| おそらくメルセデスAMG Oneは2021年、もっとも大きな話題を呼ぶクルマの一台 |
さて、メルセデス・ベンツが「AMG One」の最新ティーザー画像を公開。
AMG Oneは”サー”ルイス・ハミルトンが6度目のF1ワールドチャンピオンを獲得したF1マシンに積まれていたエンジン(と同形式)をそのまま公道走行可能なクルマに積んだということが最大のトピックとなるハイパーカー。
加えて、その1.6リッターV6エンジンとともに、F1由来のハイブリッドシステムが移植されていることでも大きな話題を呼んでいますね。
ただしその道程は平坦ではなかった
なお、このAMG Oneが初公開されたのは2017年の「AMG50周年」時。
つまりAMGの50周年記念車としての性格を持つということになりますが、予定していたスケジュールよりも開発が遅れてしまい、今の今まで納車ができない状態となっています。
その理由は非常に複雑で、ひとつは「F1マシンのドライブトレーンを市販車に移植するのが非常に困難」であること。
F1マシンの場合は基本的に「高回転しか使用しない」前提であり、ごく狭いパワーバンドにて最大効率を発揮するように設計されています。
ただし市販車の場合は「アイドリング」を多用し、かつ低回転と中回転を行ったり来たりすることがもっとも多いと思われ、さらに高回転まで回すことは「稀」。
つまりはF1マシンとは真逆の、そして(もともとのF1用エンジン設計時には)想定されていない使い方をされるということになりますね。
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やはり規制の厚い壁によって阻まれる
そして技術的な問題が解決できたとしても、次に立ちはだかったのが「規制」による壁。
つまりはCO2排出量、騒音といった問題ですが、上述の通りAMG Oneは「一般道での使用を前提としていない」F1のエンジンを積んでおり、そのためにアイドリング回転数がどうしても高くなるという問題も。
これによってCO2排出量、そして騒音も必然的に大きくなってしまう(そして規制をクリアできない)ということになりますが、こういった問題によって開発そして発売がどんどん伸びてきた、というのが今までの流れです。
ただ、メルセデスAMGの優秀なエンジニアたちは数々の問題をクリアし、開発終了そして発売の目処も立ったと言われ、それがここ最近のティーザー動画の公開に繋がっているものと思われます。
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参照:Mercedes-AMG