| おそらくホンダ・シビック・タイプRは太刀打ちできない |
ルノーが「メガーヌR.S トロフィーRにて、鈴鹿サーキットの「FF最速」記録を更新した、と発表。
メガーヌR.S. トロフィーRはすでにニュルブルクリンク、スパ・フランコルシャンにおいても(ホンダ・シビック・タイプRの持っていた)FF最速記録を更新していますが、今回鈴鹿にて記録したのは2:25.454というタイム。
ちなみにこのタイムがどれくらいかというと、フェラーリF40が2:25.26、フェラーリF50が2:26.52。
先代のルノー・メガーヌRS275トロフィーRが持っていたタイムは2:28.00なので、およそ2秒半ほどこれを短縮した、ということになりますね。※ドライバーは前回、今回ともにロラン・ウルゴン(Laurent Hurgon)氏
技術の進歩がタイムの短縮を実現する
なお、このタイムを見て「フェラーリ遅え・・・」となるかもしれませんが、ポルシェ・カレラGTが2:28.42、ホンダNSX(3.2)が2:32.54、R34スカイラインGT-R V-Specが2:35.17なので、むしろフェラーリF40/F50はかなり速く、しかしそれよりメガーヌRSトロフィーのタイムのほうが異常なレベルである、ということになりそうです。
ほんの10年ほど前までは「FFで300馬力」というのはまともに走れないだろうと言われていたものの、車両安定技術の進化によってアッサリと300馬力級のFFマシンが登場し、普通に売られるように。
さらにタイムを出すには、「軽量でピュアな後輪駆動車」ではなく「ハイテク満載の4WD車」でないと通用しない時代となっていて、それまでのセオリーが技術革新とともにひっくり返された、と言えそうです。※つまりパワーアップよりも”パワーを駆動力に変換する”ことのほうが重要
そう考えると、これからの10年は「エレクトリック技術の進歩」によって、フェラーリSF90ストラダーレ、ランボルギーニ・シアンFKP37のようなハイブリッドカーが主役になると思われ、10年の経過を待たずして「ピュアエレクトリックカー」へと移行してゆくのかも。
メガーヌR.S.トロフィーRは日本での人気が高い
なお、メガーヌR.S.(ルノー・スポール)トロフィーRは世界限定500台。
ただしそのうち50台は日本に割り当てられているとのことで、これはかなり高い比率だと言えそうです。
エンジンは1.8リッターターボ、出力は300馬力、そしてメガーヌR.Sに比較して130kgの軽量化やサスペンション、エアロダイナミクスの変更が行われたハードコアモデル。
今回メガーヌR.S.トロフィーRが「鈴鹿のFF最速タイムを更新」したとなるのはホンダ・シビック・タイプRのタイム。
現行モデル(FK8)は公式に鈴鹿サーキットにアタックしたという記録は見当たらず、FD2世代のシビック・タイプRが2:35.20、EK9では2:49.17という記録が残ります。
現行シビック・タイプRでもメガーヌR.S.トロフィーRに対抗して欲しいという気持ちもありますが、シビック・タイプRは「マニュアル・トランスミッション」しか持たず、よってデュアルクラッチのメガーヌR.S.に立ち向かうのは難しいかもしれませんね(先代のメガーヌR.S.はMTのみだったので、シビック・タイプRとはけっこういい勝負ではあった)。