| ランボルギーニの歴史はここから始まった |
ランボルギーニ製のトラクターにもフェルッチョ・ランボルギーニ生誕100周年モデル、「チェンテナリオ・トラクトリ」が登場(ミウラのミニチュアを持ったフェルッチョ・ランボルギーニの彫像が気になる)。
ランボルギーニの創業者、フェルッチョ・ランボルギーニはもともとトラクタービジネスで財を成した人ですが、ランボルギーニは現在でも「自動車(アウトモビリ・ランボルギーニ)」「トラクター」「マリン」三つの事業があります。
現在、トラクターと自動車とは別会社
そのうち自動車について現在VWアウディの所有となり、他二つ(トラクター、マリン)は現在資本としては自動車とは無関係。
ランボルギーニ製のトラクターについては日本でも購入可能で、コーンズさんにて取り扱いがあります。
今回販売されるトラクターは当時の「プロトタイプ」で、これを復刻したものを5台のみ限定販売する、とのこと(確かに武骨かつクラシカル)。
キーには「Miura」のキーホルダーが取り付けられていますが、これは「ご愛嬌」の部分かもしれません。
正式には4月5日から開催されるテクノクラシカにて発表するそうですが、すでに2台は売約済み。
価格は3000万円と報じられていますが、「完全なるコレクターズアイテム」ですね。
シートは前後タンデム、シート前にはイタリアントリコローレ。
エンジンは直6のようで、サイドから6本の排気管が出ています。
現在のトラクターラインアップはこんな感じ
現在ランボルギーニのトラクターは「サーメドイツファールグループ」傘下にあり、ラインアップは下記の通り。
まずはMACH VRT T4i。
フラッグシップモデルで186~236馬力。
デザインはジウジアーロです。
SPARK VRT T4i。
トランスミッション内蔵モデルです。
SPARK RS T4i。
ロボットクラッチ内蔵モデル。
R6 T4i。
けん引等、さまざまな用途に対応。
NITRO T4i / NITRO-R T4i。
ミドルレンジに属するモデル。
なおトラクターいってもバカにできず、ガヤルドとの比較ではこの大きさ。
エンブレムも自動車と同じ「Lamoborghini」文字が装着されます。
モデルにもよりますが価格は3000万円程度、とのこと。
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ランボルギーニがもともと「トラクター会社」であるのは有名な話ですが、その量産トラクター第1号「1R」がレストアされオークションに登場。
ランボルギーニ創業者、フェルッチョ・ランボルギーニはもともと機械いじりが好きで、軍隊に入ったのちも整備要員として活躍し、そこでノウハウを蓄積。
その後復員してからトラクター会社を興すことになりますが、ここでひと財産儲けたのちにスーパーカー事業へと進出しています。
同じイタリアのフィアットのような「量産車」ではなく「スーパーカー」であったのはフェラーリの対抗とも言われますが、息子であるトニーノ・ランボルギーニの著書によると「どうせなら本業であるトラクターや家電製品の宣伝になるような、派手なものとしてスーパーカーを」という思惑があり、そのため「スーパーカー事業」はあくまでフェルッチョ・ランボルギーニにとっては「一つのビジネス」であったようですね。
そのため自社のスーパーカーの広告には美女を使用するなど早くから「スーパーカーと美女」という男性にとって魅力的な組み合わせをもってプロモーションを展開。
一方でフェラーリは「決して広告を行わない」というポリシーの通りランボルギーニのような広告を行わず(広告を行うのはインポーターやディーラーであり、フェラーリ本社ではない)、両者にはこういった決定的な違いも。
※画像は「ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ」トニーノ ランボルギーニ著、大矢アキオ氏訳より
上述のように「スーパーカー事業」も多角経営の一つであり、しかも後発であったランボルギーニの名を売るために商才豊かなフェルッチョ・ランボルギーニが「あの有名な」エンツォ・フェラーリとのやりとりを「でっち上げた」とも言われることもありますが、これは身内の証言でも全く異なる内容のものがあり、今となっては「永遠にわからない」こととなったのは非常に残念(ぼくは一連の流れから”でっち上げ(というか誇張)”説を信じている。フェラーリのエンブレム由来も同様)。
そういった経緯もあり、フェルッチョ・ランボルギーニはいともあっさりとスーパーカー事業を売却したのだと思われますが(エンツォのように思い入れがあったのならば、ぜったいに売却しなかったと思う)、とにかく色々な面で「フェラーリとランボルギーニは異なる」と考えています。
このトラクターですが、これは1966年に発売されたもので、2気筒空冷ディーゼルエンジンを搭載。
出力は32馬力、4段ギアボックスを備える、とのこと。
ランボルギーニはこういったトラクター(これは今も製造している)のほか家電製品(エアコンなど)も製造していた時期がありますが、フェルッチョ・ランボルギーニの息子、トニーノ・ランボルギーニは父の功績を残すために(一時期は父に内緒で)すでに手元になくなってしまったランボルギーニ製品を買い戻しており、それらは「Museo Feruccio Lamboeghini」に所蔵中。
以前にイタリアを訪問した時にはランボルギーニ本社併設のミュージアムしか訪問できず(このMuseo Feruccio Lamboeghiniはランボルギーニ公式ではなく、場所もちょっと離れている)、次はこのミュージアム訪問、そしてミウラやカウンタックの設計者でもある故パオロ・スタンツァーニ(今は娘が引き継ぎ)の経営するホテル「ロカンダ・デル・トロ」への宿泊を検討してみたいと思います。
VIA:CARSCOOPS