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ホンダNSXの特別塗装色は68万円!その価値があるかどうか、ポルシェやランボルギーニの事例も見てみよう

2019/05/03

ポルシェだと1000万円以上の特別塗装色もある

ホンダNSXは特別塗装色として、68万円の”Andaro”なる系統のボディカラーを2色用意していますが、今回ユーチューバーがその塗装工程を見学し、その価格分だけの価値があるかどうかを検証しています。

なお、その特別塗装色は日本だと「ヌーベルブルー・パール」「バレンシアレッド・パール」として用意されているもの(日本では”Andaro”という表現は見られない)」。

なお、2019年モデルのNSXに採用されるのはほかに「サーマルオレンジ・パール」「ベルリナブラック」「ソースシルバー・メタリック」「カジノホワイト・パール」「130Rホワイト」「クルバレッド」。

まずは塗装工程を見てみよう

とりあえずどんなふうに塗られているのか見ないことには始まらない、ということでさっそくNSXの工場へ。

ボディは塗装前に下地処理。
これはオプションカラーではない他のカラーでも同様になされる工程です。

そして今回の特別オプション色のペイント開始。
一部塗料が入りにくい場所なのか、ちょっとだけ前もって塗られている部分がありますね。

ロボットで塗装開始。

その後に人の手によっても細かいところを塗装。

今回塗装するのは「バレンシア・レッドパール」ですが、こんな感じで「ブラック→ホワイト→オレンジ→レッド」と塗装を行います。
上の画像はまだ「オレンジ」の段階ですね。

そしてこれは、今回のオプションペイント「Andaro」と「通常のNSXに採用される塗装工程」、そして「普通のクルマのペイント」を比較した図。

普通のクルマだと「下地処理/下地/ベースカラー/ミッドコート/クリアー」の5層ですが、NSX(標準)だとさらにクリアーをもう一層加えて合計6層。
そして今回の「Andaro」ペイントだと「ミッドコート」のかわりに「ティンテッドクリアー」が塗装され、その上にクリアー二層。

今回「Andaro(バレンシアレッドパール)」の場合、オレンジの上にクリアレッドを塗り、さらにクリアーを二層塗っているということになりますが、クリアレッド以降の「塗膜の厚さ」もスタンダードNSXに比べてかなり分厚いようですね。

なお、クリアーの上にさらにクリアーを重ねる前には「サンディング」つまり研磨が行われ、より表面をなめらかにしてから「超光沢」クリアーが塗られる、とのこと。

ちなみに塗装後にエンブレムを貼り付けるのにはこういったジグを使用(エンブレムがずれないよう)。
こちらのボディカラーはサーマルオレンジ・パールです。

そして完成したバレンシアレッド・パールがこちら。
画面越しにもその透明感がわかるほどの仕上げですね。

この工程だと68万円は高くない?

今回の動画を見るとたしかに相当な手間がかかっていることもわかり、その作業も熟練した職人によってしか行えず、「この価格が要求されるのも納得」。

なお、塗装に関するオプションについて他メーカーの例を述べておくと、ポルシェ911だとメタリックカラーは21万円くらい、スペシャルカラーだと48万円くらいの追加設定。
ランボルギーニ・アヴェンタドールSだとメタリックで28万円くらい、パールで48万円くらい、ラメのような「グリッターカラー」だと52万円くらいの設定です。
マクラーレンの場合はスペシャルペイントで24万円、カスタム(エリート)ペイントで60万円くらい。

なお、ポルシェ911ターボ専用色「サフランイエロー」はその価格約140万円ですが、塗装工程はこんな感じ。

そのほかに高額なペイント系オプションだと、マクラーレンが用意している「カメレオンカラー」は420万円、

ランボルギーニのカスタムペイント(ポルシェ918スパイダーと同じ色)は720万円、

ポルシェのカスタムペイント(ちょっと特殊)は1050万円。

そして(価格不明ながら)世界一高い塗装「ヒデト・ブルー」を身にまとうブガッティ・シロン。

こういった「カスタムペイント」が非常に効果になる理由としてはやはり「時間」「手間」が挙げられ、通常カラーだと流れ作業でどんどん製造できるのに、違う色を塗装すると、「いったん塗装ラインを止めて」塗料を入れ替え、またノズルなどを掃除してもとのカラーに入れ替えるという手間が発生します。

よって、そのぶんの手間や、もし塗装ラインを止めなかったら生産できていたであろう車両の利益が「カスタムペイント」には上乗せされることになるわけですね。

なお、ポルシェだと前の年に「カスタム」扱いだったものが急に標準カラーにななって安くなる例、また逆もあるので、塗料の代金よりも、やはりラインを止めるコストが大きく影響していると考えるのが妥当かも。

加えて調合にかかる手間なども「追加」費用として発生することになり、それを考えるとカスタムペイントが高くなるのも理解ができます。

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