数年前までは3000万円が相場だった
メルセデス・ベンツCLK DTM AMGがRMサザビーズ開催のオークションに登場予定。
今回出品されるのは2005年モデルで走行は21,800キロ、これまでのオーナーの数は「2」。
最近メルセデス・ベンツ正規ディーラーにてメンテナンスを受けたばかりでコンディションは上々とされ、予想落札価格は最高で3400万円ほど(数年前の競売よりも1割ほど相場が上がっている)。
その細部はあまりに特別すぎる
メルセデス・ベンツCLK DTM AMGは、2004年にメルセデス・ベンツがドイツ・ツーリングカー選手権参加のためのホモロゲーション取得用として100台のみを発売したもので(カブリオレも60台発売されている)、日本では4000万円ほどで販売されたクルマ。
エンジンは5.4リッターV8+スーパーチャージャーで出力は582馬力(CLK63ブラックシリーズの507馬力よりもパワフル)、0-100キロ加速は3.6秒をマークし、これはメルセデスAMG GT Rの3.7秒よりも速い数字となっています。
予想最高落札価格の「3400万円」があればフェラーリやランボルギーニを購入できる価格ではありますが、ここで疑問に感じるのが「なぜフェラーリやランボルギーニを買わずに、メルセデス・ベンツCLK DTM AMGを購入するのか。
そこでぼくが思うのは、このクルマを購入する人はパフォーマンスを求めたり、実際に走ったりするのではなく、すでにフェラーリもランボルギーニも多数持っている人が「コレクションの一部として」ミニカー感覚で買うんだろうな、ということ。
よってこのクルマを「何かと迷って」購入するようなことはないと思われ、単に「まあ持っておいてもいいか」「とりあえず買っておいても、しばらく持っておけばそのうち値が上がるだろう」くらいの気持ちなのかもしれません。
メルセデス・ベンツCLK DTM AMGのこだわりは計り知れない
そういった購買行動を抜きにしても、このクルマに大変な価値があるのは間違いなく、それは「AMG魂」が込められた細部を見ても明らか。
リアディフューザーは非常に美しいカーボン柄を持っていて、テールパイプの仕上げも芸術品レベル。
それはリアウイングも同様で、「単なる走りだけを追求したモデル」ではないことがわかります。
「走りだけ」を追求すれば、その性能を追い越されたときに「輝きを失う」ことになりますが、このメルセデス・ベンツCLK DTM AMGのように「こだわり」を持っていれば、その性能に関係なく、いつまで経ってもその価値を損なわないのかもしれませんね。
エンジンの上にはスーパーチャージャー、そして前半分のカバーはカーボン製。
シートは角度調整不可のフルバケットシート、そしてハーネス付き。
もちろん後部座席は取り払われ、横方向にぶっといカーボン製の補強バーが走り、さらには複雑に組み合わせられたロールケージ。
セレクターやトグルスイッチは完全に市販車を逸脱したもので、このあたりもメルセデス・ベンツCLK DTM AMGが何者であるかを語る部分。
そしてメーターパネルもカーボン地となり、もちろん専用。
スケールは「360キロ」まで刻まれていますね。