| ブガッティ、ベントレー、ランボルギーニはVWの考える”エレクトリック化構想”にマッチしない |
現在フォルクスワーゲングループには、フォルクスワーゲンを筆頭にアウディ、ブガッティ、ポルシェ、ベントレー、ランボルギーニ、シュコダ、セアト、ドゥカティ、イタルデザインといったブランドが集結していますが、フォルクスワーゲンは2030年までに大きく組織を再編成し、いくつかのプレミアムブランドを切り捨てる可能性がある、とのこと。
そして驚くべきことにランボルギーニそしてベントレーもその候補に挙がっていると報じられています。
長いタームで考えたとき、ブガッティやランボルギーニ売却の可能性は否定できない
この「2030年に向けた再編成」の目的は”エレクトリックブランドへの転身”。
よってエレクトリック化を進めるポルシェ、そしてアウディはまず売却対象としてはセーフ。
そしてシュコダ、セアトも廉価ブランドとして存在価値があるために残される可能性がある、と報じられています。
しかしながら現時点での判断だとブガッティ、ランボルギーニ、イタルデザイン、ドゥカティ、ベントレーはエレクトリック化に際して「お荷物」となる可能性があり、そのため「売りに出される」か「単純に廃止される」可能性がある模様。
もっとも危ないのはブガッティ
なお、現在もっとも売却される可能性が高いのはブガッティ。
なぜならば「オールドファッションすぎる」ということで、トレンドとは程遠いという判断だそうですが、ブガッティは車体構造やエンジンなど「特殊な」部分が多く、グループとしては利益以外のシナジー効果を出せず、「将来性がない」という判断になりそう。
ただ、それでも利益が出ていることは間違いなく、よってフォルクスワーゲングループとしては「今すぐ廃止」や「即売却」という事は考えておらず、ゆっくりと買い手を探す意向のようです。
「買い手」としては中国企業が有力候補だそうですが、中国経済も先行きが不透明で、売却するなら「近いうち」が好ましいと考えられ、もし条件が合えばイキナリ「売却」の報が聞かれるかもしれません。
なお、ブガッティはポルシェ創業者の孫にして前フォルクスワーゲングループ会長、フェルディナント・ピエヒ氏の意向でフォルクスワーゲングループが買収したブランドですが、フェルディナント・ピエヒ氏が去った今ではブガッティを残す理由もなく、しかし売却するとしてもやはり「ピエヒ氏が一枚噛む(株式を取得する)のでは」とも言われます。
ランボルギーニも存続の危機
そしてランボルギーニも「V12」や「V10」にこだわり続ける限りはブランド内でのお荷物になりかねず、将来フォルクスワーゲングループがエレクトリック化を目指すにあたっては「利益以外のメリットはなく」、かつ将来的にその利益も(ガソリンエンジン車を販売できない国が増えるので)減少するのは間違いなし。
よって、今現在いかに成長を続けているとしても、フォルクスワーゲンの考える「エレクトリック化」に貢献できないのであれば、ランボルギーニと言えども売りに出される可能性は否定できず、フォルクスワーゲングループに属するブランドは「フォルクスワーゲンの考える方向に従う」ことでしか生き残ることができないのかもしれません。
ただ、フォルクスワーゲンの意思に従い、己のルーツを捨て去ることはそのブランドにとって「正しいかどうか」判断はできず、半端に日和るくらいであれば、いっそのこと独立して「わが道を歩む」のもいいかもしれません(ただしグループ内からの技術などの提供を受けられなくなるので、茨の道にはなりますが)。
それでもいつかは「完全にエレクトリック」にシフトしなければならず、であればそのブランドのDNAをいかにエレクトリック=VWの考える方向性に寄せてゆくかもまた生き残りの手段でもあり、なかなかに難しい決断を迫られることにはなりそうです。
VIA: Automobile