
- 幻想的な星空天井: 1,307本の光ファイバーを配した「スターライト・ヘッドライナー」は、ワイト島周辺の「潮の潮流」をモチーフにした専用デザイン。
- 遊び心ある隠しディテール: エアコンの吹き出し口には、グッドウッド・ハウスとロールス・ロイス本社の「地球上の座標(経度・緯度)」が密かに刻印されている。

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聖地「グッドウッド」の目の前に広がる海、そして創業者への敬意
この「ファントム・レガッタ」はソレント海峡やチチェスター・ハーバーといった美しい水辺の景色をモチーフとしていますが、実はそれらはロールス・ロイスの本拠地であるグッドウッド・エステートからほど近い場所に位置しているといい、さらにこの地は、ブランドの共同創業者であるシル・ヘンリー・ロイスにとっても特別な場所でなのだそう。
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彼が愛した邸宅「エルムステッド」は、現在のロールス・ロイス本社からわずか13kmしか離れていない沿岸の村、ウエスト・ウィッタリングに位置しており、ロールス・ロイス・モーター・カーズのビスポーク部門責任者、フィル・ファブレ・ドゥ・ラ・グランジュ氏は次のように述べています。
「ファントム・レガッタは、私たちのデザイナー、エンジニア、そして職人たちが、彼らの目の前に広がる美しい海からインスピレーションを得て創り上げた作品です。ヨットの精神――その色彩、素材、そしてスピード感を、ファントムの静寂の中に融合させました。ペイント、レザー、ウッド、金属を用いてエレガントな物語を紡ぎ、最高峰の基準で手作業で仕上げる。これこそが、ロールス・ロイスのビスポークが誇る真髄です」

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エクステリア:海岸線を走るような色彩美
ボディ上部には深みのある高貴なマリンブルー「レガッタ・ブルー」を、ボディ下部には「イングリッシュ・ホワイト」を配した美しい2トーン仕上げ。
職人の手作業によって塗り分けられたこの”ライン”は、まさにラグジュアリーなヨットの船底が水面と交わる「吃水線(きっすいせん)」を彷彿とさせるもので、足元を飾る22インチのフルポリッシュ・ディスクホイールは鏡面のように磨き上げられており、レーシングヨットのステンレス製ウィンチを想起させる輝きを放つことに。

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インテリア:フルセイル(満帆)で風を受けるヨットの室内
インテリアのカラーコーディネートは、「満帆状態で海を進むヨット」を表現。
- フロントシート: 深海をイメージした「ネイビーブルー・レザー」
- リアシート(スイート): ヨットの白い帆や航跡(引き波)をイメージした「グレースホワイト・レザー」
- ステアリング・ステッチ: 両方のトーンを巧みに組み合わせ、ヘッドレストのRRモノグラムには、澄んだ浅瀬の海を思わせるターコイズブルー(トゥルケーゼ)の刺繍を採用

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圧倒的なクラフトマンシップのディテール
| 注目装備・ディテール | 特徴および職人技のデータ |
| ベース車両 | ロールス・ロイス ファントム・エクステンデッド(最高峰ロングホイールベース仕様) |
| ウッドパネル(木目) | ピアノ・ミローリ(深藍の光沢ウッド) ✕ サテン仕上げのオープンポア・ロイヤルウォルナット |
| デッキ風ピクニックテーブル | 製作時間:約120時間。同じ原木から切り出した16枚のウォルナット板を中央から左右対称に手作業で配置。板の間には、船体のコーキング(隙間埋め)を模した厚さわずか2mmの「ブラック・ボリバー」の木材を1本物で埋め込む徹底ぶり。 |
| ダッシュボード「ギャラリー」 | アートワーク名『ウォーターカラー(Watercolour)』。専属アーティストが、波の動きや水面の揺らぎを表現するため、2週間以上かけて開発した特殊な調合ペイントと新しいブレンディング技法を用いて手描きした芸術品。 |
| スターライト・ヘッドライナー | 1,307本の光ファイバーを天井に手作業で配置。英国のセーリングの聖地「ワイト島」の周囲を渦巻く潮流を再現した完全専用デザイン。 |
| エアコンルーバーの秘密 | 吹き出し口を前方に傾けたときだけ、刻印された「地理座標(緯度・経度)」が現れる隠しギミック。助手席側は「グッドウッド・ハウス」、運転手側は「ロールス・ロイス本社」の位置を示している。 |

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他社のラグジュアリー戦略との比較から見える「ロールス・ロイスの絶対的地位」
自動車の電動化(EVシフト)や自動運転といったデジタル技術が急速に進化する現代において、超高級車市場の戦い方は「スペック(馬力や加速タイム)」から「ストーリー性と芸術性(ヘリテージ)」へと完全に移行しています。
- メルセデス・マイバッハ(Mercedes-Maybach):最高峰の快適性と、デジタルガジェットや最新のエンターテインメントシステムを惜しみなく投入した「最先端の贅沢」を提供。しかし、基本は量産ベースの最高峰という位置付け。
- ベントレー(Bentley):コーチビルド部門「マリナー(Mulliner)」によって限定のワンオフや限定車を製造するが、スポーツ性とモダンラグジュアリーの融合に重きを置く。
- ロールス・ロイスの立ち位置:彼らが展開するビスポークは、もはや「自動車のカスタマイズ」の域を完全に超越しており。「オーナーが愛する場所の歴史」「地元の海の潮流」「職人が120時間かけた家具」といった、物理的なスペックシートには絶対に現れない『情緒的な物語』を1台の車に完全に溶け込ませる能力において、ロールス・ロイスは他社の追随を許さない絶対的な孤高の地位を維持している

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結論
デジタル化が進めば進むほど、人間が手作業で何十時間もかけて作ったウッドパネルや、アーティストが2週間悩んで描いた絵画といった「アナログな職人技」の希少価値が跳ね上がることとなり、今回のファントム・レガッタは、まさにそのリブランディング戦略の頂点を示す好例なのかもしれません。
そしてこのロールス・ロイス「ファントム・レガッタ」は、移動手段としてのプレミアムカーではなく、英国の豊かな海洋文化、グッドウッドという土地への愛、そして120年以上にわたり受け継がれてきたものづくりの精神を結集した、動く「プライベートメガヨット」そのもの。

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オーナーのためだけに誂えられた、ワイト島の潮流を映す星空の下に腰掛け、職人が手作業で組み上げたウッドデッキに触れるとき、そこには至上の癒やしと、世界に1つだけという圧倒的な優越感が存在します。
効率性や均一性が求められる現代において、これほどまでに無駄がなく、かつ純粋に「美と物語」のためだけに情熱を注ぎ込めるロールス・ロイスのビスポークの世界。
この車クルマがグッドウッドの丘でお披露目される瞬間、世界中のコレクターたちがその美しさに改めて驚嘆することになりそうですね。

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