| 事故後には本来とは異なる姿に改修されるも、直近のレストアにてオリジナルの姿にもどされる |
アルファロメオのクラシックカーはときに驚愕のプライスで落札されることも
さて、33ストラダーレを発表し、ドライバーズカーブランドへの復活の狼煙をあげたアルファロメオ。
過去には象徴的なレーシングカーがいくつか作られており、いったんそれらがオークションに出品されると驚くような高値で落札されることもしばしばです。
そして今回競売に登場している「1953年式アルファロメオ1900Cスーペルジョイエッロ」もそういったクルマの一台であり、現在まだ2万ユーロにしか達していないものの、落札時には「目をみはるような金額」になるのでは、と見られています。
アルファロメオ1900Cスーペルジョイエッロは3台しか存在しない
このアルファロメオ1900Cスーペルジョイエッロは6台のみが製造されたカロッツェリア・ギアによる架装を持っており、現存する3台のうちの1台だと紹介されています。
まず、このクルマは1953年に完成したのちスペインのオーナーへと届けられ、その後すぐにラリーカーとして活躍することに。
当初はグメルシンド・ガルシア・フェルナンデスのドライブによって1955年のラリー・モンテカルロに出場し、その後1958年には新しいオーナーへと名義が変更されています。
なお、残念なことに60年代初頭に衝突事故に巻き込まれ、これが直接の引き金となってモータースポーツの表舞台から姿を消すことになりますが、その後には「新しいデザインを持つフロント」へと修復されることに。
その理由というのが「カロッツェリア・ギアによって架装されたフロントセクションの形状が複雑すぎて再現できなかったから」というものです。
ただし現在はカロッツェリア・ギアが新車時に架装したものと同じフロントへと復元されているそうですが、たしかにその構造は「あまりに入り組んでいて」ボディショップが別の形にしたくなるのも無理はなさそうですね。
近年になって「もともとの」カロッツェリア・ギア風のフロントにレストアされる
その後約30年間、このアルファロメオ1900C スーペルジョイエッロは脚光を浴びることから遠ざかっていそうですが、その間このクルマを所有していたのは自動車歴史家のパブロ・ジェミーノ。
ただしその後にはポルトガルのコレクターがこのアルファロメオ1900C スーペルジョイエッロを入手し、(カロッツェリア・トゥーリング風だった)フロントから元来の仕様へとレストアすることに。
そしてレストア後には再び表舞台へと姿をあらわし、2016年のエッセンモーターショーで「ベスト・イン・ショー」を含むいくつかの賞を受賞したとも紹介されていますが、さらにその後イタリアのコグノラートによって大規模なレストアが行われ、そこからの走行距離はわずか77km。
ボディカラーは美しい輝きを放つラメ・メタリザート、そしてワイヤースポークホイールはじめメッキパーツも味わい深いクロームへと復元されています。
ボディサイドには「400」のレーシングナンバーがペイントされ、このクルマの生い立ちを物語るかのようでもありますね。
なお、搭載されるエンジンは”控えめ”な1.9リッター4気筒ツインカム、しかし出力は当時としては立派な「98馬力」。
トランスミッションは4速マニュアル、ただし「コラムシフト」という変わり種です(さすがのぼくもコラムシフトMTは1回しか運転したことがない)。
ちなみにこのアルファロメオ1900Cは2ドアのほか4ドア(ベルリーナ)も作られており、4ドアモデルの当時のキャッチコピーは「レースに勝てるファミリーカー」。
フロントサスペンションは独立懸架、ライブリアアクスルという組み合わせ、そして(当事は標準的であった)ドラムブレーキを持ち高い戦闘力を発揮したと言われています。
アルファロメオ1900C スーペルジョイエッロのインテリアもまたエクステリア同様に美しく、ライトブラウンとワインレッドのレザーに加えカーペットもライトブラウン。
ラジオのノブもブラウンというちょっとオシャレな仕様です。
シートにはパイピングが施され・・・。
ステアリングホイールは美しいアルミ製ポリッシュにウッド製グリップ。
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