| やはりポルシェはどうやっても打ち負かすことが難しい |
さすがル・マンでもっとも多くの勝利をあげたメーカーの作るクルマは一味違う
さて、ダニエル・アプトが「ポルシェ911GT2 RSとランボルギーニ・ウラカンSTO」との加速対決を収めた動画を公開。
この両者は非常に高いパフォーマンスを持つことで知られ、ポルシェ911GT2RSはメルセデスAMG GTブラックシリーズに敗れるまではニュルブルクリンク最速タイムを保持していた一台。
対するランボルギーニ・ウラカンSTOはデイトナ24時間レース等に参戦するウラカンのレーシングバージョンや、ワンメイクレースに使用するスーパートロフェオ車両からフィードバックを得た、レーシングカーの「公道走行版」という位置づけです。
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似ているようで異なる二台だが
それぞれのスペックを簡単に見てみると、ポルシェ911GT2RSはリアに積まれる3.8リッター水平対向エンジンをターボにて加給して700馬力を発生し、トランスミッションは7速デュアルクラッチ、駆動輪は後輪のみ、車体重量は1470kg。
ランボルギーニ・ウラカンSTOは車体ミッドに5.2リッター自然吸気V10エンジンを積んで7速デュアルクラッチを介して後輪のみを駆動し、車体重量は1339kg。
こうやって見ると、トランスミッションと駆動方式は同じではあるものの、エンジン型式や搭載位置、車体重量などけっこうな違いがあるようですね。
実際に走ってみたらこうなった
そこで両者がドラッグレースを走ってみた様子。
まずスタートを制したのはポルシェ911GT2RSで、これはやはりリアエンジンという「トラクションに優れるレイアウト」を持っているためだと思われます。
ただ、もしウラカンSTOではなく、4WDのウラカンEVOもしくはウラカン・ペルフォルマンテであれば、それらのほうが出だしでは勝っていたかもしれませんね。
そのままポルシェ911GT2RSはターボパワーにモノを言わせてリードを広げ・・・。
圧倒的な加速を見せます。
結果としてはこんな感じで、ゼロヨン(1/4マイル)だとウラカンSTOは911GT2RSの0.49秒遅れ、0-100キロ加速だと0.37秒遅れといった数字です(2本ドラッグレースを走っているが、結果は両方ともほぼ同じ)。
ローリングスタート(走行中からの加速)でもやっぱりポルシェ911GT2RSに軍配が上がります。
ランボルギーニに乗っている身で言うものアレなんですが、正直ぼくは「速く走るならマクラーレンとポルシェ以外の選択肢はない」と考えていて、この動画を見る前から911GT2RSの勝利を確信しており、むしろ考えていたのは「ウラカンSTOが大敗しないことを祈る」。
つまりぼくの中でランボルギーニとポルシェはそれくらい差があって、しかしランボルギーニに乗っているのは「カッコいいから」。
なお、ランボルギーニの名誉のために触れておくと、ウラカンSTOはウラカンのラインアップ中では「最速」ではなく、加速性能、最高速ともにウラカンEVOのほうが上。
じゃあなんでウラカンSTOはウラカンのトップレッジなの?ということですが、それは巨大なウイングを見ても分かる通り、加速よりも(強力なダウンフォースを得ることで)サーキットでの走行性能を高めているため。
よって、サーキットで勝負すれば、あるいは911GT2RSに対して勝ち目があるかもしれませんが、それでも相手が「911GT2RSだけに」かなり厳しいかもしれませんね。※これもやはりウラカン・ペルフォルマンテを持ってくればなんとか対抗できるかも
ただ、ここまでの性能になると、(一般人にとって)そのパフォーマンスを最大限に引き出すのはスキル、環境ともに難しく、よってどんな結果になろうとも、仮にこの結果が逆転していようとも、両者の魅力を少しでも削ぐものではないと考えています。
ポルシェ911GT2RS、ランボルギーニ・ウラカンSTOとが加速を競う動画はこちら
参照:Daniel Abt