フォルクスワーゲングループジャパンの庄司茂社長が突如退任に。
理由としては「本人から退任したいという意向があった」とのことですが、あまりに急すぎることもあり、色々な憶測を呼んでいるようです。
なお庄司元社長はマツダやスズキの海外法人の社長を歴任し、ヘッドハンティングによって2012年にドイツVW(本社)へ入社。
その後2012/8より日本法人社長を務め、2013/2014年と連続で過去最高の販売実績をつくり上げるなど日本市場におけるVW躍進に貢献した人物。
その後2015年上半期において16年ぶりに輸入車販売の首位を(メルセデス・ベンツに)奪われたわけですが、その矢先の退任なので、首位陥落についてなんらかの責任を取らされたと考えたほうが良さそうです。
2年連続で過去最高の販売を築いたのち、たった半期で首位陥落しただけで引責とはあまりに厳しすぎるという印象ですが、これが外資系なのでしょうね。
とくにドイツ系は異常にシビアで、VWの輸入販売について日本では永らくヤナセが手がけてきたにも関わらず、VWが日本法人を作ってインポート権をほとんど一方的(ヤナセの言い分では)に取り上げるなど、利益最優先の行動が目立ちます。
そのぶん製品づくりに対してもシビアなので「他人にも自分にも厳しい」のだと思いますが、ちょっとぼくはドイツ系企業ではやっていけない、と思ったりします。
ドイツはモノづくりの国なので、そのモノを開発しつくる原資は「利益=お金」であり、その原資を稼ぐことができないのであれば責任を、という考え方なのでしょうね。
そのぶん自社の商品の競争力を常に高めること、常に最高の製品を届けることについては最大限の責任をもって会社を運営していることはわかりますが、今回の退任劇を見る限り、まるで「戦争」のようではあります。
現在、メルセデス・ベンツもなりふり構わぬ手段で販売を伸ばしていますしBMWにおいてもそれは同様ですが、ドイツ企業躍進の影にはかなりの(日本的考え方では)犠牲がありそうですね。
日本企業とはいえユニクロも同様で(社内公用語をいち早く英語にするなど欧米ナイズされている)、ヘッドハンティングで引っ張ってきた社長をたった数ヶ月結果が出ないだけで首を切ったこともありますね。
欧米は「雇われ社長」という市場があるので、どこかの社長を解任されてもまた別のところで拾ってくれる可能性もありますが、日本ではそういったマーケットがないので、わざわざヘッドハンティングされてやってきて、一瞬で解任されてしまうと「次はどうしようもない」状況に陥りそうです。
外資系の経営者は日本に比べて高額な報酬が時折話題になりますが、こう簡単にクビされるのであれば、それなりの報酬をもらっていないと「割に合わない」、とは思います。