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ホンダ公式、まさかの「HSV-010」サウンド動画が公開。「市販されなかった幻の新型NSXベース」「フロントV8」「F1よりもサウンドに優れる」異色の存在

2010年のホンダのレーシングカー、HSV-010(サイド)

| 「レギュレーション対応のため急遽開発」「市販化されなかったプロジェクトの副産物」「それでいてデビュー年にチャンピオン獲得」など話題は尽きない |

ホンダが今になってHSV-010のサウンドを公開することになろうとは

さて、ホンダが突如「2010年に登場した珍レーシングマシン」、HSV-010のサウンドを収録した動画を公開。

このHSV-010は「F1マシンよりも音がいい」として当時人気を博したレーシングカーではありますが、ホンダがSUPER GT(GT500クラス)に参戦するために開発した純レーシングカーであること、そしてベースとなる市販車が存在しないことを含め、かなり特殊な生い立ちを持つモデルとして知られています。


ホンダ HSV-010の概要

  • 登場:2010年
  • 活躍期間:2010〜2013年
  • 先代:ホンダ NSX-GT
  • 駆動方式:FR(フロントエンジン・後輪駆動)

HSVとは「Honda Sports Velocity(速さ)」の略であり、文字通り“速さを追求したマシン”として開発されたクルマというわけですね。

2010年のホンダのレーシングカー、HSV-010(フロント)


なぜNSXでの参戦を取りやめ「HSV」になったのか

そしてこのHSV-010誕生の背景について触れておくと、もともとホンダはミッドシップレイアウトを持つNSXでSUPER GTへと参戦していたものの、レギュレーション変更によりFR(フロントエンジン)車のみが”原則参戦可能”へと変更されてしまい、そこで急遽開発されたのがHSV-010です。

  • NSX → ミッドシップ
  • HSV → フロントミッドシップ

ホンダ HSV-010の技術的特徴

エンジンレイアウトの変更により、安定性と高速域での性能向上が狙われていますが、HSV-010の主なスペックは以下の通り。

  • エンジン:3.4L V8(HR10EG)
  • 最高出力:約500PS以上
  • 駆動:FR
  • 重量:約1100kg
  • トランスミッション:6速シーケンシャル
  • シャシー:カーボンモノコック

このエンジンはフォーミュラニッポン(現スーパーフォーミュラ)用V8をベースにした本格レーシングユニットなのですが、このエンジン、そして上述の開発経緯もあって「GTカーというより、ほぼフォーミュラマシン」といったほうが良く、そしてこのエンジンは「超高回転型(9000rpm以上)」「NA(自然吸気)」「軽量クランク+高レスポンス」という最高の条件が揃ったことで「キィィィィィィン!」という金属的な高音」を発することに。

これはターボ主流の現代GTカーとはまったく違い、むしろフォーミュラ1 のV8時代(2006〜2013年)に近い音質を持つ、とも評価されています。

2010年のホンダのレーシングカー、HSV-010(エンジン)


なぜこの音になるのか

そしてこの魅力的なサウンドを発するポイントは3つで・・・。

  • 排気量が小さめ(3.4L)
  • 高回転まで一気に吹け上がる
  • フライホイールが極端に軽い

つまるところ回転の“軽さ”がそのまま音になったとも考えてよく、ファンの間では「GT500史上最高の音」「F1より好き」と言われることもあるほどのグッドサウンド。

ホンダ HSV-010の戦績

このHSV-010は「音だけ」のマシンではなく、実際に優れた戦績を残しており、デビュー年にいきなりタイトルを獲得するなど、非常に競争力の高いレーシングカーであったこともその評価を高める要因となっています。

  • 2010年:シリーズチャンピオン獲得
  • 通算:10勝
  • ポールポジション:8回
2010年のホンダのレーシングカー、HSV-010(リヤ)


最大の特徴:市販車が存在しない「異例のGTカー」

さらにHSV-010の存在を際立たせているのはその出自。

通常GT500マシンは市販車ベースですが、HSV-010はベースとなる市販車が存在しない(幻の量産車計画)という非常に珍しい存在で、「HSV-010が作られ、しかし市販車が登場しなかった」背景としては以下のような流れが存在したからだとされています。

  • 次期NSXがフロントエンジン車として開発中で、そのノウハウをHSV-010に転用できた(HSV-010の市販バージョンが次期NSXとなる可能性があった)
  • しかしリーマンショックなどで開発と市販化が中止
  • その開発資産を使ってレース専用車として投入

HSV-010の戦績を見るに、もし初代NSX後継モデルが「フロントエンジンで」登場していたならば、また一つ新しい伝説が生まれていたのかもしれません。


HSV-010の評価・魅力

ファンからのHSV-010の評価は非常に高く、特に以下の点が高く支持されているものの、やはり「音」について語られることがもっとも多いように思われ、それが今回の「ホンダ公式による」サウンドの公開に繋がったのだとも考えられます。

  • NA V8の甲高いサウンド(F1的な音)
  • 美しいロングノーズのプロポーション
  • コーナリング性能の高さ


HSV-010「その後」

なお、このHSV-010の後、SUPER GT参戦用車両は再びNSXベースに戻り、

  • ホンダ NSX CONCEPT-GT
  • 新型NSX-GT

へと進化することに。

しかしながら、HSV-010 GTは一言でいうと「幻の市販スポーツカーをベースにした、例外的なスーパーGTマシン」という、ホンダのモータースポーツ史でもかなり異色かつ重要な1台として多くの人々の記憶に残っており、そういった人々(ぼくを含む)にとって今回の動画はまたとないホンダからのプレゼントということになりそうですね。

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参照:Honda Grobal(YouTube)

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