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| ポルシェはWECから撤退、IMSAとフォーミュラEにリソースを集中 |
【この記事の3点まとめ】
- 驚異のパフォーマンス向上: 最高出力は600kW(816PS)に達し、現行の「アタックモード」から71%ものパワーアップを実現
- 初の常時四輪駆動(AWD): 圧倒的なトラクションと新開発タイヤ、大幅強化されたダウンフォースにより、走りの質が「別次元」へ
- 市販車への技術転用: 新開発のDC/DCコンバーターやブレーキ・バイ・ワイヤなど、将来のポルシェ製EVに直結する技術を自社開発
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フォーミュラEの枠を超えた「技術革命」の幕開け
ポルシェが開発を進めるフォーミュラEマシン「GEN4」がついに開発の大詰めを迎えることに。
なお、ポルシェはル・マン24時間レース含むWECから撤退し、資源をIMSAとフォーミュラEへと集中させていますが、そうまでしてこのEVレースに挑むのはポルシェ・モータースポーツの副社長トーマス・ローデンバッハ氏が語るように「市販スポーツカーに関連する技術開発こそが、フォーミュラEに参戦する理由」だから。
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つまり、フォーミュラEへの参戦、そしてレースを走るマシンは未来のタイカンやポルシェ製EVの実験場であり走る執権室というわけですね。
2024年11月からスペインのモンテブランコやアルメリアで開始されたテストではすでに1,472kmの走行を走破。2026年後半のシーズン導入に向け、その開発は最終段階に突入しています。
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816馬力×常時AWDがもたらす「未知の領域」
GEN4のスペックは、これまでのフォーミュラEのイメージを根底から覆すもので・・・。
GEN4 主要スペック・特徴
| 項目 | スペック・内容 |
| 最高出力 | 600 kW (816 PS) |
| 駆動方式 | 常時四輪駆動 (Permanent AWD) |
| パワートレイン効率 | 97% 以上(バッテリーからホイールまで) |
| 新規自社開発コンポーネント | DC/DCコンバーター、ブレーキ・バイ・ワイヤ |
| その他の自社開発部品 | モーター、インバーター、ギアボックス、冷却システム等 |
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現王者、パスカル・ウェーレイン選手はこの新しいマシンの感触について「新エアロダイナミクスによるダウンフォースが凄まじく、高速コーナーが劇的に速い」と絶賛。
また、今季から加入したニコ・ミュラー選手は「加速とブレーキの衝撃は、まるでラリークロス車のようだ」と、その凶暴なまでのパフォーマンスを表現しています。
開発の舞台裏:シミュレーターと実走の融合
ポルシェは、現行の「GEN3 Evo」で世界選手権を戦いつつ、並行して「GEN4」の開発を行うという、極めてアジャイル(機敏)な手法をとっており・・・。
- デジタルツインの活用: 開発の大部分はシミュレーター上で行われ、コストとリソースを削減しつつ、実走行データを即座にフィードバック
- 軽量化とコスト削減: パワーアップの一方、耐久性の向上と製造コストの低減も厳命されており、これは将来の安価なEVスポーツカー実現への布石にもなる
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結論:レースの進化が「次の愛車」を変える
ポルシェ「GEN4」の登場は、2026年以降のEVスポーツカーの定義を書き換えることになることは間違いなく、レースで磨かれた「97%以上のエネルギー効率」や「超高速ブレーキ制御」は、数年後にはぼくらが公道で操るポルシェにフィードバックされる技術だと考えていいのかも。
WECからの撤退は残念ではありますが、まさに今、ポルシェにとってのモータースポーツが再び「技術の究極の証明の場」としての輝きを取り戻そうとしているのかもしれません。
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関連知識:なぜ「ブレーキ・バイ・ワイヤ」が重要なのか?
今回のGEN4でポルシェが自社開発に踏み切った「ブレーキ・バイ・ワイヤ」。
これはブレーキペダルの踏み込みを電気信号に変えて制御する技術ですが(フェラーリ296GTBやアマルフィにも搭載されている)、これによってモーターによる回生ブレーキと物理ブレーキの切り替えを”人間には感知できないレベルで”滑らかに行うことが可能になります。
これは、EV特有の違和感のない「ポルシェらしいブレーキフィール」を実現するために不可欠な技術だというわけですね。
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