ジェイコブよりブガッティ・トゥールビヨンとのコラボによる腕時計が発表。実際に動作するV16エンジンを内蔵し、ブガッティとともに18ヶ月かけ開発される

Image：Jacob & Co

｜　もちろんブガッティ・トゥールビヨンとのコラボウォッチにはトゥールビヨンが内蔵されている　｜

ケース、文字盤、その機構にはブガッティ・トゥールビヨンと共通する要素が多数

先日ブガッティは「スイスの機械式腕時計組立職人によって組み上げられた」メーターを持つハイパーカー、その名も「トゥールビヨン」を発表していますが、今回はブガッティとのパートナーシップ関係にある腕時計メーカー、ジェイコブ＆コー（Jacob & Co）が「トゥールビヨン機構を内蔵した、ブガッティ・トゥールビヨンにインスパイアされた腕時計」を発表することに。

2019年以来、ブガッティとジェイコブとはパートナーシップ関係にある

ブガッティとジェイコブ＆コーは「究極の贅沢、機械性能、そして職人技という共通の焦点に基づき」、2019年にパートナーシップ契約を締結しており、この関係下では単なる「もともとのラインアップにブガッティの名前を付与しただけ」という腕時計ではなく、完全に新規に開発されたブガッティ仕様の腕時計を発売していて、その”ブガッティ仕様”の最たる例が実際に稼働する「W16」エンジン。

これはサファイアクリスタルにて製作され、エンジンブロックの中をピストンが上下する動きを再現していますが、今回の新作腕時計ではそれが「V16」へと変化しています（もちろんこれはブガッティ・トゥールビヨンのエンジンを模したものである）。

ブガッティと緊密に連携するのは刺激的な経験です。私は時計製造を新たなレベルに押し上げ、誰も夢にも思わなかったデザインや複雑機構を生み出すために生きています。ブガッティも同じです。彼らは、誰もが限界だと思っているものを超えてすべてを推し進めます。ブガッティ・トゥールビヨンは、当社の最も先進的な時計であり、素晴らしいパートナーシップの偉大な成果です。

ジェイコブ・アンド・カンパニー 創設者兼会長ジェイコブ・アラボ

ジェイコブ・アラボ氏がコメントした通り、今回の新作「Jacob & Co ブガッティ・トゥールビヨン」には限界をさらに押し広げた”新しい発明、新しい複雑機構”が盛り込まれ、さらにはこれまでのブガッティとのコラボ腕時計以上に「ハイパーカーとの類似性がもたらされた」とも。

Jacob & Co ブガッティ・トゥールビヨンはこれまで以上に実車との高い共通性を持っている

デザイン面で言えば「ブガッティ・トゥールビヨンと共通する10の要素」を持ち、まずケースの両側にはトゥールビヨン同様の”サイド ラジエーターインレット”、そしてケース側面にはハイパーカーのサイドウインドウを模したサファイアクリスタルが埋め込まれた開口部、さらにはテールランプやリヤグリルを再現した意匠、そしてなによりダイヤルはブガッティ・トゥールビヨンのメーターを模したデザインへ。

そのほかV16エンジンにはトゥールビヨン同様のエキゾーストマニホールドが組み込まれ、オートマタ動作のための巻き上げ用リューズにもブガッティ・トゥールビヨンの（ナーリング加工が施された）コントロールノブと同じデザインを採用するなど、様々な実車同様のディティールが反映されています。

ブガッティ・トゥールビヨンの発表から間をおかず「Jacob & Co ブガッティ・トゥールビヨン」が発表されたことでもわかるとおり、両者はハイパーカーの開発段階から連携を取っており、まずジェイコブ側はブガッティからの「非公開の新型ハイパーカーの開発の連絡を受け」、2023年1月にブガッティのデザインスタジオを訪問することに。

そこでジェイコブ・アラボ氏、そして（当時の）ブガッティのデザイナーであるアキーム・アンシャイト氏率いるデザインチームとの協力によって今回の「Jacob & Co ブガッティ・トゥールビヨン」の開発が進められ、18ヶ月の歳月を経た後にこの腕時計が完成しています。

結果として「Jacob & Co ブガッティ・トゥールビヨン」は557個のパーツにて構成され、機構としてはV16エンジンブロックオートマタ、30秒フライング トゥールビヨン、オフセンター・ ジャンピング レトログラードアワー / レトログラード、ダブル パワーリザーブインジケーターを持つに至りますが（オーバーホール料金だけでそのあたりの高級機械式腕時計を1本購入できそうである）、当然ながらこの「V16」エンジンは実物同様に機能し、エンジンブロックはサファイアクリスタル、単軸クランクシャフトとピストンはチタン製。※6時位置にある専用のクラウンによってゼンマイを巻き上げ、プッシャーを押すと20秒間稼働する

ジャンピング レトログラードアワー / レトログラードは中央の時刻表示に採用され、分針が60分までに達すると「0」へと一瞬で戻り、それに合わせて時刻も一つ進むことになりますが、もちろんこれもブガッティ・トゥールビヨンのメーターの動きを模したもの。※この機構を盛り込むには高度な技術、そして腕時計側には高い耐久性が要求される（針がバチンと戻るので、各部に係る負担が大きい）

さらにパワーリザーブ（48時間）は右のサブダイヤルにて表示され、こちらもトゥールビヨンの燃料計を模しています。

当然ながらJacob & Co ブガッティ・トゥールビヨンは限定生産となりますが、現時点ではその本数や価格については非公開。

おそらくはブガッティ・トゥールビヨンのオーナーが自身がオーダーしたトゥールビヨンの仕様にあわせてこの腕時計を注文することになると思われ、つまりはすべてがユニークピース（1本のみのワンオフ）となるのかもしれません。※ジェイコブ、さらにブガッティの客層のキャラクターを考慮すると、ツルシの製品を購入することはないだろう

Jacob & Co ブガッティ・トゥールビヨンを紹介する動画はこちら

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参照：Jacob & Co.