かつては品質問題と生産効率に悩まされたポルシェ。今では「AIとロボット」を組み合わせることで両者を克服し、今までにないレベルの品質と効率を両立させる

Image：Porsche

｜　ボクの認識では「2000年代はじめまで、ポルシェは新車であっても傷が多い」という認識であったが　｜

今ではそれも「過去の話」である

さて、ポルシェは1980-1990年代には「あまりの生産効率の悪さに」コストが嵩み経営が圧迫され倒産の危機を迎えてしまったほどですが、今では（当時の経験が教訓となって）自動車業界の中でも”もっとも高い部類の”生産効率を誇ると言われます。

そしてポルシェが今回公開したのが「ライプツィヒ工場での高度なロボット技術とAIを活用した車両塗装検査の効率化」について。

ポルシェの「最新」塗装検査システムはこうなっている

今回ポルシェが紹介しているのが「塗装表面検査のロボット化」で、従来の塗装検査は手作業で行われており、多大な労力を要するうえに人的ミスが起きやすいものであったといい、ポルシェはこれらの問題を解決すべく塗装工程にける自動欠陥検知システムを導入することに。

このシステムでは、高度なセンサーを搭載したロボットアームが、生産されたすべての車両のボディシェルをスキャンすることになりますが、スキャンは2.5ミリメートルごとに画像を撮影し、1台あたり約10万枚の高解像度画像を取得するといい、これがわずか72秒間の検査サイクルで実現されるわけですね。

これらの画像は10台の高性能画像処理コンピューターで分析され、塗装面のピンホール、クレーター、埃や異物（「混入物」と呼ばれる）などの欠陥が正確かつ客観的に検出され、ポルシェいわく「このプロセスにより、手作業による主観的な検査の限界が克服される」。

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「長年にわたり、ロボットシステムは自動車の製造過程での塗装工程において重要な役割を果たしてきました。これにより、安全性、効率性、そして均一な仕上がりが向上しています。しかし、ロボットによる塗装でも、仕上がりに欠陥がないか厳密に検査する必要があります。ポルシェのライプツィヒ工場では、最先端技術を活用した検査プロセスが導入され、精度と効率性が大幅に向上しました。」

欠陥が検出されるとその正確な位置がミリ単位で特定され、このデータが即座に仕上げラインに送信されたのち、熟練したチームが問題を修正することとなりますが、作業員にはデジタルモデルが提供され、そこには高解像度のクローズアップ画像や欠陥の分類情報が含まれているため、迅速で正確な修正が可能になるのだそう。

さらにポルシェでは、AIとディープラーニングアルゴリズムを使用して欠陥を記録、分類、分析しているそうで、このデータにより、時間とともに欠陥の種類や発生箇所の傾向が特定され、これにより、プロセスの変動が早期に検出でき、塗装工程の継続的な改善が可能になることについても触れています。

つまりポルシェはロボット技術とAIを統合することで、高い品質基準を維持しつつ生産効率を向上させていて、この取り組みは精密なエンジニアリングと革新への同社の強いコミットメントを示したものだといえそうですね。

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参照：PORSCHE