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ちょっと前は不人気、いまや高評価!フェラーリ512BB「ケーニッヒスペシャル」が中古市場に。今や「自動車史に残る資産」としてひとつの時代を象徴する

2023/02/28

ちょっと前は不人気、いまや高評価!フェラーリ512BB「ケーニッヒスペシャル」が中古市場に。今や「自動車史に残る資産」としてひとつの時代を象徴する

| ボディワークは大きく改良され、「超ワイド」「ディープリム」がいかにも1980-1990年代風 |

画像を見る限りではそのコンディションも悪くない

さて、フェラーリやポルシェなどハイパフォーマンスカーのチューン/カスタムで知られるケーニッヒ。

レーシングドライバーであったウィリー・ケーニッヒによって1997年に設立されたチューニングブランドで、その動機は「自分が購入したフェラーリ365GGT4BBの性能に満足できず、であれば自身の納得できる”本物の”スポーツカーを作ろう」と考えたから。

正式なブランド名は「ケーニッヒ・スペシャルズ(KOENIG SPECIALS)」で、すでに絶滅したかのように捉えられていますが、実は現在も活動を続けており、フェラーリだと458イタリア、ランボルギーニだとアヴェンタドールにまで対応しています。

フェラーリ512BB”ケーニッヒスペシャル”はこんなクルマ

そこで今回ebay(UK)にて販売されているのがこのフェラーリ512BBケーニッヒスペシャル。

フェラーリ512BBは1976年にパリ・モーターショーにて発表されたV12ミドシップモデルであり、先代である365GT4/BBのデザインを受け継ぎつつ、いっそうの空力性能や冷却性能の向上が見られます。

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後期型として燃料噴射(インジェクション)を持つ512BBiが登場していますが、シリーズ通じて1981年まで製造が行われ、合計で929台が製造され、しかしそのうち(今回売りに出されている)右ハンドルは101台のみ。

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それまでの命名法則であった「1気筒あたり」の数字を車名に用いるのではなく(その場合は数値が低くなるのでフェラーリはこれを嫌った)、5リッターV12というところから「512」と命名され、「BB」とはボクサーエンジン搭載のベルリネッタ(クーペ)を表すもの。

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なお、搭載されるエンジンは正確には「180度V12」ではありますが、フェラーリでは「ボクサーエンジン」と表記する事が多いようです(フラット12気筒という表記も見られる)。

今回販売される512BB ケーニッヒスペシャルにつき、おそらくはこのエンジンにも手が入っていると思われるものの、販売者からの情報ではスペックについて言及はなく、参考までにノーマルの数値を記載しておくと、排気量は4943cc 、圧縮比は9.2:1、最高出力は360馬力、潤滑システムはドライサンプ(組み合わわせられるトランスミッションは5速マニュアル)。

公称値だと最高速は302km/h、ゼロヨン(クォーターマイル)加速は13.7秒だという数値が発表されています(0-100km/hの数字はアナウンスされていない)。

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1980年代に「ケーニッヒスペシャル」へ

このフェラーリ512BBケーニッヒスペシャルのオーナーは、購入と同時にこの車両をエンブレム・スポーツ・カーズに送ってケーニッヒ・スペシャル・モデルに改造したそうですが、その際にボディカラーはシルバーからブラックへと再ペイントされています。

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ノーマルだと全長4,400ミリ、全幅1,830ミリ、全高1,120ミリというボディサイズを持ち、画像を見るにフェンダーはワイドに、ホイールはディープに変更され、特にリアフード(クラムシェル)形状が大幅にリデザインされることに。※それでもちゃんとリアアクスル前のNACAダクトが再現されている

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一体何台のフェラーリ512BBがケーニッヒスペシャルに改造されたのかは不明ではありますが、出品者によると「数少ない」とされ、実際のところかなり希少なクルマだと思われます。

少し前までは、こういった「チューナーもの」は下品な改造車として軽んじられる傾向があったものの、最近ではその希少性、そして一つの時代を表す象徴として「重要な遺産」として捉えられることが多くなり、驚くような高値を(オークションで)つけることも。

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今回のフェラーリ512BBケーニッヒスペシャルは169,991ポンド(現在の為替レートで約2800万円)にて販売されており、しかし長い目で見るとお買い得なのかもしれません。

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参照:ebay

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