ポルシェ・マカンの中華コピー「SR9」をまんまマカンにするコンバージョンキットが中国で発売に

ポルシェ・マカンのコピー車、Zotye SR8が中国で販売されましたが、そのいくつかのカラーが目撃に。
ポルシェ・マカンに近い色やマカンに設定されていない色などありますが、いずれにせよ内外装ともマカンのコピーであることには変わりはないようです。
なお中国でのマカンの価格は570万円（意外と安い。かなり戦略的といえる）、このSR8の価格は160万円。
このZotyeはほかにもアウディQ3のコピーなども作っていますね。

中華コピーで有名なのはスマート・フォーツーのコピーとレンジローバー・イヴォークのコピーですが（いずれも激似）、スマート・フォーツーのコピーに関してはダイムラーが裁判を起こしたところ「スマート・フォーツーは二人乗り、中華コピーは四人乗りなので著作権侵害ではない」という判断が下され、レンジローバー・イヴォークの場合は「イヴォークは中国に入る前に世界中で広く出回っていたので新規性がなく、中国でのパテントも無効」として中国で登録されていた権利を抹消され、逆に”コピーし放題”というヤブヘビとなっています。

当局によってこういった判断がなされるのであればもう「何を言っても無駄」どころか言えば言うだけバカを見る状況とも言え、海外メーカーは中国のコピーに対しては指をくわえて見ている以外は何もできなさそうですね。

ポルシェが中国の自動車メーカー、ZotyeのT700（マカンのコピー）にはご立腹で、法的措置を取ることを検討中。

ただ、実際のところ効果は何も無いようには思います。
というのも中国は当然中国メーカーを贔屓するわけで、そしてここは一党独裁の強みで「中国メーカーに圧力を掛けるのであれば、ポルシェの中国への輸入についても何らかの障壁を設けざるをえない」という中国政府の判断になると思うのですね。

言いがかりをつけられて「ここが中国の法規にマッチしていない。作り直し」となったり、通関時に以上に待たされたり、ノロノロと検査されたり、その他もろもろ不利益が出てくることが予想されます。

これらは非常に現実的に「起こりうること」で、そのために中国メーカーによるコピーも減らないのだと思いますし、レンジローバー・イヴォークのコピーのように「メーカーはまったく記にした様子を見せない」という事態が起きるのだと思うのですね。

いわば「悪しき前例」ができてしまったためですが、今回のポルシェの対抗措置も無駄だろう、とぼくは考えます。

関連投稿：ポルシェ・マカンの中華コピー、Zotye SR8の発売準備完了。ボディカラーはピンクも用意

中国の自動車メーカー、Zotyeからポルシェ・マカンのコピー車「SR8」が発売間近（一度発売日が延期されている）ですが、ストックヤードの画像からは純正でピンクのボディカラーも確認可能。

価格は88,800元ですがポルシェ・マカンは558,000元となっており、その価格差はおよそ6倍。
エンジンは1.5リッターターボと2リッターターボを採用しトランスミッションは5MTと6速DCTを用意している、とのこと。
中国製のエンジンやトランスミッションというと何となく信用できない印象ですが、これは三菱との合弁会社から供給を受けるとのことで、意外とまともなエンジンやトランスミッションなのかもしれません。
中国で外国企業が自動車を生産しようとすると必ず中国企業と合弁の必要があり、となると技術が中国側に渡ってしまうことになり、今後はいろいろと問題が出てきそうですね。

なおZotye SR8とポルシェ・マカンはサイズも非常に似ており、長さ、幅、高さはSR8/マカンで下記の通り。

長さ：4744/4681
幅：1929/1923
高さ：1647/1624

ポルシェはZotyeを訴えるとしていますが、Zotyeは全くひるまずSR8を発売する模様。
おそらく訴訟になっても「勝てる」と踏んでいるのでしょうね。