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フェラーリ「ルーチェは2050年でも第一線の性能を維持したままで走り続けることが可能です」。それを可能とする「バッテリー・駆動系交換可能戦略」とは

フェラーリのキー
Life in the FAST LANE.

| EVの弱点を克服するフェラーリの回答 |

フェラーリは「本気で」エレクトリックパワートレインの価値を維持することを考えている

「バッテリーが劣化したら数百万円単位の交換費用がかかるのでは?」「スマートフォンのように、数年も経てば技術が古くなり、価値が暴落するのでは?」

電気自動車(EV)やハイブリッドカー、PHEVを検討する際、誰もが一度は抱くこの不安。

ポルシェ・タイカンをはじめとする高級EVでさえ、急速な下取り価格(リセールバリュー)の下落に悩まされているのが現実です。

しかしフェラーリは初のフル電気自動車「ルーチェ(Luce)」の投入に際し、このEV最大の弱点に対して明確で革新的な回答を提示しているというのが今回のニュースであり、「2050年になってもルーチェがサーキットや公道を走り続けられる仕組み」を車体設計そのものに組み込んでいたことが明らかに。

なぜフェラーリのEVは時代遅れにならず、一生乗り続けられるのか?その秘密と戦略について見てみましょう。

【この記事のサマリー】

  • 「2050年でも走れるEV」がコンセプト:歴代フェラーリの約90%が今も現役で走っている歴史を継承し、初EV「ルーチェ」も永続的な運用を前提に開発。
  • 15個のモジュール式バッテリー採用:122kWhの大容量パック全体を替える必要はなく、モジュールごとの交換や最新セルへのアップグレードが可能。
  • リセールバリュー暴落への強い対抗策:ポルシェ・タイカン等で懸念される「バッテリー劣化・陳腐化による価値低下」を、メーカー主導のハードアップデートで防止。
  • 既存ハイパーカーでの実績と安心感:近頃発表された「LaFerrari」への最新「F80」バッテリー技術のレトロフィット(後付け移植)など、ブランドとしての一貫したアフターサポートを展開。
フェラーリのEV、ルーチェのインテリア〜全景

Image:Ferrari

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2050年でも走り続けるためのフェラーリの独自アプローチ

1. パックごと捨てない「15の分割モジュール構造」

一般的なEVでは、バッテリーセルが急速に劣化したり故障したりした場合、床一面に敷き詰められた巨大なバッテリーパック全体を交換しなければならず、膨大なコストと廃棄物が発生することが知られていますが、ルーチェでは総容量122kWhのバッテリーを15個の独立したモジュールに分割して配置。これにより、以下のメリットが生まれます。

  • ピンポイントな交換・修理:傷んだモジュールだけを個別で交換可能。
  • 将来の最新技術へのアップグレード:エネルギー密度や充電速度が向上した次世代セルが登場した際、車両本体を買い替えずにバッテリーモジュールだけを最新版へ進化させられる。

フェラーリのグローバルマーケティングマネージャーであるピエトロ・ヴィルゴリン氏は、「我々は生産されたフェラーリの90%が今なお現役で走っていることを誇りに思っており、このルーチェについても2050年に現役としてドライブできることを想定して開発しました」と語っており、よってフェラーリはルーチェ設計の当初から「EVに関するテクノロジーが進化すること」「バッテリーが段階的に劣化すること」を想定し、そして将来のクラシックカーとなるべく設計を行ったということになりそうです。

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2. 「LaFerrari」にも実施される最新技術の後付け(レトロフィット)

フェラーリが語る「一生乗れるEV」というのは”口先だけの約束”ではなく、その証拠にフェラーリはハイブリッド・スペチアーレである「LaFerrari(ラ・フェラーリ)」に対し、最新フラッグシップ「F80」のバッテリー技術を移植するレトロフィット(後付けアップグレード)プログラムを用意しています。

パワー密度が高まった最新バッテリーを旧型モデルに組み込むことで加速性能や耐久性をさらに引き上げる——この「時代を超えて車をアップデートする手法」が、ルーチェでも同様に提供されるというわけですね。

レッド(ロッソ)のフェラーリ ラフェラーリ

3. 自社内製(インハウス)への徹底したこだわりと環境配慮

フェラーリはガソリンエンジン時代から自社内に鋳造所(ファウンドリー)を持ち、心臓部を自作することに情熱を注いできましたが、電動化時代においてもそれは変わるものではなく、モータースポーツ(F1)で培った技術をもとにモーターやバッテリーパックの製造ラインを自社内に構築しています。

ボディにはリサイクル率75%のアルミニウム合金を採用し、製造段階から環境負荷を70%削減。車両を丸ごと廃車にせず、バッテリーだけをアップデートして長く乗り続ける循環型アプローチはオーナーの資産を守るだけでなく、地球環境にとっても極めて理にかなった選択と言えるのかもしれません。

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車種概要・スペック・市場における位置付け

フェラーリ ルーチェ(Luce)主要スペック

項目詳細仕様
パワートレイン4基の永久磁石同期モーター(各輪独立制御 / AWD)
最高出力1,035 hp(1,050 PS) (フロント: 282hp / リア: 831hp)
最大トルクモーター合計 990 Nm(ホイール計測トルクは最大7,750 Nm)
0-100 km/h 加速2.5 秒
最高速度310 km/h (193 mph)
バッテリー容量122 kWh(800Vアーキテクチャ)
航続距離(WLTP)約530 km
急速充電(DC)最大 350 kW(10% → 80% 充電:約23分)
車両重量2,260 kg
乗車定員5名(4ドア / リフトバック構造)
デザインディレクションJony Ive(ジョニー・アイブ)& Marc Newson(マーク・ニューソン) / LoveFrom

競合比較と市場における立ち位置

ポルシェ・タイカン ターボSやルシード・エアといった超性能電動セダンは素晴らしい動的性能を持ちながらも「大量生産」によるプロダクション体制と急速な技術進化によって、中古車市場での価格下落が激しい傾向にあります。

それに対し、フェラーリ・ルーチェは「完全内製モーター」「F1譲りのインバーター制御」「メーカー公式の永久アップグレード体制」を整えることで従来のスーパーカー同様に「時間が経っても価値が落ちにくい、あるいは価値が上がるコレクションアイテム」としての地位を確立しようとしており、ここは「新しい」取り組みということに。

ただしこれは「非常に理解されにくい」チャレンジでもあり、よってこれが奏功するまでにはかなりの長い時間が予想され、しかしフェラーリはこの分野に先鞭をつけることによって、「十数年後には」ハイパフォーマンスEVといった分野においてアドバンテージを構築できる可能性も。

スクーデリア・フェラーリのエンブレム
Life in the FAST LANE.

なお、多くの自動車メーカーは「エレクトリックコンポーネント」「エレクトリックモーター」をサプライヤーからの供給に任せていて、しかしフェラーリはこれらを自社にて開発・製造しています。

もちろんこれによってコストが大きく増大するものの、自社で開発・製造することによって「レトロフィット」が容易になり、これも「あとで効いてくる」戦略なのかもしれませんね(サプライヤーからの供給にそれらを依存した場合、レトロフィットのための「再設計」コストが膨大なものとなる)。

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結論:EV時代においても「フェラーリは永遠」である

機械式のV12やV8エンジンであれば、数十年後でもパーツを削り出して修復することができますが、電子制御とバッテリーで動くEVでそれを実現するのは極めて困難だと考えられてきたのが「これまでの常識」。

しかしフェラーリはルーチェを通じて「モジュール化」と「継続的なハードウェア・レトロフィット」という解を提示しており、クルマそのものを使い捨てにするのではなく、最先端のテクノロジーをクルマに注ぎ続けながらオーナーと共に時を重ねていく。ルーチェは単なる「フェラーリ初のEV」にとどまらず、自動車業界全体のEVに対する向き合い方を一変させる、歴史的な一歩となる可能性を秘めているのだとも捉えることが可能です。

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参照:CARBUZZ

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