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ランボルギーニが「アヴェンタドール最後の一台の生産を終えた」と発表。8種以上の派生モデル、10種以上の限定モデルが登場し、当初計画の倍以上を販売した歴史的なクルマに

2022/09/27

ランボルギーニが「アヴェンタドール最後の一台の生産を終えた」と発表。8種以上の派生モデル、10種以上の限定モデルが登場し、当初計画の倍以上を販売した歴史的なクルマに

| ランボルギーニもまさかここまでアヴェンタドールが売れ、そして会社が成長するとは考えていなかったようだ |

アヴェンタドールは今後ハイブリッドを持つ後継モデルへとバトンタッチ、さらなる成功に期待

さて、ランボルギーニが「ついにアヴェンタドールの生産を終了した」と発表し、あわせてスイスの顧客向けに納車される、ライトブルーのボディカラーを持つアヴェンタドールLP780-4ウルティメ・ロードスターの画像を公開。

このライトブルーはランボルギーニのパーソナリゼーションプログラム「アドペルソナム」による特別色だといい、ボディ下部にはホワイトのアクセントが付与され、インテリアカラーもホワイトという「爽やか」仕様を持っているもよう。

そしてこの個体の生産をもって、ランボルギーニの長い歴史における「自然吸気V12エンジンのみを搭載する」スーパースポーツの生産が終了することになり、ここに一つの時代の幕が閉じたということになりますね。

Lamborghini-Aventador (6)

アヴェンタドールは「LP700-4」として2011年にデビュー

ランボルギーニ・アヴェンタドールは2011年のジュネーブ・モーターショーにて「アヴェンタドールLP700-4」としてデビューを飾っており、ランボルギーニ伝統のV12縦置きレイアウトに加え、カーボンファイバー製モノコック、4WD、ISR(シングルクラッチ)トランスミッションといった技術とともに送り出されています。

ランボルギーニのモデルライフは通常で10年なので、各モデルとも「生産が終了した後の10年間も現役トップクラスでいられるよう」、つまり20年間はトップランナーであり続けるための設計がなされているといいますが、実際のところランボルギーニCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏はその発表時に「アヴェンタドールは、デザインとテクノロジーの面で2世代分も進化しており、ユニークで革新的なテクノロジーと圧倒的なパフォーマンスパッケージを持っています」とコメントしていますね。

Lamborghini-Aventador (2)

そしてアヴェンタドールは、存命中に8モデル以上のバリエーション、10種類以上のワンオフモデルや限定モデルをリリースしたほか、2度に渡るニュルブルクリンクでの「世界最速」記録を樹立し、さらには数々の賞を受賞し、様々な芸術プロジェクトの題材となったうえ、数多くの映画(バットマンやトランスフォーマーなど)やゲームに登場することとなり、およそ10年、11,465台の生産を終えるまでには速度を緩めるどころか、むしろ加速しながら駆け抜けたと言ってよいかと思います。

さらにステファン・ヴィンケルマンCEOは、「ランボルギーニ・アヴェンタドールは、発売当初には画期的な存在であり、11年間生産されたランボルギーニのフラッグシップモデルですが、搭載されるV12エンジンは、ミウラからディアブロ、カウンタック、ムルシエラゴに至るまで、ランボルギーニの心臓として、創業以来、ランボルギーニの伝統の一部となっています。アヴェンタドールは、2011年にデビューしたとき、ランボルギーニのデザインとエンジニアリングのコンピテンシーを取り入れたもので、会社と製品の原動力の中心に常にあるランボルギーニの価値観、すなわち、純粋で未来的なデザイン、ベンチマークとなるパフォーマンス、最も感情的でクラストップのスーパースポーツカーを生産するためのイノベーションをもって技術課題に取り組んだクルマです。これらの原則は、ランボルギーニ、ならびにアヴェンタドールの真髄であり、時代を超えた魅力を保証するものです」と述べています。

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アヴェンタドールはムルシエラゴの「倍」以上の生産台数を記録

ランボルギーニは、これまでのV12モデルの合計よりも多くのアヴェンタドールを販売しており、5年目にはムルシエラゴの総生産台数と同じ5,000台を納め、2020年9月には1万台目のアヴェンタドールを納車していますが、当初ランボルギーニはアヴェンタドールの生産台数を「5,000台も売れればいいほうだろう」と見積もっていたといい、よって5,000台を販売した際には「そろそろ生産終了か」という話すら出たものの、結果的には予定通り10年(+1年)のモデルライフを全うし、シリーズあわせて11,465台が生産されることに。

アヴェンタドールに採用された数々の技術革新は、ランボルギーニの最高技術責任者マウリツィオ・レッジャーニ氏が率いるランボルギーニの研究開発部門、そしてデザイン部門であるチェントロ・スティーレとの緊密な連携によるもので、「クリーンシート(つまりゼロから)」アプローチによって達成されたもの。

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(当時)この種の市販車としては初めて、ランボルギーニが特許を取得したRTM-Lambプロセスを用いたことも特徴の一つで、重量わずか147.5kgの軽量カーボンファイバー製シングルピースモノコックを完全に自社生産し、これによって最大限のねじれ剛性と乗員の安全性を実現しています(のちにエッセンツァSCV12にも改良版が採用され、”ロールケージなしでもFIAの基準を満たすレーシングカー”としても認定されている)。

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ランボルギーニはカーボンファイバー関連技術へと大きな投資を行っていて、名古屋工業大学、ボーイング、キャラウェイ等との提携によって研究を進めていますが、アヴェンタドールの誕生と同時に「フライングドクター」チームを設立しており、カーボンファイバー製モノコックの専門的な診断と修理でディーラーをサポートするために世界中を飛び回り、すでに生産した車両からも情報を得るといった活動も行っています。

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ランボルギーニ・アヴェンタドールには数々の先進技術が採用される

アヴェンタドールには数々の先進技術が投入され、新開発となる6.5リッター12気筒エンジンは最高出力700ps/8,250rpmを発生し、これによって0-100km/h加速2.9秒、最高速度350km/hという驚異的な性能を実現。

これに連結されるトランスミッションは(デュアルクラッチではなく)ロボット型ISR(Independent Shifting Rod)シングルシフト・トランスミッションで、軽量コンパクトという特徴を持ち、”エモーショナルなシフトを実現するため”に選ばれたといい、わずか50ミリ秒でのギアチェンジが可能です。

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サスペンションにはF1マシンにヒントを得たプッシュロッドサスペンションシステムが実装され、セントラルECUによって電子システムが統合制御されるとともに、ドライブモードごと(STRADA、SPORT、CORSA)にエンジン、トランスミッション、ディファレンシャル、スタビリティ、ステアリングなどのセットアップが変更できるようになったこともトピックのひとつ。

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アヴェンタドールのデザインは、チェントロ・スティーレを率いていたフィリッポ・ペリーニ(後にイタルデザイン、そこからヒョンデに移っている)が主導し、航空力学にインスパイアされたダイナミックで彫刻的なスーパースポーツカーを完成させていますが、張りのあるライン、複雑な表面、角度と表面の並置、さらにV12ランボルギーニにしか与えられることが許されないシザースドアを含め、時代を超えた自動車デザインを生み出しています(デザインモチーフはカメムシであるとアナウンスされている)。

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ランボルギーニ・アヴェンタドールにはこんなバリエーションも

アヴェンタドールには数々のバリエーションが存在し、「アヴェンタドール LP 700-4 ピレリ・エディション」「アヴェンタドール LP 700-4 ミウラ・オマージュ」、そして日本を象徴する「水」「地」「風」「空」「火」という5つの要素を反映させた「Lamborghini Aventador S Roadster 50th Anniversary Japan」といったモデルも。

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そのほか台湾や韓国向けとしても地域限定モデルが投入されています。

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最近だとヘキサゴンをテーマにした「アヴェンタドールSVJ Xagoエディション」が記憶に残りますね。

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これらのほかにも「アヴェンタドールJ(イオタ)」、イタリア・ボローニャ空港内で使用されるフォローミーカー、そしてアヴェンタドール LP 750-4 スーパーヴェローチェ(SV)、アヴェンタドールSVJといったハードコアモデル、加えてエッセンツァSCV12、ヴェネーノ/7ヴェネーノ・ロードスター、チェンテナリオ/チェンテナリオ・ロードスター、シアンFKP37/シアン・ロードスター、カウンタックLPI800-4といった”派生”モデルも登場しており、ランボルギーニ成長の大きな原動力となった記念碑的なスーパーカーとして永遠にその名を残すものと思われます。

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参照:Lamborghini

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