| 世界には「ポルシェ917を公道で乗る人」が何人か存在する |
ポルシェ917は今や時価10億円を超えるという「ポルシェではもっとも高い価値を持つレーシグカー」。
よって数々のレプリカが作られていますが、いずれもポルシェに敬意を払った、オリジナルに忠実な個体となっています。
今回紹介する917についてもレプリカではあるものの、実際のポルシェ917と「全く同じ」サイズ、構造にて作られており、これを「レプリカだと」見分けるのは非常に困難。
そして驚くべきことは、このポルシェ917は「合法に公道を走れる」ということ。
ポルシェ917レプリカは当然「ガルフカラー」
ボディカラーはスティーブ・マックィーン主演の映画「栄光のル・マン」に登場した”ガルフカラー”。
なお、以前にもガルフカラーの917レプリカが販売されており、「同一の」個体ではないかと思ったものの、エンジンルームなど細部を見ると「他人の空似」のようですね。
ポルシェ917は「908」の後継として1969年に登場。
ル・マン24時間レースでは「時速387km/h」という、とんでもない速度記録を樹立し、様々な壁を「ぶち破った」レーシングカーとしても知られます。
なお、開発はフェルディナント・ピエヒが主導し、技術面を担当したのはハンス・メツガーという「ゴールデンコンビ」。
917には「917LH」「917PA」「917/10K」「917/30K」等のバリエーションが存在し、エンジンはいずれも水平対向12気筒、出力は550~1000馬力くらい、車体重量は800キロ前後。
そしてこのレプリカと「本物の」917との相違はエンジン型式。
本物の917はV12を積むものの、このレプリカは3.8リッター6気筒(300馬力)を積んでいます(排気量からするとポルシェのエンジンっぽい)。
キャブレターには(通常使用時の異物混入防止の為)カバーが取り付けられ、ルーフにはカメラが仕込まれていますね。
エンジンルームはこう。
もちろん、このスペースフレーム構造も実車同様で、センターの「フィン」も再現。
スペースフレームについては、(パガーニ・ウアイラもそうですが)一部リジッドではなくピロボールによるジョイントです。
ただしそのほかはまさに「本物と同じ」で、ボディサイズは全長4.25メートル、全幅2メートル(広い!)、そして全高97センチ(低い!)。
動画ではなかなかの快音を聞かせてくれますが、おそらくはドライバーズエイドなどは皆無だと思われ、運転はかなりシビアだと思われます。
加えて、「300馬力といえど」、車体重量は本物同様、もしかするとシリンダー数が半分なので「もっと軽い」可能性があり、相当に高い運転技術が要求されることになりそう。
そして街なかでは大人気。
テールパイプも本物同様。
このパイプ内の形状は、最近リバイバルされた「935クラブスポーツ」にも採用されており、ポルシェにとってはひとつの伝統なのかもしれません(なぜこの形状なのかは不明)。
ドアオープンはプッシュ式ボタンとフックにて。
ウインドウは「スライド」できないため、ごく小さな窓が開閉するのみとなっています。
なお、ポルシェ917の「レプリカ」ではなく、本物をロードカーにコンバートして乗っている人もいて、こちらの917はなんと「2人乗り」へとコンバートされています。
ポルシェ917レプリカのインテリアはこうなっている
こちらは今回紹介する917レプリカのインテリア。
づてアリングホイールが「逆D」形状をとなりますが、これは前方視界確保のためだと考えられます。
後方を移したカメラの映像はダッシュボード左のモニターに。
もうスパルタンとしか言いようのないコクピット。
もちろん一人乗りですが、あまりに室内がタイトなので、乗降時にはステアリングホイールを外す必要があります。
そして給油にはアダプターと「じょうご」が必要。
今年はポルシェ917「50周年」ということもあり、ポルシェ自身も「917コンセプト」を発表したりという盛り上がりを見せていますが、まだまだ917については色々なネタが出てくるかもしれませんね。
VIA:CAR ESPAÑA