ポルシェが中国にて「ディーラー網を1/3に」縮小するのに加え「現地従業員を30％削減」との報道。ポルシェはこれを否定するが組織の再編が行われるのは事実であるもよう

｜　今後のポルシェは「スポーツ性能」ではなく別方面での強化を行わねば生き残りが難しい　｜

そして「別の方面」とはスマート機能である

さて、先日はポルシェが「中国のディーラー数を1/3に削減する」という報道がなされていますが、今回は「ポルシェが中国において大幅な人員削減を行う」というニュース。

報道によれば、中国法人に勤務する正社員と派遣社員わせて30％が削減されるといい、退職者には正規の退職金に対し「6ヶ月の上乗せ」を行うという具体的な話までもが囁かれています。

ただしポルシェはこれに反論

しかしながらポルシェはこういった報道に対して「事実とは異なるものである」として正式に反論を行っていて、ポルシェの言い分によれば「複雑かつ流動的な市場環境に対応するために組織の再編を進め、すべてのプロジェクトの効率化、そしてコストの最適化を行う」。

ただしこのコメントを見る限りでは「人員削減を行うことは間違いなく」、報道とは表現の方法が異なるだけなのかもしれません。

なお、中国は今やポルシェにとって最大の市場であり、販売のおよそ30％を占めていたものの、その販売は減少を続け、直近では29％も減ってしまうことに。

これは今まで販売の主軸であった「パナメーラ」「カイエン」「マカン」が中国地元の自動車メーカーの発売するクルマにシェアを奪われているためで、さらには「次世代の柱」と期待されたタイカンのセールスが奮わないためですが、直近の流れと近年のトレンドを見る限り、ポルシェがこの状況をすぐに巻き返すことは難しく、よって「ディーラー網の縮小」「人員削減」は妥当な判断なのかもしれません。

現在はポルシェにとって苦難の時ではあるが

加えて言うならば、中国市場では「プレミアム性」がクルマに求められるものの、そのプレミアム性は（ポルシェ最大の売り物である）運動性能に結びついているのではなく、「自動運転」「インフォテイメントシステム」といったところに結びついており、もちろんポルシェもこれを理解しているため、「中国にてスマート系機能の開発を強化」すべく現地での開発を促進させるとも。

そしてこれら「中国で開発された機能」が中国内のみにとどまるとは考えにくく、コストの平準化を考えると全世界にて販売されるポルシェに「先進スマート機能」が搭載されるのだと思われます。

ただ、こういったスマート機能はポルシェが（現在）得意とするものではなく、しかし今後これを強化できれば、中国だけではなく全世界規模で競争力を回復できる可能性もあり、現在はポルシェにとって「悩みのタネ」である中国が（スマート技術の開発という点で）逆に「救いの神」となる時代が（一周回って）やってくるのかもしれません。

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