VWの頼みの綱、「ID」が中国で全く売れず。現時点で販売計画の1/10程度にとどまり、このままでは大コケする可能性も

｜　VWにとっての最大市場、中国でEVが売れなければ「この先はない」　｜

フォルクスワーゲンは全力でこの状況を改善しようとするはずだ

フォルクスワーゲンが満を持して発売したEVシリーズ「ID」について、中国での販売が思ったよりも進んでいないという報道。

フォルクスワーゲンはID.シリーズ販売のため、現地のパートナーである第一汽車と上海汽車との共同にて生産設備を拡大していますが、デリバリー開始後の月販台数は「やっと」1,000台を超えた程度だと報じられています。

フォルクスワーゲンの中国依存率は40％を超える

なお、フォルクスワーゲンは「中国に最も速く進出した外国の自動車メーカー」ということもあって現地での認識率は非常に高く、そのため圧倒的ともいえるシェアを誇っています。

その結果、フォルクスワーゲンにとっての中国市場は無視できないほどに拡大しており、現在のところ40％を超えると言われるほどにまで成長。

その勢いに乗ってフォルクスワーゲンはIDの拡販を狙ったということになりますが、2月のデリバリー開始以降でもID.4の累積販売台数は5,000台を下回っているといい、5月単月の販売は4月を下回る1,213台へととどまることに。

現在の販売ペースは「心配になるほど」

この販売ペースがどれくらい悪いかというと、フォルクスワーゲンはID.4の中国における販売を年間で5万～6万台、IDシリーズ合計で10万～12万台を売る計画を持っていたといい、そのため現在の工場稼働率はなんと「わずか10％」。

テスラ・モデルYだと販売開始2ヶ月で6,000台を超え、5ヶ月後には3万台を超えたと言われるので、いかにこのVW ID.4の販売がスローであるかがわかりますね。

フォルクスワーゲンはこのまま引き下がることはできない

なお、このID.4はクロスオーバータイプのEVであり、いわば「中国でもっとも売れそうなモデル」。

すでに欧州市場でも発売がなされていますが、欧州ではID.3とともに「非常に販売が好調」と言われるだけに、フォルクスワーゲンとしてはこの結果に首をひねっているかもしれません。

この中国での販売不振について、現時点ではその理由について「謎」ですが、最大の原因は「他のEVに比べてコネクティビティが劣ること」「販売する店舗を限定したこと（EV専門の代理店制へと変更）」が関係しているものと思われ、フォルクスワーゲンではこの事態に対処すべく、販売店を現在の12店舗から100店舗に拡大し、フランチャイズを1000社以上に拡大する、とも。

これによって状況が好転するのかどうかは不明ではあるものの、もし販売が伸びなければ、フォルクスワーゲンの戦略が根本から狂うことになり、値下げを迫られたり、2022年に登場すると言われる「ベイビー・テスラ」にあっさり駆逐されてしまうことにもなりそうですね。

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参照：Reuters