なんとルーフCTR 2017の動画レビューが登場。710馬力、重量1200キロ、最高速度は時速360キロ

RUFが今年発表した「RUF CTR 2017」。
おなじみ英国のYoutuber、Shmee150氏が実車をレポートしています。
これは1987年にルーフが発表した「CTR（上の画像では左側）」へのオマージュとなっていますが、ここでその歴史を振り返ってみましょう。

そもそも「RUF（ルーフ）」はチューナーとして捉えられることが多いものの、「れっきとした自動車メーカー」。
完成車をベースにチューンすることもありますが、基本的にはポルシェより”まっさら”のボディやエンジンの供給を受け、自社ならではのノウハウを盛り込んで「超高性能車」を作る会社（よってルーフが製造した車は、形がポルシェであってもポルシェではなく、ルーフという車種）。
ポルシェをベースにするというのが目的ではなく、「ルーフの考える性能を実現できる可能性を持っていた」のが単にポルシェであった、と言いかえることもできそうです。

そんなルーフですが、1987年に発表した「初代CTR」は当時世界最速であったフェラーリF40の時速323キロ（実測）を超える時速340キロを叩き出したうえ、その後も改良型が時速342キロと記録をさらに更新し、最高速だけではなくニュルブルクリンクのラップタイム最速記録を塗り替えるなど運動性能の高さも証明。

その個体が明るいイエローにペイントされていたことから「イエローバード」と呼ばれるようになっており、今回の「CTR 2017」はボディカラー、ルックスともに初代CTRへの敬意を払ったものとなっています。

「CTR」は「カレラ・ターボ・ルーフ」の略で、エンジンは水平対向3.4リッター（ボアを拡大している）。
名称の通りターボをツインで装備し出力は710馬力が公称値となっていますが、ルーフの提示する数字は「最低保証値」で、いかなる悪条件でも「出せる」数字。
よってよりよい環境（というか普通の環境）であれば、公称値よりもかなり良い数字が出た、とされていますね。

今回のCTR 2017は形状こそポルシェ911（930世代）ですが中身は全くの別物で、まずシャシーには「カーボンモノコック」を採用。
それにアルミのサブフレームを装着するという構造はマクラーレンの市販車、ランボルギーニ・アヴェンタドールと同様です。
加えてサスペンションは「プッシュロッド」となっており、これはもう完全にレーシングカー。
※CTRは「CTR3」でミドシップ化しているものの、今回のCTR2017では「ミドシップ化できたはずなのに」RRレイアウトとなっていて、やはり初代CTRを強く意識したことが伺える

動画では実際に走行する様子も見ることができますが、さすがにShmee150氏でも運転はさせてもらえず、ルーフを率いるアロイス・ルーフ氏の運転する横に乗ることに。

ドアハンドルはフラッシュマウント。
ルーフはもともと「徹底したこだわり」が特徴で、初代CTRでも空気抵抗を低減するためにヘッドライトの角度を寝かせたり、ドアミラーを小型で流線型のものに変更したり、屋根にある「雨樋」を削り取ったり、と「そこまでやるか」的な改造を行っていて、「単に大きな馬力で突き進む」だけの車ではない、ということですね。

CTR 2017の詳細はRUFのページに記載がありますが、見れば見るほど「とんでもない車」であることがわかります。
なおルーフCTR 2017の出力は710馬力、最高速度は時速360キロ、重量はわずか1200キロ。
外観はレトロですが中身は最新、かつ燈火類もLED化されてフラッシュサーフェス化が図られる等、30年分の進化が詰め込まれているようです。

下記は初代CTRとCTR2017のスペック。
CTR 2017はよりワイドに、より低いシルエットを持っており、しかし重量は初代に比べてわずか50キロの増加のみ（エンジンの水冷化、ブレーキやホイールの巨大化があるにもかかわらず）。
0-100キロ加速はパワーウエイトレシオの割に驚異的に速いという数字ではありませんが、これは逆に「ドライバーズエイドのない、過激なマシン」で、つまりドライバーのスキルをモロに反映する車である、ということなのかもしれません。