>フェラーリ

ラフェラーリ「第三期の最終プロトタイプ」が競売に。市販モデルとはほぼ同じ、しかしステアリングには開発コード「F150」の文字も

ラフェラーリ「第三期の最終プロトタイプ」が競売に。市販モデルとはほぼ同じ、しかしステアリングには開発コード「F150」の文字も

| プロトタイプは「フェラーリの歴史の一部」でもあり、その価値は非常に高い |

このラフェラーリのプロトタイプは市販モデルとほぼ同様の機能を備える

希少なラ・フェラーリのプロトタイプがモントレー・カー・ウィーク開催中にメカム・オークション主催の競売へとかけられ、最高で325万ドル(現在の為替レートにて、約4億7270万円)にて落札されるのではというエスティメイトが出されています。

ラ・フェラーリは「ハイパーカー御三家」と称される新世代ハイブリッドスポーツの一角を占めるクルマであり、わずか500台のみが生産されています。

しかしその一方、数多くのプロトタイプが製造されたことも明らかになっており、これまでにもそのうちのいくつかがオークションへと登場し、いずれも劣らぬ高値をつけていることもよく知られていますね。

Ferrari-Laferrari (2)

「フェラーリの名が2回も入っているのはいいことです」。フェラーリが公式にフェラーリ・ラフェラーリについて語る。「500台目のラフェラーリ」の落札額も明らかに
「フェラーリの名が2回も入っているのはいいことです」。フェラーリが公式にフェラーリ・ラフェラーリについて語る。「500台目のラフェラーリ」の落札額も明らかに

| 今まで「500台目の」ラフェラーリの落札額、収益金の用途についてはフェラーリから公式に語られたことはなかったと記憶している | ラフェラーリにはのちのフェラーリにつながる「初めての装備」が多々盛り ...

続きを見る

このフェラーリ・ラフェラーリのプロトタイプは「第三期」

メカム・オークションによると、このラフェラーリのプロトタイプは第三期に相当し、「最終プロトタイプ」であるために市販モデルと変わるところがない、とのこと。

一方で所有歴については「非公開」となっており、このプロトタイプがこれまでにどういった経歴をたどってきたのかはナゾのまま(おそらくは昨年7月にオークションにかけられた個体と同一だと思われる)。

Ferrari-Laferrari (10)

なお、フェラーリは(開発が終了したクルマの)プロトタイプを顧客向けに販売することがあり、この販売は開発担当者と本社セールススタッフによって直接行われ、その際には開発秘話などを直接聞くことができるとされています。

Ferrari-Laferrari (9)

このプロトタイプ販売プログラムは2002年に開始されており、プロトタイプを購入する権利が与えられるのは「すでにフェラーリを収集しているコレクター」「これからフェラーリを買い集めようと考えるコレクター」「特別なフェラーリを欲しいと考えるコレクター」だといい、つまりフェラーリにとっての重要顧客でないとまず購入は不可能。

そしてこういったハードルの高さがプロトタイプの価値を押し上げているわけですね。

Ferrari-Laferrari (8)

フェラーリは「スペシャル・セールス・プログラム」にて顧客向けにプロトタイプを販売していた!販売に際しては工場と開発スタッフが直接行うもよう
フェラーリは「スペシャル・セールス・プログラム」にて顧客向けにプロトタイプを販売していた!販売に際しては工場と開発スタッフが直接行うもよう

| 販売スタッフからは開発秘話を聞くことができ、またとないエクスペリエンスとなるようだ | もちろん「一般向けに販売」といえど、限られた顧客しか購入する権利が与えられないのは言うまでもない さて、先日 ...

続きを見る

フェラーリにとってのプロトタイプは「3種類」

フェラーリはプロトタイプを大きく3つに分類しているといい、1つ目は「未来の市販車に採用されるエンジン、サスペンション、エアロダイナミクスに関連する新しい技術をテストする車両」であり、これは「ミューレット(小さなラバ)」と呼ばれます。

Ferrari-Laferrari (7)

そして2つ目は「ムロティーポ」と呼ばれるもので、これは新しいコンポーネントを使用・搭載した新型車ではあるものの、まだまだボディは調整産階にあるといい、しかしその外観は最終の仕様に近いものを持っているのだそう。

Ferrari-Laferrari (4)

3つ目は開発最終段階にある「プロトティーポ(プロトタイプ)」であり、これはメカニズム、インテリア、エクステリアふくめ「市販モデル同様のクオリティ」に達しているクルマ。

Ferrari-Laferrari (5)

そして今回オークションに登場するのはこの最終プロトタイプということになりますが、これまでほかの競売に登場したラフェラーリのプロトタイプには備わらないアクティブエアロが組み込まれているのも一つの特徴です。

Ferrari-Laferrari (16)

ボディカラーはロッソコルサ、フロントバンパーやリアフェンダー、リアクラムシェルなどはマットブラック仕上げとなっており、サイドとフロントにはカッティングシートにてラウンドラベル、そしてピレリのグラフィックが施されることに。

Ferrari-Laferrari (17)

フロントには19インチ、リア20インチのセンターロックホイールが装着され、フロントはシルバー、リアはサテンブラックで仕上げられていますが、ホイールセンターキャップには跳ね馬(プランシングホース)エンブレムが無いもよう。

Ferrari-Laferrari (6)

搭載されるエンジンは6.3リッター自然吸気V12とハイブリッド(KERS)システムの組み合わせにて963馬力を発揮し、これも市販モデルと同じですね。

名称未設定-18

インテリアに目を移すと、やはり市販モデルと差異はなく、プロトタイプにありがちな「計測器が組み込まれている」「ダッシュボード内部が露出」ということもなく、言われなければこれがプロトタイプだと判断することは難しいかもしれません。

Ferrari-Laferrari (14)

なお、走行距離は16,388kmとさほど多くはなく、となると耐久テストではなく別のテストに使用された個体なのかもしれません(プロトタイプはいずれも特定の目的をもって製造・テストされる)。

Ferrari-Laferrari (3)

メーターも市販モデル同様。

Ferrari-Laferrari (13)

ステアリングホイールのグリップには酷使されたであろう痕跡が見られ、相当に激しくプッシュされたのかもしれません。

なお、ステアリングホイール下部には「F150」という文字があり、これはラフェラーリの開発コードを示しています。

Ferrari-Laferrari (11)

ラフェラーリは「記念すべきフェラーリ初のハイブリッドカー」「F1同様のKERS搭載」ということでその輝きを永遠に失うことはないものと思われ、プロトタイプはその開発を助けたという意味において歴史的に重要な意味を持っており、いっそう高い価値を発揮することになりそうですね。

Ferrari-Laferrari (12)

あわせて読みたい、関連投稿

ラフェラーリの開発プロトタイプ3台が一気に競売に登場!それぞれ開発プロセスの第一段階〜第三段階に使用され、「フェラーリと歴史を共有する」にはまたとないアイテム
ラフェラーリの開発プロトタイプ3台が一気に競売に登場!それぞれ開発プロセスの第一段階〜第三段階に使用され、「フェラーリと歴史を共有する」にはまたとないアイテム

| 公道を走らせることはおそらくできないが、それでも市販車よりはコレクターにとって「価値のある」クルマなのは間違いない | 現段階ではどういった経緯にて販売されることになったのか謎のまま さて、8月に ...

続きを見る

スゴいの出た!ラ・フェラーリの開発用プロトタイプ「フェーズI」!この機会を逃せば二度と手に入れることができないであろうレアすぎる車両が競売に
スゴいの出た!ラ・フェラーリの開発用プロトタイプ「フェーズI」!この機会を逃せば二度と手に入れることができないであろうレアすぎる車両が競売に

| まさかこういったプロトタイプを入手していたフェラーリコレクターが存在したとは | ラ・フェラーリのオーナーであればこれを見逃すことはできないだろう さて、RMサザビーズにてそうとうな「珍品」が出品 ...

続きを見る

幻のフェラーリ365GTB/4デイトナ「プロトタイプ」1号車が競売に!フェラーリ博物館にも展示されるなど歴史的にも重要な意味を持ち、注目度は今年最大か
幻のフェラーリ365GTB/4デイトナ「プロトタイプ」1号車が競売に!フェラーリ博物館にも展示されるなど歴史的にも重要な意味を持ち、注目度は今年最大か

| 現在は「製造当初」の姿にレストアされ、フェラーリもお墨付きを与える | 変わりつつあったフェラーリを視覚的に示す一台が競売に さて、はじめてRMサザビーズが主催するオークションに登場するという、希 ...

続きを見る

参照:MECUM AUCTIONS

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->フェラーリ
-, , , ,