| 韓国のBMW現地法人がこれらを買い受けたという話もあるようだが |
一箇所のみではなく、済州島のあちこちに分散してi3が放置されているようだ
さて、韓国の済州島にて、100台以上のBMW i3が放置されているのが発見され、その様子がYoutube上に公開されてちょっとした話題に。
これらBMW i3は韓国のレンタカー会社が所有していたもので、そのレンタカー会社が倒産した後、このリゾート地にずっと放置されているままになっているといい、このレンタカー会社は政府の補助金を受領して200台ものi3を購入していた、と報じられています。
なお、いつも不思議に思うのは、こういった「倒産した会社」の資産がそのまま放置されていること。
一般的には返済のために売却されたり、借金のカタとして押さえられることになりそうですが、ものごとはそう簡単に運ばないのかもしれません。
BMWコリアがこれらi3を買い取るという話もあったようだが
これらi3について、2021年半ばにBMWコリアが買い取るという認可がおりていたようですが、現在のところ手つかずとなっていて、このリゾート地の複数箇所にi3が放置されたままとなっています。
中には問題なさそうな個体もあり、しかしいくつかはバンパーなどパーツが剥ぎ取られていたり・・・。
ナンバープレートが外され、車内に放置されている車両もあるようですね。
ちなみにこれらi3はこの建物近辺のほか、近くのバスターミナル、畑、島の中心部にある駐車場など複数箇所にて放置されていて、「いったいなぜこんなことに・・・」といった感じです。
今後これらi3がどうなるのかは不明だそうですが、かつてi3に乗っていた身としては、ちょっと不憫でなりません。
BMW i3はこんなクルマ
BMW i3は「i8」とともに鳴り物入りで登場した電気自動車で、発表は2011年のフランクフルト・モーターショーにおいてなされ、発売は2013年から。
BMWは当時この「i」ブランドをエレクトリック、そしてサステイナブルブランドとして発足させており、そのため、既存車種をエレクトリック化するのではなく、新規に「未来的な」デザインを持つクルマとして設計していて、さらには「製造方法すら」クリーンでなくてはならないということを理由に、自然(風力や太陽光)を利用し発電できる環境に工場を新設しています。
さらに軽量性を実現するためにカーボン製モノコックシャシーを採用し、これは日本からカーボン繊維を輸入してアメリカで成形し、ドイツにて完成車へと組み立てるという長い動線をたどってようやく「自動車」としての形を成すなど、こだわりにこだわりぬいたクルマでもあったわけですね(BMWとしては、i3とi8をヒットさせ、その後に続くモデルを作りたかった)。
そのためにコストが非常に高くなってしまいサッパリ売れず、しかしそこからBMWはひとつの教訓を得たようで、それ以降のピュアエレクトリックカーについては(今のところ)専用設計のシャシーを持たずにガソリンエンジン搭載モデルとプラットフォームを共有しており、i4は4シリーズ・グランクーペをベースとし、i5は次期5シリーズ、i7は次期7シリーズと車体を共有することでコストを引き下げるという方針へとシフトしています。
つまりi3は「成功」とはいえなかったかもしれませんが、ある意味ではその後のBMWのエレクトリックモデルにおける展開を大きく変革したと考えられ、BMWの社史には黒歴史として刻まれることになるのかもしれません。
放置されるBMW i3を捉えた動画はこちら
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参照:UNTOUCHABLE