
| ロールス・ロイスのオーナーはまさに「桁外れ」である |
特別にオーダーしたのはドバイのオーナー
最高峰のラグジュアリーとビスポーク(カスタムメイド)の可能性を模索し続けるロールス・ロイス。
また一つ自動車史に刻まれる芸術的なワンオフモデルが誕生し、今回発表された「ファントム・ハミングバード(Phantom Hummingbird)」は、オーナーが妻への贈り物としてオーダーされた車両なのだそう。
ベースとなるのは「ファントム エクステンデッド」で、そこへ「歓喜」「しなやかさ」の象徴とされ、美しい羽を持つ「ハチドリ(Hummingbird)」からインスピレーションを得た装飾が随所に施されることに。
この車両にはブランド初となる画期的な素材と技術が投入されているといい、ここでその内容を見てみましょう。

この記事の要約
- ロールス・ロイスがプライベート・オフィス・ドバイ経由で制作されたワンオフモデル「ファントム・ハミングバード」を発表
- ブランド史上初めて「アバロン貝(アワビ属の貝殻)」を用いた繊細な象嵌(マーケトリー)細工をインテリアに採用
- 熟練の職人が9か月以上の歳月をかけて開発し、ハチドリの羽のような美しい虹色の輝きと自然美を車内に再現
ロールス・ロイス ファントム・ハミングバードの概要
ファントム・ハミングバードは、ドバイにある「プライベート・オフィス・ドバイ」を通じて企画・制作されたプライベート・コミッション(特別注文車)。
最大の注目点はロールス・ロイスの長い歴史の中で初めて「アバロン貝(アワビ属の貝の真珠層)」をインテリアの木工象嵌(マーケトリー)細工に採用した点で、天然のアバロン貝と白蝶貝(マザーオブパール)を組み合わせることにより「ハチドリの羽が光の当たり方によって緑から青へと複雑に色を変える構造色を」見事に表現しています。

ロールス・ロイス・ファントム「ハミングバード」:概要
この「ハミングバードは」卓越したクラフトマンシップと繊細な素材加工技術が随所に光るデザインと仕様を持っており・・・
デザインとクラフトマンシップのこだわり
- 繊細なマーケトリー(象嵌細工): リアのピクニックテーブルには、片側につき53パーツ(うち翼だけで18パーツ)のアバロン貝と白蝶貝を使用したハチドリの飛翔図を配置。リアシート間のウッドパネル「ウォーターフォール」には84パーツからなる植物モチーフが施されている
- 9か月以上の開発期間: 非常に薄く割れやすいアバロン貝を車載品質に仕上げるため、6回もの試作を経て技術を確立。レーザーカット後に職人が手作業で0.06mm単位の微調整を行い、継ぎ目のない美しいフィッティングを実現
- 上質なカラーパレット: インテリアのウッドパネル背景には「アッシュ・バー(タモ瘤杢)」を採用。シートは「クレームライト」レザーをベースに、「モカシン」と「タン」のアクセントが施され、足元には「シーシェル」の絨毯とスターライト・ヘッドライナーが広がる
- ツートーンのエクステリア: ボディカラーは上部が「ホワイトサンズ」、下部が「ワイルドベリー」の優雅なツートーン仕様。手作業で描かれたコーチラインには、羽ばたくハチドリのモチーフが添えられている

ファントム・ハミングバード スペック・仕様一覧
| 項目 | 詳細・仕様 |
| ベースモデル | ロールス・ロイス ファントム エクステンデッド |
| 製作窓口 | プライベート・オフィス・ドバイ(Private Office Dubai) |
| 新採用素材 | アバロン貝(Abalone Shell)象嵌細工 |
| 象嵌パーツ数 | ピクニックテーブル:各53パーツ / リアウォーターフォール:84パーツ |
| ウッドパネル材 | アッシュ・バー(Ash Burr)、シルバーバーチ(Silver Birch) |
| エクステリアカラー | ホワイトサンズ(上部)× ワイルドベリー(下部) |
| インテリアカラー | クレームライト(メイン)、モカシン / タン(アクセント) |
| 象嵌制作時間 | 3つのパネル合計で45時間(開発期間:9か月以上) |

競合比較・市場でのポジショニング
超高級車ブランドにおける「ビスポーク(テーラーメイド)」の領域では「希少なレザーや貴重なウッドパネルを用いるカスタマイズは」常識(あるいは序の口)で、よってロールス・ロイスのアプローチは単なる高級素材の選定のみにとどまらず、車載環境(振動、寒暖差、経年劣化)に耐えうる耐久性を確保しながらもアバロン貝のような「脆く加工が極めて困難な工芸素材」を自動車のインテリアに組み込むことに挑戦しています。
さらにその技術力は他のラグジュアリーカーメーカーの追随を許さないレベルに達しており、その結果、「移動手段としてのクルマを超え、代々受け継がれる”継承可能な美術品(ヘリテージ・アート)”」としての価値を確立するに至っていて、ここが「ロールス・ロイスの、自動車市場における唯一無二の位置付け」ということに。
補足情報

アバロン貝はその美しい虹色の光沢が珍重され、よって古くからジュエリーや高級漆器などで重宝されてきましたが、その反面、非常に薄く割れやすいという性質を持っていて、車載用のアドバンスド・マーケトリーとして使用するには巨大なハードルがあったのもまた事実。
しかしロールス・ロイスの職人たちは、貝殻の厚みを極限まで薄く削り出し、正確にパーツを嵌め込んだ後、車載基準を満たすクリアラッカー塗装を何度も施すことで「素材本来の美しさ」と「数世代にわたって受け継ぐことができる耐久性」を両立させたというわけですね。
これはまさに「自然界への深い敬意と、それを極上のクラフトマンシップで表現するロールス・ロイスの情熱が結実したエピソード」といえるものであり、その技術力、そして要した期間を考慮するに「ロールス・ロイス以外ではできない」対応かもしれません(ほかのメーカーだと採算性を考慮し依頼を受けないであろう)。
結論

「ファントム・ハミングバード」は、自然界の奇跡であるハチドリの美しさをロールス・ロイス初の「アバロン貝象嵌技術」で見事に表現した至高の、そして奇跡のワンオフモデル。
オーナーの深い愛情、そしてそれに応えたプライベート・オフィス・ドバイおよびビスポーク・チームの情熱が生み出したこの一台は「自動車と伝統工芸が融合した最高峰の芸術作品」として長きにわたり語り継がれることとなりそうですね(顧客とともに物語を紡ぎ出すことができるのもロールス・ロイスならではである)。
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参照:Rolls-Royce


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