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| ポルシェ「ソンダーヴンシュ」によるカスタムは作品を追うごとにその技術がより高いレベルへと進化している |
ここまで来ると「もはや応えられない要望はない」のかも
ポルシェ市販モデル最高峰の走りを”ウイングレスの洗練されたシルエット”で包み込んだ「911 GT3 ツーリングパッケージ」。
その現行最新世代(992.2型)をベースとし、ポルシェのカスタマイズ部門の頂点である「ソンダーヴンシュ(特別注文)」が”誰も見たことのないような”芸術的ワンオフモデルを創り上げることに。
「911 GT3 ツーリングパッケージ “ツリー・オブ・ライフ(生命の木)”」と命名され、このクルマはポルシェ・モルドバの設立15周年を記念して企画された1台だといい、ヴァイザッハの「スタイル・ポルシェ」チームとツッフェンハウゼンのソンダーヴンシュ職人が数年をかけて緊密に連携し、モルドバの文化的ルーツをGT3へと見事に投影させた意欲作でもあります。
一体どのようなディテールが与えられ、どれほどの職人技が投入されているのかを見てみましょう。

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この記事の要約
- 15周年を祝う唯一無二の芸術:ポルシェ・モルドバの設立15周年を記念し、ポルシェのカスタム最高峰プログラム「ソンダーヴンシュ(Sonderwunsch)」によって作られた世界に1台の特別モデル
- 400時間を超える超絶技法の塗装:モルドバの特産であるワイン(ブドウの成熟過程)にインスパイアされた、紫から赤紫へ美しく変化する多層グラデーション塗装と、手作業による「生命の木」グラフィックを融合
- 伝統とモダンの融合内装:モルドバの民族衣装へのオマージュとして、ポルシェ伝統の「パシャ(Pasha)格子柄」をルビースターネオとアタカマベージュで現代的に再解釈した極上インテリア
ブドウの成熟を表現したペイント、手描きグラフィックの奇跡
エクステリアの最大の見どころはこれまでの自動車塗装の常識を覆すほどの精度で仕上げられた、息をのむようなマルチレイヤー(多層)グラデーションペイント。
フロントの「ヴィオラパープルメタリック(Violapurplemetallic)」から、リヤの「クロマフレア・マジックマゼンタ(Chromaflair Magic Magenta)」へと滑らかに変化するカラーリングは、モルドバの伝統的なブドウ栽培、そしてワイン造りにおける「ブドウの果実が熟していく過程」を表現しています。※この「クロマフレア」は見る角度によって色味を変えるカラーシフト塗装である

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驚くべきことに、この色の美しいグラデーションは足元に奢られた20/21インチのマグネシウムホイールにまで連続して適用されていますが、これに加えてフロントボンネットフード(ラゲッジリッド)からルーフにかけてはモルドバの最も象徴的な文化的シンボルである「ツリー・オブ・ライフ(生命の木)」のグラフィックがネオジウムポルシェゴールド(Neodyme)カラーを用いて”すべて手作業で”描かれています。
この多層グラデーションペイントと手描きのグラフィックを完全に調和させるために熟練の職人が費やした時間は約400時間だと説明されており、フロントエプロンのインテークグリルには、モルドバ(Moldova)の頭文字である「M」のシグネチャーが金属から精密にエッチング加工で削り出されるなど、微細な部分にも抜かりないといった仕様を持っているようですね。

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911 GT3 ツーリング”ツリー・オブ・ライフ”:概要
ベースとなっているのは、世界中のエンスージアストが羨望の眼差しを向ける最新の992.2型「911 GT3 ツーリングパッケージ」で・・・。
「911 GT3 ツーリング “ツリー・オブ・ライフ”」主要スペック
| 項目 | スペック・仕様詳細(992.2型準拠) |
| エンジン | 4.0リッター 水平対向6気筒 自然吸気(NA) |
| 最高出力 | 510 PS(502 hp) / 8,400 rpm |
| 最大トルク | 450 Nm / 6,100 rpm |
| 最高回転数(レッドライン) | 9,000 rpm |
| トランスミッション | 6速GTスポーツマニュアル(ギヤ比を先代比8%ローギヤード化) |
| 駆動方式 | RR(後輪駆動) |
| 0-100 km/h 加速 | 3.9秒(マニュアル仕様) |
| 最高速度 | 313 km/h(マニュアル仕様) |
| 足回り・ホイール | 20/21インチ・軽量鍛造マグネシウムホイール(グラデーション塗装) |

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民族衣装へのオマージュを捧げた極上のインテリア
ドアを開けると、そこには外装のストーリーと完璧にリンクした”息をのむような”コントラストの世界が広がっており、「パープル(Lila)」の気品あるレザーをベースとして「ルビースターネオ(Ruby Star Neo)」のアクセントと「アタカマベージュ(Atacama Beige)」のコントラストステッチを採用。
さらにシート中央部やドアパネル、グローブボックス表面には、ポルシェ伝統の格子柄である「パシャ(Pasha)生地」がルビースターネオとアタカマベージュの組み合わせで現代的にリビルドされてあしらわれていますが、これはモルドバの伝統的な民族衣装の織り方に敬意を表したものなのだそう。

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また、シフトノブや、アダプティブスポーツシートプラスのバックレストには温かみのある高価な「パルダオウッド(Paldao wood)」のインレイが配され、モルドバの豊かな自然のルーツと伝統工芸を象徴している、と説明されています。

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そしてエアコン吹き出し口のルーバーも「レザー張り(この部分のレザー張りは珍しくはないが、カラー違いのレザーを用いるのは珍しい)」。

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コンフィギュレーターを超越した「究極の顧客体験」
ポルシェのカスタマイズといえば、「PTS(Paint to Sample)」と呼ばれる特別外装色プログラムが有名ですが、今回のソンダーヴンシュは、通常のウェブコンフィギュレーターやオプションリストの枠組みを遥かに超越した、いわば「自動車のビスポーク(テーラーメイド)」。
加速する「ハイパー・パーソナライズ」市場の覇権争い
現代の世界的なトレンドとして、超富裕層は単に「高額な限定車」を買うことよりも、「(最近のブガッティに見られるように)自分だけのストーリーが込められた、世界に1台の個体を作るプロセス」に最大の価値を見出しています。
よって、現在はそういった顧客の要望を満たすために各社とも多種多様なプログラムを展開しているというのが実情で・・・。
【主要ブランドのビスポーク(特注)部門】
・ポルシェ:ソンダーヴンシュ(Sonderwunsch)
・フェラーリ:ワンオフ(One-Off) / テーラーメイド
・ランボルギーニ:アド・ペルソナム(Ad Personam)
・ベントレー:マリナー(Mulliner)

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さらにフェラーリのワンオフプログラム「フオーリセリエ」ではがシャシーやボディ形状そのものを変えて数億円規模になるのに対し、ポルシェのソンダーヴンシュは「ポルシェが持つ最高のエンジニアリング(GT3マシンの走り)」をそのままに、グラフィック、ペイント、素材、そして伝統的な職人技を極限まで掛け合わせるという手法を取っています(ポルシェでも「さらに」上のカスタムを行うことができるプログラムが存在する)。
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今回の「ツリー・オブ・ライフ」は、単なるショーカー(展示用の派手な車)ではなく、伝統的なクラフトマンシップ、そしてポルシェが持つ最新のペイントテクノロジーが融合した「走るアートピース」であり、ポルシェが競合ブランドに対して「ここまで個人のビジョンを具現化できる」という圧倒的な技術的ショーケースともいうべき存在かのかもしれません。

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結論:博物館に飾られるにふさわしい、時代を紡ぐワンオフの価値
ポルシェ・モルドバの15周年を記念して誕生した「911 GT3 ツーリング “ツリー・オブ・ライフ”」のお披露目の舞台としては首都キシナウにある「国立民族学自然史博物館」が選ばれており、そして発表後もしばらくの間は同博物館の特別展の一部として一般公開された後、ポルシェセンター・モルドバへと移される予定なのだそう。
車名の通り、伝統という名の「根」を張り、未来へ向かって「成長」を続けるモルドバの文化を、9,000回転までハミングするポルシェのピュアスポーツカーで見事に表現したこの1台。
400時間をかけたグラデーション塗装の美しさは移動手段としての自動車を超え、後世に語り継がれる芸術品としての価値を放ち続けており、これこそがポルシェ・ソンダーヴンシュが到達した、パーソナライズの究極の到達点、そして目指す部分だと言えるのかもしれません。
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