| ポルシェファンにとっては”こたえられない”逸品登場 |
RMサザビーズは10月27日より「ポルシェ70周年」と銘打ってポルシェの歴史的モデルを大量にオークションにかけますが、その中に「356Aの整備トレーニング用シャシー」が存在することが判明。
これはポルシェの正規ディーラーであった「ホフマン・モータース」のメカニックの研修に用いられたもので、ボディシェルはなく、「シャシーとドライブトレーンのみ」という状態です。
こう見えてもちゃんと走るんです
なお、いかに研修用といえども「完全に機能する」もので、これによってメカニックはポルシェの構造を学び、より高いレベルのサービスを可能とすることを目指したわけですね。
たしかにこれを見るとエンジンやトランスミッション、燃料タンクの位置関係や繋がりが見え、大きなクラッシュから修復する際にも「修理のイメージを持ちやすい」のかもしれません。
メーターはこんな感じで簡素な取り付け方法(もちろんちゃんと動く)。
このトレーニング用ローリングシャシーは、ホフマンモータースで使用されたのちにポルシェ・オブ・アメリカ本社へと移され、その後ボストンのディーラーへと移動。
そこからいったんその存在が表舞台から消えることになり、再び日の目を見たのは1976年で、これはポルシェ・クラブ・オブ・アメリカによって発見されたことがきっかけだそう。
もちろん公道走行のための登録はできず、しかしこのローリングシャシーが作られた目的、その希少性、なによりポルシェファンにとっては「リアエンジン」の存在がアリアリとわかるという有り難さを考えるに、「かなり価値の高い」逸品かもしれません。
保存状態は非常によく、まさに「コレクターズアイテム」と言えそうですね。
ほかにも「登録不可」のプロトタイプが販売されたことも
なお、これまでも開発に使用したプロトタイプがオークションに出品され、高額落札を記録したことも。
中には一応走行できるもの、形状だけで走行できないものもありますが、それらはメーカーの「歴史」を作った試作品であるということを考えると、そのメーカーと歴史を共有したいと考えるファンにとってはお金に換えられない価値があるのでしょうね。
今回の「ポルシェ70周年」オークションについては何台かのプロトタイプが出品されるようですが、それらについても相当な高額落札が予想されます。
ちなみにこちらは風洞実験に使用した「ガワだけ」のフェラーリ812スーパーファスト。
そしてこれも開発のために製作されたものですが、「公道走行できる要件を備えていない」とのこと。
こちらは排ガステストのため「時速8キロ以上で走れない」、世界でもっとも遅いフォードGT。
VIA:Autoclassics