| ただ、ウラカンSTOはウラカン・ペルフォルマンテとは異なり、ニュルブルクリンクに向いているとは考えられない |
ウラカンSTOは「レギュレーションに沿って作られたレーシングカー」に近く、その枠に捉われない市販車とは異なる性格を持っている
ランボルギーニはニュルブルクリンクのラップタイムを重要視している自動車メーカーのひとつであり、これまでにもアヴェンタドールSV、ウラカン・ペルフォルマンテ、アヴェンタドールSVJにてニュルブルクリンク”最速”を記録したことも。
そして多くの場合、そのニューモデルの発表前に記録が達成され、その華々しい成果とともに新車がデビューすることになります。
-
【動画】ランボルギーニ・ウラカンSTO発表会へ行ってきた!このクルマがナンバーを付けて公道を走れるとは・・・!
| ランボルギーニ・ウラカンSTOはどう見てもレーシングカーにしか見えない | さて、ランボルギーニはつい先日、超絶スパルタンな「ウラカンSTO」を発表していますが、大阪でもそのお披露目が行われること ...
続きを見る
ただしウラカンSTOでは記録は未達成
ランボルギーニは半年前にウラカンのトップレンジ、ウラカンSTOを発表したばかりですが、これは「モータースポーツにインスパイアされ、その実績に裏打ちされた」という、これまでにないほどのスパルタンなモデル。
-
ランボルギーニ ウラカンSTO正式発表!文字通り公道を走行できるレーシングカー、ボディパネルの75%がカーボン製。お値段は4125万円
| 思ったよりもずいぶん過激な仕様で発表 | ランボルギーニがついに「ウラカンSTO」を公開。STOとは「スーパートロフェオ・オモロガータ」の略であり、「スーパートロフェオ」とはランボルギーニのモータ ...
続きを見る
にもかかわらず、ランボルギーニはウラカンSTOについてニュルブルクリンクのラップタイムについて公表しておらず、これは最近のランボルギーニにしてはいささか奇妙な傾向です。
おそらくは「コロナウイルスの影響にて」状況が整わずにチャレンジが延期されているのかもしれません。
ついにランボルギーニが始動?
ただ、そういった沈黙も終わりを告げたようで、今回ブラックとイエローにペイントされたウラカンSTOがニュルブルクリンクに登場し、一通り走行する様子がユーチューバーによって撮影されることに。
ただし動画を見る限りでは「全力で」といった印象はなく、あくまでも本格的な挑戦前の前哨戦といった可能性もありそうです。
ウラカンSTOはウラカン・ペルフォルマンテと決定的に違う
なお、ウラカンSTOはウラカンEVOシリーズのハードコアモデルという位置づけで、ポジション的には「ウラカンに対するウラカン・ペルフォルマンテ」と同じだと言えます。
ただし大きく異るところは2点あり、まずは駆動方式。
ウラカン・ペルフォルマンテは4WDを採用していたものの、ウラカンSTOの駆動輪は後輪のみ。
これはウラカンSTOが「レギュレーション上、後輪駆動を採用するレーシングカー、ウラカンGT3/GTEとの関連性を強めているため」ですが、2WDにて4WDを凌駕するだけの運動性能を実現できるのかは不明です。
そしてもう一点の相違は「アクティブエアロの有無」。
ウラカン・ペルフォルマンテはアクティブエアロ(ALA)を採用することでコーナリング時にはダウンフォースを強め、加速時にはダウンフォース(抵抗)を弱めることでタイムを稼いでいて、しかしウラカンSTOのエアロパーツは固定式(調整は可能)であり、コーナリングに焦点をあわせると加速時にはダウンフォースが重荷となり、直線にフォーカスすればコーナリング時の安定性を欠くことに。
もちろんウラカンSTOのエアロパッケージが洗練されていることは間違いありませんが、出力そのものはウラカン・ペルフォルマンテと変わらず640馬力にとどまることを考えても、ニュルブルクリンクにおいて「最速」を記録することは難しいのかもしれません(ウラカンSTOはもともとニュルブルクリンクにて”最速”を追求することが目的ではなく、レーシングカーとの関連性がコンセプトなのだと考えられる)。