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ちょっと待って!ポルシェ「カーボンブレーキはホイールを汚したくない人が選ぶオプションだ。サーキットでは鋳鉄ディスクを推奨する」

2019/03/24

しかも「カーボンディスクはサーキットを走ると劣化する」とも。PCCBの立場はどうなるの?

ポルシェがカーボンセラミックディスクブレーキについて衝撃の発言。
これはポルシェのオーストラリア法人にて技術担当を務めるポール・ワトソン氏が、カーメディア「WhichCar」に対して語ったもので、「カーボンセラミックディスクブレーキの寿命が長いというのは間違いだ。サーキットを走るとすぐに劣化する。カーボンセラミックブレーキは、ホイールがダストで汚れるのを嫌う人々が選択すべきオプションだ」という内容。

カーボンディスクブレーキの市販車導入はポルシェが「初」

ポルシェはカーボンセラミックブレーキを市販車にいち早く導入したメーカーですが(ポルシェいわく、ポルシェが”初”)、これはポルシェがブレーキに対して強いこだわりを持つメーカーであるため。

ただ、デュアルクラッチについてもポルシェは相当に早い段階でレースに投入しているものの(自動車メーカーでは最初だと思う)、実際に市販車に装備したのはずっと後で、フォルクスワーゲンはじめ多くのメーカーの「後」となっています。
そのほかにもポルシェが先鞭をつけながらも市場投入が遅くなった技術がいくつかありますが、それはポルシェの「慎重さ」を表していると考えていて、「ポルシェが納得できる確実性と品質性を持たなければ、それは発売できない」と考えているのだと思われます。

それにもかかわらず「市販車初」レベルで投入されたのがポルシェ・カーボンセラミック・ディスク・ブレーキ略してPCCBですが、これは当時「軽量で、効きが安定しており、摩耗せず、クルマの寿命と同じくらいのロングライフ」というもの(つまりポルシェはそれだけPCCBに自信がある)。

ただしPCCBについてはハードブレーキを繰り返すとクラックが入ったりということが初期の段階から報告されていて、よって一部のハードコアな人々は「サーキットではPCCB(だけではなく他のカーボン製ディスクも含めて)は使い物にならない」という向きも。※よって、いくつかのメーカーは、耐久性やコントロール性を理由に(つまりコスト的な理由ではなく)、サーキット志向のモデルに対し、カーボンディスクを採用せずに鋳鉄ディスクを採用している

そして今回ポルシェが改めて「そうだ。PCCBはサーキットを走ると、ディスクの中のカーボン繊維が劣化する。だから我々は、サーキットを走るには鋳鉄ディスク(ローター)を勧めている」とのこと。

オイオイちょっと待ってくださいよ!という感じですが、続けてポルシェのポール・ワトソン氏は、WhichCarの「じゃあ、どんな人がPCCBを選ぶべきか」という問いに対し、「そうだな。ホイールを掃除したくない人かな。ホイールがブレーキダストで汚れないというのは大きなアドバンテージだ」。※PCCBが標準装備で、それしか選べないモデルもある

▲鋳鉄ディスクだとすぐにこんな感じでホイールが汚れる。たしかに汚れないという理由だけでもPCCBが欲しくなる

知ってはいたものの、実際にポルシェから「PCCBはサーキットに不向き」と言われるとちょっとショックではありますね。

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