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ポルシェは中国市場を諦めない。上海に投資会社を設立し、EVやクルマのスマート化技術に優位性を持つ企業に投資し、その技術を市販車へと反映させるもよう

ポルシェ

| つまり、自社開発よりも他社の技術を活用するという「スピード」を選んだのだとも考えられる |

ポルシェは高いブランド価値を持っており、他社に比較すると「戦える」下地を有している

さて、現在ポルシェ含むフォルクスワーゲングループは中国において大きくその販売を失っており、現在はその回復のために「中国のディーラーに巨額の支援金を投じ」値引き販売を行っているとも報じられていますが、それとは別に進めているのが「より中国市場に好まれる車作り」。

中国市場は少し特殊な嗜好を持っていて、、それはドイツ含む欧州、北米や日本とも全く異なるもので、しかしフォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェは(それ以外のメジャーメーカーも)ほとんど中国を対象としたデザインや機能を専用に開発しておらず、よって中国においては「消費者の欧州カーブランド離れ」が生じてしまったものと思われます。

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今後ポルシェは中国に対し「集中的に投資」

そして少し前にはポルシェが「中国に投資を行い、開発拠点を増強する」とも報じられていますが、今回はその一環として中国に「ポルシェ 上海 インベストメント」なる法人が(ポルシェ香港の単独出資によって)設立されたとの報道。

フォルクスワーゲン
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CEOにはポルシェ中国の最高責任者(総経理)、アレクサンダー・ポリッヒ氏が就任することとなり、ここではNEV(中国でいう”新エネルギー車”で、EV、PHEV、FCEVを指す)分野に関連する技術、コネクテッドカー、スマート技術に優位性を持つスタートアップに投資してゆくこととなるのだそう(投資の見返りとして新技術を吸収し、今後のポルシェのクルマに反映されてゆくことになるが、つまり、今回の新会社が直接、新しい技術を研究開発するわけではない)。

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ポルシェは投資に積極的である

なお、ポルシェは自動車製造・販売という「本業」のほか、様々なベンチャーキャピタルに投資したり買収を行っていますが、これは「将来、クルマのみの事業では会社がなりたたなくなる」と考えているためで、この危機感のもと、「空」「電動自転車やキックボード」という分野にも活路を見出しているわけですね。

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そしていくつかの自動車メーカーが中国市場に対して「見切りをつける」中、ポルシェは中国市場を「自動車販売のみではなく、イノベーションと投資戦略においても非常に重要な拠点」だと位置づけていて、様々な投資をここへと行うことで優位性を取り戻そうと考えているのだと思われます。

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ポルシェ
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実際のところ、ポルシェはフォルクスワーゲンやステランティスのように「普及価格帯」のクルマを作っているわけではなく「プレミアムカーブランド」なので一定の優位性を持っており、それを維持し、あるいは強化することによって、2023年には15%も減少した販売を「取り返す」ことができるのかもしれません(普及価格帯のクルマは「価格」で選ばれており、価格面だと中国車に対抗できないが、プレミアムカーは”ブランド価値”にて勝負ができる)。

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参照:36kr

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