| 今後”ラリーカー”の相場も上昇する可能性が出てきた |
最高でも予想落札価格3億8000万円程度とみられていたポルシェ959パリ-ダカールラリー出場車ですが、予想をはるかに上回る6億6000万円にて落札。
ポルシェ959はもともと1983年に発表されたグループB(グルッペB)参戦用に計画・製造された車で、ホモロゲーション取得用として1986-1989年にかけて283台が製造されています(実際は200台で事足りたものの、非常に高い人気となり、結果的に283台となった)。
ただ、参加を予定してたグループBが1987年に消滅してしまったためにポルシェはこれを「パリ-ダカール用」として転用。
しかしながら今回出品された「パリダカ用」959はプロトタイプとなっており、市販モデルに搭載されていたツインターボではなく、当時の911カレラに積まれる自然吸気仕様のフラットシックスを搭載していることが特徴。
この車両は実際に1985年のパリダカを走っていますが、この年に製造された「パリダカ用959」はわずか3台のみで、かつこの「1985年パリダカ仕様」が販売されるのは今回が初めて。
ロードカーの959は落札相場1億5000万円前後といったところですが、その希少性を考慮して「最高で3億8000万円ほどになるのでは」とみられていたものの、それを大きく更新した、ということになります。
オークションでの評価は「希少性」と「歴史」?
落札した人はまさかこれで走ったりレースに出るわけではないと思われ、つまり希少性とポルシェの「歴史」にお金を払った、ということになりそう。
加えてその希少性と歴史は月日が経てば経つほど増すことになり、今後もさらに値を上げることになるのかもしれません。
なお新車販売において、車を高く売ろうとすれば「過去の車がどれだけ高いか」というのは非常に重要な要素。
それはフェラーリがすでに証明していますが、今回の959のように高い相場が形成されれば、クラシックモデルでなくとも「新車であれども今後価値が上がる」という思惑が働き、新車の人気が高くなる、というわけですね。
そういった意味では「希少性」を現在の新型車に持たせることや、モータースポーツ等の活動によって「歴史(”箔”と言い換えてもいい)」を形成することがいかに重要であるかがわかります。
なお、今回の959ラリーについては過酷なパリダカを走り抜くための数々の装備が与えられているようで、ルーフには視認性を考慮したランプも装着。
ペダルはアルミではなく、意外や市販モデルと同じ樹脂。
リアには巨大なラジエター(エンジンが空冷だとすると、ミッションオイルクーラーかも。ただし位置を考えるとエンジンを水冷化して冷却?)。
ドアパネルは超簡素化。
ストッパーはロールバーに取り付けた「ベルト」ですね。
おそらくはデパーチャーアングルを考慮した構造。
これはGPSアンテナかも。
VIA:RM Sotherby'S