| ポルシェ935はコレクターからの支持が厚く、めったに売り物が出てこないことでも知られている |
もはや落札価格が2億円を軽く超えても驚かない
さて、ポルシェが2019年に突如発表し世間を驚かせたサーキット走行専用モデル「935」。
当時、ポルシェはこのクルマについて「ポルシェファンへのクリスマスギフト」だと表現しており、しかしこのクルマの購入権を得られたのは(非常に)幸運な77名のみ。
スタイリングのインスピレーション元はかつての935 / 78レーシングカーで、近年のポルシェが「ヘリテージ」路線を歩むきっかけにもなったクルマだと考えて良いかと思います。※その時点までポルシェはこれほど明確に過去モデルを意識した新型車を発売してこなかっただけに発表時の驚きは大きかった
ポルシェ935はめったに売り物が出ない
「77台のみしか生産されていない」という希少さもあるものの、インスピレーション元の935の人気の高さ、このポルシェ935の誇る究極のパフォーマンスという実質的価値の高さも相まって購入者が手放さないクルマとしても知られており、つまりは「めったに売り物が出ない」限定モデルとしても知られます。
そして今回、そのポルシェ935が米中古車売買サイト、ブリング・ア・トレーラーへと売りに出されていますが、この個体は2019年に最初のオーナーへと納車されたのち、わずか90マイルのみしか走行しておらず、文字通りの「新車同様のコンディション」。
ボディパネルはカーボンファイバー製(ただしヴィジブルカーボンではない)、そしてカラーリングは「インタースコープレーシング」。
オレンジ、レッド、ピンクのストライプがボディ上へと再現されており、1981 年のデイトナ24時間レースでの成功を思い起こさせます。
このポルシェ935の新車購入価格は約1億5000万円
ちなみにこのカラーリングは「ラッピング」ですが、ポルシェのこういった”リバリー”は基本的にステッカーで再現されており、918スパイダーの「マルティニ」「ザルツブルグ」といったリバリーもステッカー。
一般的な傾向として、ドイツ車とアメリカ車はリバリーを「ステッカー」にて再現し、イタリア車では「ペイント」を用いることが多いようで(もちろん例外あり)、ポルシェもその例に漏れず伝統的にステッカーを用いており、こういったリバリーにペイントを使用したのは(市販車だと)911ダカールが初だとアナウンスされています(ただ、911ダカールにおいてもペイントは”ツートンカラーへの塗り分け”に使用されるのみで、他の色やロゴはステッカー)。
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そしてこのポルシェ935の「インタースコープレーシング」リバリーは純正オプションなのですが、その価格はなんと27,500ドル(現在の為替レートだと415万円くらい)。
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そのほかこのポルシェ935のオーナーは「スペアパーツパッケージ(44,300ドル)」ほか様々なオプションを装着しており、最終的な支払総額は1,048,080ドル(1億5000万円くらい)。
ベースとなるのは991世代の911Gt2 RS、搭載されるエンジンは3.8リッター・フラットシックス・ツインターボ。
出力は700馬力、そして車体重量はわずか1,380kgにとどまるため「恐るべき」パフォーマンスを発揮するものと思われます。
装着されるホイールはセンターロック仕様の18インチ鍛造ホイール(BBS製)、タイヤはミシュラン製パイロットスポーツ GT、ブレーキシステムはブレンボ製(フロントは6ピストン)。
なおフロントフード上のポルシェエンブレム(クレスト)はステッカー。
これは「ケチっている」のではなく、軽量化対策の一つであり、ここまでのこだわりをもって作られているという証でもありますね。
ちなみにドアミラーはこの形状であっても「電動調整式」。
ポルシェ935のインテリアはこうなっている
そしてこちらはポルシェ935のインテリア。
サーキット走行専用モデルである911GT2 RSクラブスポーツとほぼ同じだそうですが、とんでもなくサポートの大きなレカロ製カーボンファイバー製バケットシートがまずは目に入ります。
ダッシュボード周りもやはり911GT2 RSクラブスポーツ同様。
ドアインナーパネルほか多くがカーボンファイバー製パーツへと置き換えられています。
トランスミッションはPDK、そしてシフトノブはポルシェのクラシックなレーシングカーに敬意を表した軽量ウッド製。
ポルシェの一般的なロードカーだと”ダッシュボード上”にあるライトスイッチがトランスミッショントンネル上に。
そしてスポーツクロノのカウンターがメーターパネル内の左側に移動するなど、「いつもそこにあるはずの」パーツが違うところにあるのが新鮮です。
オークション終了まではまだ11日ほど残されていて、しかし現時点での最高入札価格がすでに130万ドル(現在の為替レートにて約1億9500万円)にまで上昇しており、この勢いだと「まだまだ上がる」ことになるかもしれませんね。
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