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フェラーリF355の相場が急上昇中らしい!やはり「スタイル、メカニズムともに最後のフェラーリっぽいフェラーリ」だから?

2020/05/20

|  フェラーリF355以降はヘッドライトが固定式に、そして電子制御が進むことに |

オートカー・ジャパンによると、フェラーリF355が人気化し、中古相場が急上昇中。

記事によれば、5~6年前であればF355は500万円台から探すことができたものの、現在は最低でも800万円台まで上昇している、とのこと(加えて、フェラーリの底値はリーマンショック後の2010年あたりでだったことにも言及)。

たしかにフェラーリF355は人気化している

ちょっと前に「現在はまだ価格が上がっていないものの、これから値上がりするであろうフェラーリ」という内容をお届けしましたが、その際に調べたF355のボトムは880万円。

これは360モデナのボトム「698万円」よりも高い価格であり、360モデナよりも年式が古いのになんで高いんだろうな、と思ったわけですね。

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記事によると、フェラーリF355は「誰にでも乗れるフェラーリ」を標榜し、パワーステアリングが導入されたこと、いわゆるロボットクラッチ式セミオートマ「F1マチック」の採用、バランスが良く現在でも十分に通用するスタイリング、信頼性と実用性が高いことを人気の秘密として掲げています。

フェラーリV8モデルの歴史はこうなっている

なお、フェラーリV8ミドシップの歴史は308(1975-1985年)にはじまり、328(1985-1989年)、348(1989-1994年)、そしてF355(1994-1999年)、360モデナ(1999年~2005年)、F430(2004-2009年)、458(2009年~2015年)、488(2015~2019)、F8トリブート(2020~)といった時系列。

リトラクタブルヘッドライトを採用していたのはF355までで、そこからデイタイムランニングランプの義務化に伴い、ヘッドライトが「固定式」に。

これによるデザインの変化はかなり大きく、さらに360モデナは大柄なアメリカ人(とアメリカ市場)を意識したためにルーフが42ミリも高くなってしまい、そのため「キャビンがポッコリ盛り上がった」フォルムを持つに至っています。

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フェラーリF355はこんなクルマ

フェラーリF355のデビューは1994年のジュネーブ・モーターショーで、ボディデザインはピニンファリーナ。

低くシンプルで美しく、上述のような「メカニズム的進歩」に加え、アンダーボディを「フルフラット化」するなどエアロダイナミクスが大きく改善されたことが特徴。

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車体構造はサブフレーム付きスチールモノノック、サスペンションは前後とも等長ダブルウィッシュボーン。
ABS搭載、6速マニュアル・トランスミッション、18インチマグネシウムホイール装着など数々の革新的な装備を誇りますが、やはりF355のトピックはその「エンジン」。

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エンジン形式はV8、排気量は3.5リッターというところはこれまでとほぼ同じではあるものの、チタン製コンロッドを持ち、インジェクション制御技術も向上(ボッシュ・モトロニックM2.7)したことで出力は380馬力、最高速度は295km/hへと一気にジャンプアップしています。

ボディサイズは全長4250ミリ、全幅1900ミリ、全高1170ミリとコンパクトで、車体重量は1350キロ。

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フェラーリ360モデナも魅力的なクルマだが

その後継たるフェラーリ360モデナは1999年のジュネーブ・モーターショーにて発表された「完全新設計」のV8フェラーリ(F355は先代である348の改良版)。

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アルミ製のボディやサスペンションを持ち、エンジンは3.6リッターV8、出力は400馬力、最高速度は295km/h以上で、0-100km/h加速は4.5秒という高いパフォーマンスを誇ります。※フェラーリ製ロードカーとしては初のフルアルミボディ

なお、デザイン面においても大きな進化を遂げていることもトピックで、これまでのフェラーリに採用されていた「リトラクタブル・ヘッドライト」がなくなって固定式ヘッドライトに(そしてライトの角度を確保するためにフロントフェンダーが盛り上がっている)、そして「格子状グリル」が姿を消し、左右に大きく口を開けたダクトを採用しています。

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スロットル・バイ・ワイヤほか数々の電子制御が盛り込まれる反面、その代償としてダイレクトな操縦性が失われたという評価もあるようですが、車体剛性はF355比で40%向上し、シャシーのみだと(車体は10%大きくなったのに)重量は28%も軽量化され、上述の通り400馬力に達するパフォーマンスを持つなど、現代におけるV8フェラーリの礎を築いたクルマという声も多い模様。

こうやって見てみると、「F355人気化」の理由として、リトラクタブルヘッドライトの採用や低いフォルム、伝統的なグリル採用などスタイリング面において、そしてメカニズム的にも「近代化そして量産化される前の、古き良き時代のフェラーリ」の雰囲気を残す最後のクルマ、そしてまだ普通に乗れるクラシックフェラーリだということも大きく関係しているのでは、とも思います。

VIA:Autocar Japan

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