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ポルシェがフォーミュラEマシン「99X Electric」に伝説の「ロスマンズカラー」を限定復刻。99Xは同社史上「もっとも成功したレーシングカー」でもある

フォーミュラE ロンドンE-Prix仕様の「ロスマンズ」ポルシェ 99X〜リアサイド

Image:Porsche

| 最終決戦地、ロンドンE-Prixには注目が集まる |

現行「99X Electric」は今年をもって「現役を引退」することに

電気自動車の最高峰レース「ABB FIAフォーミュラE世界選手権」の2025/2026シーズン最終戦(第16戦・第17戦)が2026年8月15日・16日にイギリス・ロンドンの「ExCeLサーキット」で開催予定。

7月末の東京E-Prixですでに「マニュファクチャラーズ世界選手権」タイトルを獲得したポルシェではありますが、このロンドン大会で一時代を築いたレースカー「ポルシェ 99X Electric」がその輝かしい歴史に幕を下ろすこととなり、それを記念して伝説的な歴代マシンを讃える特別カラーリングを身に纏い、残る2つの世界タイトル(ドライバー&チーム)の戴冠を目指す最終戦に挑むことになる、と発表しています。

この記事の要約

  • ポルシェ史上最も成功したフォーミュラカー「99X Electric」がラストラン:世界タイトル5回を獲得したGEN3世代最強マシンが今大会で退役。
  • すでにメーカー世界王座を確定、ドライバー&チームの3冠へ挑戦:パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)が首位とわずか5ポイント差の3位につけ、逆転王座を狙う。
  • ポルシェ・モータースポーツ75周年を祝う「80年代レトロカラー」で出走:ル・マンを制した「956」「962 C」やパリ・ダカール覇者「959」をオマージュした特別カラーリングを解禁。

80年代の名車「956/962 C」「959」をオマージュした歴史的リバリー

2026年は、1951年にポルシェ 356 SLがル・マン24時間レースでクラス優勝を果たしてから75周年の節目にあたりますが、これを記念して最終戦を戦う「99X Electric」には、1980年代のポルシェ黄金期を象徴するスペシャル・リバリー(カラーリング)が施されることに。

デザインのモチーフとなったのは、1986年のパリ・ダカール・ラリーを制覇した伝説の4WDスーパースポーツ「ポルシェ 959」や、1980年代のグループC時代にル・マン24時間レースで連覇を重ねた「ポルシェ 956」および「ポルシェ 962 C」のブルー&ホワイトカラー、つまり「ロスマンズ」。

ポルシェの伝統であるモータースポーツへの情熱と革新のDNAが、最先端のEVフォーミュラカーに注入されるというのが今回のニュースではありますが、ポルシェは折りに触れこの「ロスマンズ」カラーをレーシングカーやロードカー(911ダカール)にて復活させることがあり、しかし現在は商標権の問題もあって「ロスマンズ」の名は記されないという仕様です(99XでもやはりRothmansの文字は見られない)。

ポルシェ911ダカールのラインアップとポルシェ953

Image:Porsche

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ポルシェ 99X Electric(GEN3 Evo)の主要スペック

今大会で退役を迎える「99X Electric」はGEN3世代において最も成功を収めたマシンであり、(あまり知られていませんが)ポルシェのシングルシーター史上最多のタイトル数を誇ります。

現在投入されている進化型「GEN3 Evo」はF1マシンを凌駕する圧巻の加速性能とエネルギー効率を実現していて・・・。

ポルシェ 99X Electric (GEN3 Evo) スペック一覧

項目仕様・パフォーマンスデータ
最高出力通常モード:300 kW(約408 PS)
アタックモード / 予選:350 kW(約476 PS)
駆動方式通常時:後輪駆動(RWD)
アタックモード / 予選 / スタート時:四輪駆動(AWD)
0-100km/h加速約2.0秒(現行F1マシンより約30%高速)
回生ブレーキ出力最大600 kW(レース使用エネルギーの約50%を回生で賄う)
車両重量862 kg(ドライバー含む)
全長×全幅×全高5,016 mm × 1,700 mm × 1,023 mm
バッテリー容量38.5 kWh(急速充電CCS 600kW対応)
フォーミュラE ロンドンE-Prix仕様の「ロスマンズ」ポルシェ 99X〜フロントサイド

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3冠をかけた最終戦のポイント状況と勝負の行方

第15戦(東京)終了時点で、ポルシェはマニュファクチャラーズ選手権を制覇したものの、残り2つのタイトル争いは熾烈を極めているというのがいまの状況。

  • ドライバーズ選手権:ポルシェワークスのパスカル・ウェーレインが141ポイントで3位につけており、首位のジェイク・デニス(アンドレッティ / ポルシェカスタマー)とはわずか5ポイント差。ウェーレイン自身の力で逆転可能な距離に位置している
  • チーム選手権:首位のジャガーTCSレーシング(257pt)を、2位のタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム(243pt)が14ポイント差で追う展開となっている

ポイント順位表(第15戦終了時点)

【ドライバーズランキング】

  1. ジェイク・デニス(アンドレッティ / ポルシェ):146 pt
  2. ミッチ・エバンス(ジャガー):144 pt
  3. パスカル・ウェーレイン(ポルシェ):141 pt
  4. ニコ・ミュラー(ポルシェ):102 pt

【チームランキング】

  1. ジャガーTCSレーシング:257 pt
  2. タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム:243 pt
  3. アンドレッティ・フォーミュラE(ポルシェ陣営):211 pt

【マニュファクチャラーズランキング】

  1. ポルシェ:448 pt(王者確定)
  2. ジャガー:351 pt
  3. ステランティス:243 pt

舞台となるロンドン ExCeLサーキットは、アリーナの屋内(インドア)と屋外(アウトドアー)を行き来する世界唯一の特設コース(全長2.077 km)でもあり、路面摩擦(グリップ)が激しく変化するため、雨が降ればさらなる乱戦が予想されます。

フォーミュラE ロンドンE-Prix仕様の「ロスマンズ」ポルシェ 99X〜フロントサイド

Image:Porsche

関連情報:レースの走りが「ポルシェ市販EV」へ還元される仕組みとチャリティ

フォーミュラEはひとつのモータースポーツカテゴリにとどまらず、ポルシェにとっては市販EV技術を磨く「走る実験室」として大きな役割を果たしていて・・・。

1. レースから市販EV(タイカン / マカンEV / 718 EV)への技術フィードバック

フォーミュラEの99X Electricで培われた「800V高電圧システム」や「超高速超強力なブレーキ回生制御」「パルスインバーター制御技術」は、ポルシェ「タイカン Turbo GT」や新型「マカンEV」へとダイレクトにフィードバックされており、レースでのエネルギーマネジメント技術が市販EVの航続距離や動力性能の向上に直結しているというわけですね。

2. 社会貢献活動「Racing for Charity」

ポルシェはフォーミュラEを通じて社会貢献も推進しており、ワークスマシンが1周走るごとに400ユーロを積み立てるチャリティキャンペーン「Racing for Charity」を実施した結果、最終戦を前にすでに累計39万ユーロ(約6,200万円)もの資金が集まっていて、集まった寄付金は世界中の重病の子供たちを支援する団体へ全額寄付される、とのこと。

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Image:Porsche

結論:栄光の歴史を胸に、有終の美へ

ワークス参戦7シーズン目を迎えたポルシェにとって、ロンドンE-Prixは「最後の1戦」というだけではなく、EVモータースポーツの金字塔を打ち立てた「99X Electric」への最高の感謝と餞(はなむけ)の舞台です。

80年代のレース史を彩ったレトロカラーを身に纏い、激闘の末にドライバー&チームの年間王座を手中に収めることができるのか。チェッカーフラッグが振られる最後の1秒まで、ポルシェの劇的な逆転劇から目が離せない展開となりそうですね。

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