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フェラーリ・ローマに怪情報。「ローマはポルトフィーノのクーペ版ではなく、マセラティ・アルフィエーリのフェラーリ版である」。ローマ、アルフィエーリ、ポルトフィーノを並べて比べてみたぞ

2019/11/16

| というか、もともとアルフィエーリが「フェラーリのマセラティ版」だった可能性が高い |

さて、フェラーリは「ローマ」を発表したところですが、この”フェラーリ ローマ”はポルトフィーノのクーペ版ではなく、”マセラティ・アルフィエーリ”のフェラーリ版ではないか、という意見が登場。
フェラーリはランボルギーニやマクラーレン、ポルシェのようにその車体構造や素材について詳細に解説する事が少なく、よってこれまでのクルマについてもどこからどこまではアルミで、どこが高張力鋼で、どこが通常のスチールなのかといったことがわかりにくくなっています。

さらにはフェラーリ間での「どのモデルとどのモデルとが共通のプラットフォームなのか、そうでないのか、一部が共有されているのか」といったことも明白ではなく、ポルトフィーノのプラットフォーム、ローマのプラットフォームについても詳細が公表されていないため、こういったウワサが出てくるのかもしれません。

考えれば考えるほどウワサが本当に思えてきた

アルフィエーリはマセラティが2014年にその計画を発表したピュアスポーツカーで、FRレイアウトを持ち、グラントゥーリズモ、グランカブリオに搭載されていたフェラーリ製V8エンジン、そしてV6やハイブリッド搭載が予定されていたクルマ(フェラーリがエンジンを製造し、それを近所のマセラティ工場に運んで車体を製造)。
しかしながらマセラティの販売失速によってアルフィエーリの販売はたびたび延期され、最新の予定では2020年に登場となっています。

マセラティが今後の「修正計画」発表。2020年にアルフィエーリと新型SUV、2021年には新型グラントゥーリズモ投入と発表

ここでマセラティとフェラーリとの関係について述べる必要がありますが、両者はもともとFCA(フィアット・クライスラー・オートモビルズ)傘下にあり、つまりは同じグループ。
よってマセラティにエンジンを供給したり、アルファロメオ・ジュリア/ステルヴィオに搭載されるエンジンがフェラーリ・カリフォルニアT/ポルトフィーノの「6気筒版(2気筒少なく、しかしボアとストロークは一緒)」だったり、そのほか諸々の共通性があるわけですね。

ただ、フェラーリは後に株式を一般公開(IPO)し、さらにその後にFCAの持ち株を売りに出すことによってFCAとは切り離されています。
これについてはFCAがフェラーリを売りたかったというわけではなく、フェラーリ株を売却することで得られるお金を手にしないと経営を立て直すことができないという事情も。

そうして現在、フェラーリはどこの参加にも属さず「独立系」自動車メーカーとなったわけですが、今でもFCA、フェラーリの株式の株式で大きな比率を占めるのは「フィアット創業者一族」。
つまり実質的な経営者が同じだと言ってもよく、「形式上は別会社であっても、マセラティやアルファロメオ含むFCAとの関係性が強い」のが現在のフェラーリです。※フェラーリの現会長は、フィアット創業者一族のジョン・エルカーン、副社長はその弟のラポ・エルカーン

よってフェラーリとマセラティとの「資産のやりとり」には障壁はなく、マセラティが途中まで進めていたアルフィエーリを引き取って「フェラーリブランド」から発売したのがローマで、その翌年にそのマセラティ版である「マセラティ・アルフィエーリ」が発売されるというのが現在ネット上で囁かれているウワサです。

正直、これについては否定も肯定もできず、しかしフェラーリはここ最近、ハイブリッドモデルの開発などで多額の資金を必要とし、かつこれまでに無いほどのニューモデルを発売しています。
つまり、どこかで経費を削らないと開発資金が不足してくる可能性もあるわけで、となると「マセラティからアルフィエーリのプラットフォームを借りてくるか・・・」と考えてもおかしくはありません。

もちろん(これが事実だとして)ウラで糸を引いているのはフィアット創業者一族ということになりますが、今でも「フェラーリを含めてのFCA」だと考えた経営を行っていて、各ブランドの投資を最小限に抑えつつ利益を最大化する方法を考えた、とも推測できます。

フェラーリ・ローマとマセラティ・アルフィエーリを比較してみよう

そこでフェラーリ・ローマ、マセラティ・アルフィエーリとの外観の比較。
アルフィエーリも2014年の発表時点では「コンセプト」にとどまり、つまり「設計が完了していた」わけではなく、よって外観の類似性だけをもって判断することは危険ではありますが、やはりローマと似ていると言えば似ているのかも。

まずはアルフィエーリ。

フェラーリ・ローマ。

ferrari-roma

そしてフェラーリ・ポルトフィーノ。
画像だけではなんとも判断が難しいですね。

ferrari-portofino-2017-reveal-header-mobile

こちらはサイドから。

2004-maserati-alfieri-concept (1)

ボディサイズだとローマは4,656ミリ、全幅1,974ミリ、全高1,301ミリ、ホイールベースは2,670ミリ、車体重量は1,472kg。

ferrari-roma (2)

ポルトフィーノは4,586ミリ、全幅1,938ミリ、全高1,318ミリ、ホイールベースは2,670ミリ、車体重量は1,664kg。
ここで注目すべきはローマ、ポルトフィーノともにホイールベースが2,670ミリということですね。

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リアから。

2004-maserati-alfieri-concept

やはり似ていると言えばよく似ているようには思えます。

ferrari-roma (1)

ただ、マセラティももともとアルフィエーリを単独で開発しようと考えたとは思えず、実際のところは「マセラティは、フェラーリ・カリフォルニアをベースにしてアルフィエーリを開発しようとし、それをフェラーリと共有して、フェラーリがローマとして先に発売した」というところなのかも。※最初からフェラーリがローマの計画を持っていたわけではなく、アルフィエーリの延期や、フェラーリの計画変更など様々な要素が絡み合ったと思われる

FerrariPortofino09

そう考えるとローマは「ポルトフィーノのクーペ版」と言えるのかもしれませんし、「アルフィエーリのフェラーリ版」とも言えそうですが、いずれにせよ、それはローマの魅力を微塵も損なうものではなく、ローマが美しいデザインを持つという事実になんら影響を及ぼすものではない、と思います。

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