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米にて718とマカンを除くポルシェ車すべてが経済制裁で販売できない?この1ヶ月、アメリカにてポルシェが通関できず港にて保留されているとの報道

米にて718とマカンを除くポルシェ車すべてが経済制裁で販売できない?この1ヶ月、アメリカにてポルシェが通関できず港にて保留されているとの報道

| 更にこの状況は少なくとも3-4週間は続くと見られ、ポルシェもそれを認めている |

原因は「マイクロチップ」にあるようだが、なぜそれが問題なのかは明らかではない

さて、米国(アメリカ合衆国)はポルシェにとってもっとも大きな販売規模を誇る国の一つですが、今回「マカンと718ボクスター・ケイマン以外の全てのモデル、つまり911、カイエン、パナメーラ、タイカンを米国内で販売できなくなり、米国の港で大量のポルシェが通関できずそのままになっている」との報道。

なお、この件に関しては様々な報道・見解があるものの、現時点でポルシェのほとんどのクルマが米国では販売できず、その理由を解消するための交換用パーツを待っているのは事実であるようです。

いったいなぜこんなことに

順を追って説明してゆくと、ことの発端は(ポルシェを注文している)オーナーがSNSにて「マイクロチップの問題により、いくつかのポルシェ モデルが米国の税関で保留されているようだ。 GT3RSモデルを含むこれらの車両は、交換チップ(ECU部品)が届くまで港に停泊したままにとなり、交換を終えるには3-4週間かかる」と投稿したこと。

これを契機として復数のオーナーが同様の事情について言及し、あるオーナーは「自分のクルマは完成しているのにドイツ本国から出荷されていない」またあるオーナーは「米国向けとして製造されたクルマの多くは他の地域へと販売先を振り替えられるようだ」とも述べており、徐々にその騒ぎが大きくなっています。

さらにはポルシェ愛好家が集う掲示板には以下のように(ポルシェディーラーからの連絡の引用として)投稿がなされ、実際にポルシェが大きな問題を抱えていることも明らかになったわけですね(ディーラーから顧客に対しては、1月19日、続けて2月1日にも状況をアップデートする連絡があったそうで、ポルシェが対応に苦慮している様子がうかがえる)。

税関の問題により、先日は特定のポルシェ車両につき、通関が遅れていることをお知らせしました。 当社はこの問題に対処するために熱心に取り組んできましたが、このプロセスの解決には時間がかかることが明らかになったため、現在港に到着しているか、まもなく到着予定の特定の車両の納入日を更新しています。 この遅れは 718 やマカンには影響せず、これらの納車は通常通り行われます。 問題となっているのは、大型の制御ユニットの一部である小型の電子部品であり、これらは交換される予定となっています。 できるだけ早く作業を開始できるよう、交換部品の手配を行っており、 私たちはこの問題を解決し、お客様とお客様に定期的に最新情報を提供できるよう最優先で取り組んでいます。 それまでの間、慎重を期して、遅延の可能性をより正確に反映するために、納車予定日を随時修正しています。 お客様のサポートに向けて協力してまいりますので、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

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この問題は米国政府の導入した「経済制裁」とのウワサが立つ

そしてそこから出てきたのが「このマイクロチップの問題は米国による経済制裁ではないか」というウワサ。

どういうことかというと、ベラルーシは現在、アレクサンドル・ルカシェンコ政権の権威主義と、ロシアの対ウクライナ戦争への支援によって米国国務省の大規模な制裁の対象となっており、今回「通関できない」ポルシェに使用されているマイクロチップがベラルーシ製であるため、これを使用しているポルシェについて米国に輸入できない状態になっているというわけですね。

ただ、これについてはポルシェが公式に否定しているといい、しかしマイクロチップの何が問題なのかについては言及がなされておらず、そして現在この案件が発生しているのは米国のみだとされるので、何らかのマイクロチップの不具合ではなく「米国特有の規制」にひっかかっているのは間違いなさそう。

加えてポルシェは「米国向けの車両が他地域に回される」ことについても否定しており、米国の顧客のために生産された車両は「マイクロチップを入れ替えた後に」米国にて予定通り納車されることについても言及していますが、これはポルシェの言う通りなのだと思われます。

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というのも現在のポルシェは基本的に「オーダーメイド」つまり顧客の指定したスペックによって製造されているので、これを他の地域の顧客に回すということは現実的ではなく、かつ米国向けの車両には物理的な変更が加えられている場合があるため、やはりこれを別の国や地域で販売するというのも「非現実的」。

よって米国の顧客はこのマイクロチップの交換が終了するまでひたすら「待つ」しかなさそうですが、この交換についても部品の手配、そして作業とも容易ではないと思われ、問題が解決するにはそれなりの時間を要するのは間違いないのかも。

なお、今回の問題の根本が「経済制裁」にあるのかどうかは不明ではあるものの、これに限らず「急激な世界情勢の変化で」なんらかの対応を(企業が)迫られるケースも少なくはなく(記憶に残るだけでも相当数ある)、よって世界中で製品を製造したり販売したりする企業は常に変動する情勢にあわせ、頻繁に事業運営の見直しを行う必要がある、ということになりそうです。

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参照:Jalopnik, rennlist.com

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