| GT-Rを復活させたのはカルロス・ゴーンだが、今や日産内部でもGT-Rは支持されていないのか |
ニスモビジネスオフィス兼、第一商品企画部 日産GT-Rチーフ・プロダクト・スペシャリストである田村宏志氏によれば、次期日産GT-Rについてはその開発を急いでおらず、エレクトリック技術、そして自動運転技術が投入される可能性がある、とのこと。
ただし以前に同氏は「ハイブリッドを使用すればあまりに価格が高くなりすぎる」とも語っており、今回の発言については「あくまでも可能性の一部」ということになりそう。
ちなみに次期日産GT-Rについてはその内容が二転三転していて、実際のところ日産は「お家騒動」のためにそれどころじゃないのかもしれませんね。
エレクトリックカー、自動運転の可能性もアリ?
そして今回、田村氏はDigital Trendsのインタビューに対し、現行R35 GT-Rの「10歳を超える」年齢に対しても懸念を示しておらず、「R32スカイラインGT-Rは1989年に発表され、R33スカイラインGT-Rの発表は1995年だ。そしてR34スカイラインGT-Rは1999年に発表され2002年まで発売されている。それらは同じRB26DETT(エンジン)を13年も使用し続け、同じプラットフォームを採用していたことを考えると、R35 GT-Rは何の問題もない」とのこと。
さらに田村氏は「次期GT-Rは、消費者の求めに応じて方向性が変わるだろう。もし消費者がエレクトリックモデルを望めば、次期GT-Rはエレクトリックモデルとならざるを得ない」。
そしてその消費者とは実際にGT-Rを購入する人々のことを指しているとし、「我々は、彼らの欲しいと思うものを真剣に研究し、実現する。それがEVであろうとも、ガソリンエンジンであってもだ」。
そして自動運転技術についても触れており、これは以前にマクラーレンが示唆したような「サーキットでより速く走る方法をドライバーに教えるような」ものになる、とも語っています。
今回の話を総合するに、次期GT-Rについては「結局のところ何も決まっていない」ということになり、今から開発を始めたとしても(しかもこの様子では開発しそうにない)あと3~4は(登場までに)かかりそう。
次期日産GT-Rの状況はこんな感じ
なお、次期日産GT-Rについてはおおよそこういった状況。
日産内でもなんらかの議論がなされているのは間違いなさそうですが、結局は何も決まっていないということになるのかも。
なお、GT-Rはそれまでの日産が「儲からないから」という理由で販売を終了させたものの、カルロス・ゴーン元CEOが復活させたクルマ。
同氏の主張としては「顧客が”作ってくれ”というようなクルマを持つことができるメーカーは少ない。そしてそのクルマを持っているならば、作らない手はない」。
GT-R復活について、形としてはファンの要望に応えたということになりますが、実際には「それ単体で利益は出なくても、広告塔として十分に機能し、モトは取れる」と踏んだのだと思われます。
そしてカルロス・ゴーン氏が去った今となっては「GT-Rは無駄」と考える重役も少なくはないと思われ、もしかすると「次期GT-Rはない」かもしれない、と感じさせるのが最近の一連の動きでもありますね。