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【動画】ブガッティが「シロンのパワーチェックはこうやって行う」という動画を公開。「時速420kmでは1秒に50回タイヤが回転する。通常のシャシーダイナモでは計測できない」

2022/05/21

【動画】ブガッティが「シロンのパワーチェックはこうやって行う」という動画を公開。「時速420kmでは1秒に50回タイヤが回転する。通常のシャシーダイナモでは計測できない」

| その状況においては、エアバルブの重量が1個50kgに相当するまでに |

やはりブガッティは何から何までもが規格外だった

さて、ブガッティのクルマは「市販車最高クラス」の出力を発生することでも知られますが、当然ながらその出力を売り物としている以上、客観的にその出力を「保証」する必要が出てきます。

そしてその「保証」とは、たとえばパワーチェックによってその数字を示すということになりますが、シロンはパワーチェックを行うことが非常に難しいクルマとしても知られており、よって一般のショップがこれを行った例はかなり珍しいようですね。

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【動画】世界初!ブガッティ・シロンのパワーチェック動画が公開に。なお、これまで誰もシロンをシャシーダイナモに乗せなかったのは構造上の理由があった
【動画】世界初!ブガッティ・シロンのパワーチェック動画が公開に。なお、これまで誰もシロンをシャシーダイナモに乗せなかったのには構造上の理由があった

| どうやらシロンには巨大な一枚物のアンダーパネルが装着されており、そのため車体固定用ストラップを取り付けることができない | 結果は1,369馬力、エンジン単体だと1,800馬力くらい出ていてもおか ...

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今回、ブガッティがじきじきにパワーチェックの方法を公開

ブガッティによると、シロンのパワーチェックは「全輪式シングルローラーダイナモメーターのみによって可能になる」とのこと。

これは各ホイールが2つの小さなローラーの間ではなく、1つの大きなローラーの上を走るというもので、路面と同じようなタッチポイントが1つしかなく、ホイールの転がり挙動がより路面に近いという構造を持っています。

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そのため2本ローラーのシャシーダイナモに比べ、タイヤのスリップや摩擦が抑えられるといい、そのためタイヤ表面の発熱が少なく、高速(高回転)での走行が可能になりますが、これによって(シャシーダイナモの上で)時速400kmを達成することが可能になる、とのこと。

ちなみに時速420kmのスピードでは、タイヤは1秒間に50回以上回転しているそうで、これは重力加速度(g=9.81m/s2)の約4,000倍の力をタイヤのトレッド面に及ぼすことになり、全速力で走行するとエアバルブの重量が約55kgに増加する計算なのだそう。

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ブガッティのエンジン開発者であるミヒャエル・ゲリック氏によると「全輪シングルローラーダイナモメーターでは、すべてのコンポーネントを実際の走行条件下で中立的に、かつわかりやすくテストすることができ、実走行と同じレベルの走行抵抗をシミュレートできます。また、1年中、天候に左右されることなく、いつでもテストを再現することができます。これは、技術的な完成度を常に追求する私たちの助けになります」とのことで、シャシーダイナモ上では性能チェック、負荷シミュレーション、加速に加えて排ガス測定、燃費測定が行われるのだそう。

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このシングルローラーセットの重量は3.5トン、回転質量は約720kgと実際の車両重量と同じほど大きく、リアアクスルを載せるローラーは、ホイールベースに合わせて油圧でその位置を調整することが可能。

ローラー1本あたりの最大制動力は1,200kW、時速480kmまでの速度を担当することができ、しかもブレーキをかけても車体を安定させた状態に保つことが可能だとされています。

なお、このシャシーダイナモは高性能車のために開発されたものだそうですが、現時点でシロン・スーパースポーツはこの計測リミットである「480km/h」に唯一チャレンジすることができるクルマでもありますね。

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一輪ローラーなので車体がちょっとでもずれると大惨事になりそうだ!

シャシーダイナモでの計測時には冷却も必要

なお、シロンに積まれるのは8リッターW16クワッドターボというほかに例を見ない巨大なエンジンですが、1,600馬力という途方もないパワーを発生する代償として非常に大きな熱量を発生することになり、よって冷却も必須(でないと一瞬でオーバーヒートしてしまう)。

よってパワーチェック時には直径1.93mのローターを持つ高さ4mのブロワーを使用するそうですが、これは1時間に30万立方メートルの空気を送り出すことができ、最高では時速230kmの気流を発生させることになります。

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加えてこのブロワーは超高速域でもリアルな気流を再現することができるといい、ブロワーの気流速度は運転速度によって変化するもよう。

つまり発生する熱によって風速を変化させることができ、広域に渡って風を車両に当てることも可能となるため、排気系、トランスミッション、デフなどのアンダーボディの冷却も可能となるうえ、車両後方のゲートに組み込まれた排気ガス抽出装置が、車体下部の気流を抜き出すことも可能だと紹介されています。

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なお、「一輪」ローラーの上に車体を載せるため、数ミリでも前後もしくは左右に車体がずれると一瞬で車体が飛んでゆくことになり、ブガッティはシャシーダイナモに車両を固定するシステムを(ダイナモメーカーと)共同で開発しており、4つのアダプタープレートを備えたカーボンモノコックフレームが車体をダイナモメーターにしっかりと固定する構造を持つようですね。

そしてこのプレートはチェーンにて室内フロアに固定されており、最大で24トンの牽引力に耐えることができるもよう。

このほか、車体はストラップにてローラー台座に取り付けられ、加速や減速でも車体が動かないように固定を強固なものとしており、ブガッティのミヒャエル・ゲリック氏によると「フルロードで最高速度を出しても、自由で安全な走行が保証されるのです」とのこと。

テストには常に2名が乗り込むといいますが、「1輪ローラーの上でフル加速を行う」というのはある意味での恐怖体験だと思われ、ちょっとした慣れを要しそうですね。

ブガッティ・シロンがシャシーダイナモにてパワーチェックを行う動画はこちら

参照:Bugatti Press

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