デ・トマソ・パンテーラがオークションに登場。
デ・トマソ・パンテーラというとスーパーカーブームの際にその一角をなした車ではありますが、その後はあまり人気が出ず、新型車もなくそのまま衰退。
「デ・トマソ」自体はあちこちに商標権が売買されているようで、復活の話も持ち上がるものの現実性はないようです。
今回のデ・トマソ・パンテーラは1972年製(パンテーラ自体は1971~1991年まで生産された)で走行距離は48,272キロ、3オーナー。
キャブレターはクリーニング済み、燃料タンクも清掃を終えている、とのこと。
ホイールは形状こそオリジナルのカンパニョーロ製と同じですが、素材はマグネシウムではなく、アルミによるレプリカだそうです。
エンジンはフォード製のV8/5.8リッターOHV(ミドシップマウント)。
OHVなのでエンジンの高さ自体は低いものの、ウエットサンプを採用したためにエンジンの搭載位置が高くなり、そのために挙動が安定しなかったと言われます。
ただし、そうとうに「車体中央」に押し込もうとした努力は見ることができますね。
そしてエンジン上のカバーがそのままリアトランクになる構造。
トランク内はかなり熱くなりそうです(ただしトランクはデカくて使い勝手は良さそう)。
室内はいかにもイタリアン、という感じ。
スパルタンではありますがセクシーでもありますね。
スピードメーター、タコメーターの巨大さがいい感じ。
デ・トマソ・パンテーラは車体がイタリアのデ・トマソ、エンジンとトランスミッションはフォードという、なかなかにユニークな構成。
フロントとリアが切り上がっており、サイドを内側に巻き込んだデザインは車体自体を軽快に見せ、いかにも機敏に動きそうな印象がありますね(日本で最初に時速300キロを超えたのはデ・トマソ・パンテーラとのこと)。
さて、ダイワハウスのCM「太陽を集めた男」にて華麗にランボルギーニ・カウンタックを乗りこなしていた松坂桃李さんですが、続くCM第二弾ではなんと黄色いデ・トマソ・パンテーラに乗っています。
ガレージの保管している姿や展示している状態を見ることすら珍しい車ですが、まさかの走行を見られるとは、という感じですね。
オリジナルのデ・トマソ・パンテーラにインスパイアされて作ったカスタムカー、「Ringbrothers ADRNLN De Tomaso Pantera」が3400万円で販売中。
外観はデ・トマソ・パンテーラのイメージをうまく反映させており、内装は左右で色が異なるなどけっこうアバンギャルド(ナイキとコラボした模様)。
メーターやスイッチ類もユニークですね。
エンジンはV8で600馬力、ZF製の5速トランスミッションとの組み合わせ。
もちろん後輪駆動です。
フロントタイヤは275、リアタイヤはなんと345幅の19インチ。
排気系やエンジンルームにはポリッシュやビレットのパーツが使用されており、いかにもアメリカ的でホットロッドのような印象すら受け、けっこう魅力的だと思います。
デ・トマソについては商標権が色々と問題があるようですが、ブガッティのように復活を遂げて欲しいブランドではあります。