| レクサスは”ハイブリッド”をジャーマンスリーへの対抗手段に |
レクサス・インターナショナル・プレジデントの澤 良宏氏によると、「Fシリーズにハイブリッドを投入するかもしれない」とのこと。
これはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード開催期間中、同氏がAutoExpressに語ったものだとされ、「レクサスにとってFシリーズは非常に重要だ。排他性を持たせるには独自の方法を考えねばならず、それにはハイブリッド化が有効で、”モーターと強力なエンジン”との組み合わせはメルセデス・ベンツやBMW、アウディに対する効果的な武器になる」とのこと。
やっぱりトヨタ/レクサスはEVに消極的?
さらにV8やV10、ツインターボに固執するつもりはないともしており、「見ているのは未来」だとも。
つまりレクサスFシリーズの核にあるのはエンジンではないということですが、常に未来は流動的であり、一時の流行に乗るつもりはない、ということのようですね。
そしてこの場合の「流行」とはEVを指しているようで、アウディ「e-tron」やメルセデス・ベンツ「EQ」、BMW「i」とは異なる方法を模索する、ということなのだと思われます。
レクサスとトヨタはかなり以前から「ハイブリッド」に取り組んでいますが、現在のハイブリッドはあくまでも「燃費向上手段(新型クラウンの新しい”E-Four”からはちょっと雰囲気が変わったようにも思う)」。
反面、ハイブリッド後発のポルシェはハイブリッドを「速く走るため」の技術だと位置づけて919ハイブリッドの性能をアピールし、パナメーラでは最速モデルが「ハイブリッド(パナメーラ・ターボS Eハイブリッド)」という設定です。
一方トヨタもTS050ハイブリッドをル・マンで走らせ、今年は悲願の優勝を飾るも、それ(レースで勝てるハイブリッド)を市販車に技術/イメージとも積極的に反映させておらず、ここはレースへの投資効果が半減、そしてそもそも明確なヴィジョンを持った、また計画的な参戦(投資)が行われていない、とも言えそう。
そういった理由でせっかくのハイブリッドが(ハイパフォーマンスカーにおいては)「持ち腐れ」となってしまっているトヨタですが、今後の反撃に期待がかかるところ。
今のところBMW「M」、アウディ「S」「RS」はハイブリッドによるハイパフォーマンス化を公表しておらず、メルセデスAMGの「EQパワー版」も予定よりは出遅れているようなので、ここがレクサス「F」にとってのチャンスなのかもしれません。
なお、澤 良宏氏は「いずれはEVをリリースすることになるだろうが、その場合でも十分に調査を重ね、EVでもレクサスらしさを出せるかどうか、そして愛すべきクルマたるかどうかを検討した上で発売する」と述べており、様々な可能性を模索しているようです。