| ブガッティは本当に”エレクトリック化”を目指したいのか? |
かねてよりウワサされている「ブガッティの新モデル」。
つまりはシロンに加えての「第二のラインナップ」ということになりますが、これについてはブガッティ内でも多くの議論がなされていることがかねてより報じられ、しかしやっとその方向性についてまとまったようですね。
そして今回、ブガッティCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏が語ったところでは「我々にも”第二のラインアップ”を登場させるべき時が来た。我々の歴史を鑑みるに、それは非常に速いクルマであり、しかし同時に日常使いができるものでなくてはならない」。
「第二のブガッティ」はやはりサルーン?
加えて同氏によると「それはたとえばフルエレクトリックカーだ。私はピュアエレクトリックカーを嫌っているわけではなく、その実現に向けてベストを尽くさねばならないと知っている」とも述べています。
そして第二のブガッティについては「ヴェイロンともシロンとも異なるスタイリングを採用し」、しかしどんな細部に至るまでも「ブガッティそのものになるだろう」。
ただし今のところはどういったボディ形状を持ち、どのような価格帯になるのかは全く不明。
以前に「SUVはない」としているので、おそらくは「サルーン」が有力候補かも(画像はガリビエール・コンセプト)。
なおブガッティの顧客は中東そして中国人がもっとも多いと思われますが、それらの地域ではサルーンが好まれるということもあり、”ロールスロイスの上を行く”サルーンになりそうでもありますね。
価格については「シロンよりもお求めやすい」設定となるようで、しかし同時に「1億円は下らない」とも。
こういった価格帯のクルマは誰もが購入できるわけではなく、かつブガッティは顧客を選ぶことでも知られるので、この”新型ブガッティ”が登場したとしても、そのオーナー像は「すでにシロンやヴェイロンを持っていて、さらに新しいブガッティを買い増しする人」と考えて良さそうです(つまり安価な設定は必要ない)。
ブガッティが目指すのは「クルマを超えたクルマ」
ブガッティはこれまで「最高速」をトッププライオリティに据えていたものの、現在ではその順位を下げ、代わりに上がってきたのが「芸術性」と「快適性」。
つまりはこれまでの自動車の概念を覆すような上質な乗り物を作ろうということなのでしょうね。
今回語られた「エレクトリック」については、ぼくも思うところがあって、「本当はそうしたくないけど、エレクトリックをやらないといけないんだろうな」ということ。
これは環境規制うんぬんではなく、親会社である「フォルクスワーゲンの意向」ということで、これに逆らえば容赦なく「ブガッティは売却されることになる」のだと思われます。
現在フォルクスワーゲングループは「エレクトリック重視」戦略に大きくシフトしていますが、その旗手はフォルクスワーゲン、そしてアウディとポルシェ。
近い将来に「エレクトリックブランド」へと変貌を遂げようとしているフォルクスワーゲンにとって、ガソリンエンジンに固執するブガッティ、ランボルギーニは将来的に「お荷物」になる可能性も。
そしてそうならないため、つまり「親会社の機嫌を損ねない」ためにはエレクトリックという方向を向き、「右へ倣え」しか無いのかもしれません。